風力で動く世界最大級の船、スウェーデンで開発中

Browse By

スウェーデンの船舶会社Wallenius Marine(ワレニウス・マリン)が、新たに貨物船やクルーズ船となるような巨大船を開発している。船体は長さ200メートル、幅40メートル。一度に自動車を7000台積載可能な大容量だが、ただの船ではない。これは、風の力で進む世界最大級の船なのだ。

「Oceanbird(オーシャンバード)」と呼ばれるこの船は、再生可能な風力を原動力として動く。ディーゼルエンジンを搭載した従来の重油船と比べて、大気汚染の原因となるガスの排出を90%も削減することが可能だ。大型貨物船であるにもかかわらず、クリーンな航行を実現している。

Ocenbird

Image via Wallenius Marine

Oceanbirdの高さは水面から低い時で45m、高さ80メートルの帆を完全に伸ばすと105メートルにもなる。この帆は従来の帆船のマストの2倍の高さで、風を切る翼のように5本、垂直に設置されている。風を効率よく捉えられるように設計がされた結果なのだが、どこか近未来的な印象を受ける。

同船の開発にはWallenius Marineをはじめ、スウェーデン王立工科大学(KTH Royal Institute of Technology)やスウェーデンの海事コンサルタント会社であるSSPAも参画している。

Ocenbird

Image via Wallenius Marine

排水量は3万2,000トンで、速度は従来の船舶の17ノットより、やや遅い10ノット(時速およそ約19km)だが、12日で大西洋を横断できる。環境性能を考えれば、十分な速度と言えるだろう。

大気汚染や気候変動は私たちの生活において、すでにさまざまな弊害をもたらしており、このまま続けば環境に不可逆的な影響を及ぼす。船の走行においてもこれまでのディーゼルや重油から再生可能なクリーンエネルギーへ転換していくことは、喫緊の課題だ。

Oceanbirdは、環境先進地域の北欧・スウェーデンらしい取り組みで、環境課題を海上で解決するソリューションの一つとなるだろう。初のお目見えで、今は物珍しいが、近い将来、この不思議な翼のついたような外観の風力発電船がグローバル・スタンダードになっていくかもしれない。

【参照サイト】Wallenius Marine

Edited by Kimika Tonuma

FacebookTwitter