日本の伝統文化を守る「きものリトリートホテル」山形県白鷹町に2021年オープン

Browse By

いま、世界中で宿泊業界が大打撃を受けている。新型コロナウイルス感染症のパンデミック化により、人々が外出を控えているからだ。コロナ禍に特化した宿泊施設等も次々と開設されているが、アフターコロナの観光業界の復興の確固たる筋道は、いまだ描かれていない。

そんなさなかに、日本復興の狼煙を上げるかのようなプロジェクトが発足した。山形県白鷹町に残る歴史的建物「旧奥山邸」を創業440年以上の呉服屋であるとみひろが引き継ぎ、着物を起点に日本文化を伝える「きものリトリートホテル」として2021年春に開業すべく、リノベーションを行っているのだ。

この地域は、質素倹約を貫きながら、養蚕をはじめとした新しい産業を興して日本一貧乏と言われた米沢藩を再興へと導き、ジョン・F・ケネディ元米大統領が最も尊敬する政治家として名高い上杉鷹山ゆかりの場所である。

きものリトリートホテル

きものリトリートホテルは、「養蚕や着物への所縁と日本文化の伝承」と「自分自身のからだを守る」という、二つのテーマをかけあわせた宿泊施設だ。着物文化や白鷹町の文化の体験プログラムに力を入れており、地域の農家や商店、事業者等と連携を図りながら、オープン後には伝統工芸から田植え、稲刈り、雪かきなど日々の暮らしまで、白鷹ならではの貴重な「体験」の場をつくり、山形県の地域活性化を目指す。

また、自分のからだに向き合うリトリートも本宿泊施設の大きなテーマだ。リトリートとは、普段いる場所から物理的に距離をとり、自然の中や静かな場所などで疲れを癒す方法のこと。きものリトリートホテルを手がける株式会社ukitamは、これを「日常を離れ自分に向き合う休息」と定義している。

昨今、着物は日本が誇る伝統文化として見直されてきている。その理由の一つは、着物のサステナブルさだ。日本は明治維新を契機として、「洋服を着る」という急激な近代化を進めた。洋服の縫製では、体の形状にあわせて立体的にするために生地の裁断が必要なので、多くの部分が切れ端となって残り、廃棄される。一方、和服は長方形の生地をほぼそのまま使って平面的に仕立てるため、無駄がない。また、体型の変化にも帯一本の調整だけで対応できるため、結果的に長く着ることができるのだ。

山形の豊かな自然の中で、伝統的な日本文化に触れられる「きものリトリートホテル」はまさに温故知新の場だ。開業すれば、人々に学びと豊かさをもたらす存在になるだろう。

【参照サイト】とみひろ
【参照サイト】山形県白鷹町:着物の世界を起点に地域の魅力を伝える“きものリトリートホテル” 2021年春開業(予定)

Edited by Kimika Tonuma

ご近所と繋がりたい人に。飲食代の代わりに「人を助ける」ことを約束するカフェ

現代社会において、ご近所付き合いを頻繁にしているという人は、一体どのくらいいるだろうか。安

国境による分断をなくす。リアルタイムで都市と都市を結ぶ窓「Portal」

リトアニアの首都ヴィリニュスと、ポーランドの都市ルブリンは、約600キロメートル離れている

コロナ禍で地域経済の活性化を目指す、チェコのデジタル通貨「Corrent」

日豪の研究チームが2021年4月に発表した論文「誰が新型コロナの給付金を使ったのか?日本の

音であの夜に戻ろう。コロナ禍にメキシコのバーが始めた音声サービス「I Miss My Bar」

日本の都市部では緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が続き、飲食店でのひとときが恋しくなって

土に埋めると花が咲く、100%生分解性のマスク「Marie Bee Bloom」

香港に拠点を置く海洋保護団体「オーシャンズアジア」の報告書では、2020年に15億6千万枚

コロナで休業するバーのシャッターに広告を。ハイネケンの飲食店支援

日本では1月7日から、首都圏を中心に2度目の緊急事態宣言が発令され、現在も継続中だ。夜8時

英BBC、ロックダウン中に教育番組をTV放送。ネット環境がない生徒にも教育を

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2021年1月5日から3回目のロックダウンに入ったイギ

コロナ禍でも安全にエンタメを楽しむ。夜にも寄れる香港の公園「The Grounds」

この一年で最も社会に浸透した言葉の一つ、それは「ソーシャル・ディスタンス」ではないだろうか

年末年始はリモートで。離れていてもオンラインで一緒に楽しめるアイデア8選

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、世界保健機関(WHO)の感染症専門家のマリア・ファン

「自給自足できる」街づくり。気候変動とパンデミックに立ち向かう、中国雄安新区の都市開発

新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大防止のために人や物の移動が制限されるように

シンガポール、グリーンリカバリー分野で5万以上の雇用機会を創出へ

グリーンリカバリーという言葉をご存知だろうか。グリーンリカバリーとは、打撃を受けた経済を今

飛行機をレストランに。シンガポール航空が提供する、コロナ禍の非日常体験

2020年、多くの業界が新型コロナウイルスによる影響を受けた。その中でも特に、人々の往来を

ウィズコロナのまちづくり。アメリカで進む「徒歩10分で公園」計画

新型コロナウイルス感染症の広がりによる緊急事態宣言、外出自粛など、感染を防ぐために自宅で過

さとうきびストローが実現する関係のリ・デザイン【Design for Good 〜つながりのリ・デザイン展〜トークライブレポVol.7】

IDEAS FOR GOODでは、自分が自然や人とどのような「つながり」をもっているのかを

手押し車をベンチに。コロナ禍のトロントで生まれた公共サーキュラーデザイン

新型コロナウイルスによって、密閉空間が避けられるようになり、街中での人々の行き来は減少した

日本の伝統文化を守る「きものリトリートホテル」山形県白鷹町に2021年オープン

いま、世界中で宿泊業界が大打撃を受けている。新型コロナウイルス感染症のパンデミック化により

地域の支え合いが作る、サステナブルな飲食店。石神井のイタリアンレストラン、FILIPPO

新型コロナウィルス(以下、新型コロナ)の影響で飲食店のあり方はガラリと変わってしまった。都

まちの道路をテラス席に。コロナ禍の飲食店を救う横浜のまちづくり「かんないテラス」

新型コロナウィルス感染症の影響により多くの飲食店が経営に大きな影響を受けているなか、国土交

家で退屈なあなたへ。世界各地の窓辺からの景色を眺められる「WindowSwap」

新型コロナウイルスの感染再拡大に世界が警戒心を示すなか、旅行に行くかどうか決めかねる状況が

花が彩る、日常の小さなつながり【Design for Good 〜つながりのリ・デザイン展〜トークライブレポVol.3】

IDEAS FOR GOODでは、自分が自然や人とどのような「つながり」をもっているのかを

FacebookTwitter