世界初。イタリアで「気候変動」を学校の必修科目へ

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世界のあり方は日々変化し続けている。学校教育は、子供たちがこの世界に対する認識を深め、人生を豊かにしていくために行うもので、その内容は社会の変化に応じて更新されていくことが求められる。

現代の大きなテーマの一つに、気候変動がある。近年、メディアで取り上げられる頻度も高まっており、いま私たちが現実に起きている問題を正しく理解したうえで、解決に向けて議論すべき課題だ。そんな中、イタリア政府は、2020年9月より学校教育で気候変動に関する授業の必修化を発表した。

環境教育を制度上、“義務化” するのは、今回のイタリアの試みが世界初となる。対象はイタリアの小学生から高校生まで、年間で最低でも33時間、授業時間を当てていく方針だ。地理学や物理学と関連した気候変動に関する知識や、気候変動が自然や社会に与える影響、その対策といった基本的な事柄に加え、環境保全と経済成長の両立をどのように図るか、といった実践的な内容までを教えるとしている。

教室に座る子供たち

国内外の科学者の協力を得ながら教育カリキュラムを作成し、2020年1月からは、各学校の教師への指導も進めていく考えだ。

フィオラモンティ教育相は、会見で「自然環境や社会に関する学びをカリキュラムの中心に据えたものとして、イタリアの教育制度を世界初の実例としていきたい。」と語り、“世界初”を強調した。何事もはじめの一歩が肝心であり、今回のイタリアの決定には大きな意義があるだろう。

2019年は、9月に世界各地で大規模な「グローバル気候マーチ」が行われ、気候変動に対する国際社会の関心が、急速に高まる年となった。気候変動に対して当事者意識を持つ若者は増えており、次世代の子供達が環境問題を正しく理解することは、時代の要請とも言える。

長期的視点に立った効果的な気候変動対策として、いち早く「教育」に改革をもたらしたイタリア。知識の効率的な詰め込みに陥りがちな、あらゆる教育現場でも見習う点があるだろう。今後イタリアの動きに続く国が出てくることを期待したい。

【参照サイト】Italy to become first country to make learning about climate change compulsory for school students

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