【わかる、えらぶ、エシカル#20】地球の恵みを生活に取り入れる。「天然素材」の商品を買おう

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「エシカル消費」という言葉を知っていますか? エシカル消費とは、人や社会、環境に配慮した消費のことで、誰にでもできる社会貢献のアクションとして、注目されています。

本特集では前回(全9回)の続編として、約6カ月にわたりエシカル消費のおすすめ11テーマを解説してきました。最後回となる第20回は、「天然素材」について詳しく解説します。

天然素材とは自然の中で手に入る素材

人工的につくられたプラスチックや鉄などと比べて、竹のカゴや木の机、綿や麻でつくられた衣服、石でつくられた雑貨などの天然素材に、温かみや優しさを感じる方も多いのではないでしょうか。

都市部に暮らしていて、自然とのつながりが希薄になりがちな人も、天然素材を使ってつくられたものには安らぎを感じるようです。

天然素材は明確な定義があるわけではありませんが、動植物や石など、生き物や自然の中で手に入る素材を意味します。最近ではサステナビリティへの関心の高まりとともに、天然素材の活用が改めて見直されています。どんな天然素材商品があるのか、みていきましょう。

天然素材商品はなぜエシカル?

天然素材で作られた商品はどのような点がエシカルなのでしょうか。

(1)CO2排出量の削減

天然素材から作られた商品は、化学的に作られた商品に比べ、二酸化炭素の排出量が少ない傾向にあることが特徴です。その理由として、二酸化炭素を吸収する天然素材が存在することや、加工する場合にも素材本来の特性を生かすため、少ないエネルギーで加工するからです。

(2)廃棄物の削減

自然由来の素材で作られた商品の中には、生分解性があったり堆肥化できたりするものもあります。その場合、使用後は燃やして廃棄する必要がなく、そのまま土に還せるものもあります。堆肥化できるものは、廃棄する時に発生する二酸化炭素排出量の削減にも貢献できます。

(3)人の心やからだに優しい

人工的につくられた化学物質と違い、天然素材には素材本来の香りや肌ざわりがあります。有害物質の排出が少なく、素材の特徴が生かされたものを使用すれば、人の心やからだが感じる負担は少なくなるでしょう。

しかし、天然素材だからといって必ずしもエシカルというわけではありません。

たとえば、天然素材であっても生態系や生物の生息環境に影響を与えたり、特定の種の動植物を採りすぎたりすればエシカルとは言えません。また、その素材を採る人に適正な賃金が支払われているかどうか、といった社会的側面もみる必要があります。

脱化石燃料や脱プラスチックが注目される中、ますます重宝される天然素材ではありますが、新たな問題をつくりださないよう注意しながらうまく活用していきたいものですね。

天然素材商品を選ぶポイント

ではここで、国内外の天然素材商品を紹介します。

毎日使うモノをもっとエコに。木のゴミとカニの甲羅で作る食品ラップ

食事の残り物や野菜などの保存に便利な食品ラップは石油から作られています。世界的に脱化石燃料が進む中、他のもので代用できないか、と考えた米ジョージア工科大学研究チームが、木の繊維とカニの甲羅を使った食品ラップを開発しました。従来の食品ラップと同じような透明性や柔軟性があるだけでなく、「酸素透過性」を67%まで削減できるため、食品の保存性も高まります。天然素材にシフトすることで食品ロスの削減にもつながる一石二鳥な次世代ラップですね。

【記事】毎日使うモノをもっとエコに。木のゴミとカニの甲羅で作る食品ラップ

テイクアウトをサステナブルに。カカオ豆の殻で作ったリターナブル容器

Image via PriestmanGoode

Image via PriestmanGoode

新型コロナウイルスの影響によりテイクアウトをすることが増え、容器包装ごみが増大しています。こうした状況を改善しようとロンドンに拠点を置くデザインスタジオPriestmanGoodeが天然素材を使ったリターナブル容器をつくりました。本体にはチョコレートを作る際に出るカカオ豆の殻から作られたバイオプラスチック、ふたにはパイナップルの葉から抽出したセルロース繊維が使用されています。飲食店がこの容器をリユースすればさらに環境負荷を減らせそうですね。

【記事】テイクアウトをサステナブルに。カカオ豆の殻で作ったリターナブル容器

「輪島塗食器」で三方よしを実現。環境・伝統・ヒトを育てる千舟堂

漆塗りの食器

輪島塗ブランド 千舟堂では、販売するお碗(わん)「iro椀(いろわん)」の売り上げの3%を国内の漆の植樹に活用し、カーボンポジティブを目指す「国産うるしプロジェクト」を行っています。漆は土、漆、木だけを使った元祖天然素材とも言える商品で、もともと環境負荷が低いという特徴があります。国産漆の復活を目指して、若手職人の育成をはかることを目的とし、伝統的な天然素材商品を生かしながら環境と伝統を守る取り組みです。

【記事】「輪島塗食器」で三方よしを実現。環境・伝統・ヒトを育てる千舟堂

エールマーケットの天然素材商品

最後にエールマーケットから天然素材商品をご紹介します。

エコ素材の植木鉢 クラシック19

竹繊維をミックスしてつくられた植木鉢。天然素材を活用することで石油系原材料の使用を減らすことにつながります。カラーバリエーションも多く、ガーデニングが楽しくなります。

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木村石鹸 SOMALI 台所セット


天然植物油脂100%の「純石けん」をベースに作られた手肌に優しい洗剤。自社工場でつくった伝統の釜炊き製法で作られた純石けん分と植物由来成分で最適なバランスに。石油由来界面活性剤や合成香料、合成着色料、石油由来防腐剤を使用しないナチュラルな台所石けんです。

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竹製グラス リヴェレット


天然孟宗竹(もうそうちく)を使った手作りの竹製ワイングラス。ガラス製のものよりも熱伝導性が低いのでお好みの温度を保ったままお酒を楽しめます。天然緑茶成分を配合したコーティングを行っており、ワインの色移りや染み込みも心配ありません。家庭用食洗機にも対応する優れものです。

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爪にやさしい胡粉(こふん)ネイル

日本で最古の絵の具専門店「上羽絵惣(うえばえそう)」が開発した天然素材の「胡粉(こふん)ネイル」。ホタテ貝殻の微粉末から作られる顔料を利用してつくられ、有機溶剤を一切使用しないマニキュアです。他のマニキュアと違い、強い刺激臭がないのが特徴です。水溶性なので、消毒用のアルコールなどでも簡単に落とせます。

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第1弾に続き、『わかる、えらぶ、エシカル特集』の第2弾を約半年間にわたりお伝えしました。合わせて20ものテーマからエシカルの視点をお届けしましたが、少しでもみなさまの生活のヒントになりましたら嬉しいです。

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ヤフージャパンが東日本大震災後、東北の商品を揃えてネットで販売を始めた「復興デパートメント」。今は「エールマーケット」と名前を変え、全国の商品を取り扱っています。自然環境や人、地域に優しい社会を応援(エール)する、本当にこだわった商品を販売するモールです。

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