ヘルシンキの街中に現れた、車一台分の駐車スペースに建てられる家「Tikku」

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フィンランドの首都ヘルシンキで9月に開催された、北欧最大のデザインフェスティバル、「ヘルシンキ・デザインウィーク」。同市の中心部には、車1台分の駐車スペースに建てられた、3階建ての家が登場した。この斬新な家の名前は、”Tikku“。フィンランド語で「棒」という意味だ。

私たちが描く、理想の未来都市とはどんなものだろうか。現在、都市部にはオフィスが入る高層ビルが多く立ち並び、昼間はビジネス街として活気があるが、夜になれば人はいなくなり、閑散となる。Tikkuは、オフィスアワー以外にも使える建物を都市の中につくることで都市に活気を与え、未来の都市計画に新しい提案をしている。

Tikkuは、1台分の駐車スペースとなる2,5 x 5 mの広さに建つ小さな3階建てのアパートだ。寝室、仕事部屋、温室に分かれている。家の中で必要なエネルギーはソーラーパネルで発電し、ドライトイレを備えており、水は外から運んでくる。シャワー、洗濯機、台所はない。これらは街中のフィットネス、コインランドリー、レストラン、カフェなどで済ませることができるからだ。Tikkuはより一層のオーガニック社会を目指しており、街との共存をモットーとしている。

Tikkuの材質にはクロス・ラミネート・ティンバー(CLT)が使用されている。 CLTは木材を繊維方向が直行するように交互に張り付けていく工法で断熱性に優れている。厚さ10㎝で耐久性が保証されており、20㎝あればどんなに寒い冬でも大丈夫だ。他の遮熱壁は必要ない。また、CLTは鉄筋コンクリートより5倍も軽く、耐震性にも優れている。さらに、工場でパネルの製造加工が行われるため現場での施工が少なくなり、工期が短縮できるという長所もある。普通の道路上であれば他の基礎構造は必要なく、Tikkuは建物のバランスを取るための砂箱を底に置くだけで1晩あれば世界中のどこにでも建てられる。

Tikkuを生み出したCASAGRANDE LABORATORYは、「現在、世界中のあらゆる所に車で行ける。車が行ける所ならどこでも、車1台分の駐車スペースの広さのTikkuが建てられる」と語る。

Tikkuの空間機能と組み合わせは無限大だ。部屋、温室、オフィス、店、台所、サウナ、道場、ワークショップ、ホテルの部屋など、多目的に使用できる。街中にありながら、よりシンプルな共存生活スタイルを提案する Tikku。私たちが描く理想的な未来都市づくりに向けた布石になりそうだ。

【参照サイト】CASAGRANDE LABORATORY
【参照サイト】CLT建築推進協議会

(※情報・写真提供:CASAGRANDE LABORATORY