【わかる、えらぶ、エシカル#8】わたしたちの安全で快適な暮らしを守る。「森林を守る」商品を買おう

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「エシカル消費」という言葉を知っていますか? エシカル消費とは、人や社会、環境に配慮した消費のことで、誰にでもできる社会貢献のアクションとして注目されています。

本特集では、5カ月にわたり、エシカル消費のおすすめ9テーマを解説していく「わかる、えらぶ、エシカル -Shopping for Good-」特集。第8回は、「森林を守る商品」について詳しく解説します!

森林の恩恵を、直接的にも間接的にも受けている私たちの暮らし

国土の3分の2が森林に覆われ、世界第2位の森林率を誇る日本(*1)。そんな国に住む私たちの暮らしは、さまざまな形で森林からの恩恵を受けています。

例えば、ノートやコピー用紙といった紙製品、建築材、木製の家具なども、もとをたどれば森林から生み出されたもの。森林の樹木から作られる精油はもちろん、日本では古くから森林に生える植物が薬として使われてきました。

間接的な恩恵もあります。森林は私たちが生きていく上で必要な酸素を作りだし、空気を浄化してくれます。森林に降った雨がゆっくりと土に浸透し、浄化されるおかげで、私たちは日々水を使うことができます。また、森林には土砂災害や洪水・渇水を防ぐ役割もあります。

森林は人間が排出した二酸化炭素の約25%を吸収・貯蓄するため、気候変動を防止する上でも重要な役割を果たしています。また、森林には陸上生物の約8割が生息するなど、生物多様性保全をはかる上でも重要な場所といえます(*2)。

2020年は森林保全のゴールとされていた年

私たちに多くの恵みを与えてくれる森林ですが、人間の過剰な利用により破壊が進んでいます。

FAO(世界食糧農業機関)によると、1990年以降の30年間で失われた森林面積は4億2千万ヘクタール(420万平方キロメートル)(*3)で、日本の総面積(約38万平方キロメートル)の約11倍。直近の10年間においても、1年あたり470万ヘクタール(4.7万平方キロメートル)もの森林が失われ、毎年、九州(3.7万平方キロメートル)よりも大きな面積の森林が失われています。

また、地球の肺とも言われる「アマゾン」は過去50年間で2割の森林が既に失われ、近年はさらに、開発と火災によって破壊が加速しています(*4)。森林保全の必要性については、2015年の国連サミットで採択され、貧困や飢餓、エネルギー、気候変動、平和的社会などの諸目標を定めたSDGs(持続可能な開発目標)(*5)でも共有されています。

目標15の「陸の豊かさも守ろう」という項目の中では、「2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる」(ターゲット2)と書かれています。

2020年はまさに今年。森林破壊が起こり、生物多様性が失われるなど、残念ながら目標達成からは遠い現状にありますが、日々の生活の中で森林の大切さを意識することが、森林を守り、森林が再生するスピードを加速する第一歩になります。

私たち一人ひとりが、「森林を守る」行動をしたいと思った時に、何から始めればいいのか、一緒に学んで行きましょう。

「森林を守る商品」とは?

では、森林を守る商品とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか? 大きく分けて、以下の3つのものがあります。

・森林資源を活用した製品を再生利用(リサイクル)したもの

・森林資源を活用した製品を再使用(リユース)したもの

・持続可能性を大切にした管理のもとで育成された森林資源を使ったもの

再生利用(リサイクル)したものの例としては、たとえば牛乳パックなどを使用したトイレットペーパーやティッシュ、ノートなどがあげられます。再使用(リユース)の例としては、古民家の建材を使用した住宅や店舗、家具などがあります。こうした利用方法は新たな森林資源を使わないという点で森林を守ることにつながる商品です。

そして、最近増えてきているのが、「森林資源を使った商品です。持続可能性を大切にした森林管理とは、環境に配慮され、先住民や労働者の権利・安全を守り、責任を持って森林を管理しているということです。こうした森林に対する認証ラベルも出てきています。

残念ながら私たちの暮らしで使用する全ての森林資源を、再生利用・再使用の素材でまかなうことはできないため、適切な森林管理のもとで育成された森林資源を活用するという観点が重要と考えられています。

世界で生まれている「森林を守る」商品

私たちの暮らしを支えてくれる森林を守るために、国内外でさまざまな「森林を守る」商品やサービスが生まれています。

アグロフォレストリー農法で栽培されたカカオのチョコレート

生産者の顔が見えるチョコレート

多様な作物を植えることで森林の生態系を守りながら、作物による収穫も得られる「アグロフォレストリー」農法。森林を守りながら、経済収入も得られる手法として注目されるこの農法を活用し、アマゾン熱帯雨林で作られたカカオを使ったチョコレートです。

【記事】マダガスカルとアマゾンの森のなかで共生する農業「アグロフォレストリー」がグッドな二つの理由

「最も早く育つ植物」竹でできたサステナブルなハンドメイド水筒

FSC認証(後述)を受けた竹を利用し、ベトナムの職人が作るハンドメイド水筒。売り上げの一部は、現地の学校に安心して飲める水を届けるための雨水浄化システム設置費用として使われます。表面の竹の模様など、色合いや風味が少しずつ異なった仕上がりになっているのが魅力です。

【記事】竹の水筒でゼロウェイストのインフラを創り出す。デンマーク人の挑戦「not just bamboo」

100年前の家具を再生して貸し出すサブスクリプションサービス

アップサイクルされたタンスたち

50~100年前に作られた古い家具をアップサイクルし、月額2,300円~で提供する画期的なサブスクリプションサービス。古い家具を長く大切に使うことで、森林資源の新たな利用を減らせます。和洋を問わないアート性の高い家具が注目を集めています。

【記事】“今だから欲しい”タンスへ。富山発、定額制でアップサイクル家具を貸し出す「yes」

「なるほど! 森を守るってこういう商品を選ぶことなんだ!」「すてきな商品がいろいろあるんだなあ」とだんだん興味がわいてきますね!

森林を守る商品を選ぶポイント

では、森林を守る商品を選ぶために、どういったことに気をつければよいのでしょうか?  5つのポイントを、参考にしたい認証ラベルやマークと合わせてご紹介します。

1. 持続可能な森林経営が行われている森林からつくられた商品を選ぶ

まず、生態系などの環境保全や労働者、先住民・地域住民の人権、経済的な継続性などに配慮した「持続可能な森林経営」を行っている森の資源を使った認証商品を選ぶ方法があります。こうした認証ラベルは、ジュースなどの紙パック(もしくはパッケージ)やノートなどの文具類、家具類などで見つけることができます。

FSC®(Forest Stewardship Council ®:森林管理協議会)

認証環境保全をはかり、地域社会や労働者・先住民などの人権にも配慮し、経済的にも持続可能な「責任ある森林管理」の規格を満たした木材製品につけられる認証。

PEFC森林認証

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本部をスイス・ジュネーブに置く、世界最大の森林認証制度。厳格な国際基準に従って管理されていることを、独立した専門家によって検証された森林に由来する商品につけられる。
*ロゴの使用には「緑の循環認証会議」(SGEC-PEFCジャパン)の許可を得ています

 

SGEC認証


上のPEFC森林認証との相互認証のもと、日本の森林の自然的・社会的立地に即して、持続可能な森林経営を実現するための国際性を持った基準。
*ロゴの使用には「緑の循環認証会議」(SGEC-PEFCジャパン)の許可を得ています。

2. 持続可能なパーム油が使われた商品を選ぶ

RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)という認証ラベルも、森林を守る商品選びの手がかりとなります。

お菓子や揚げ物、化粧品、洗剤などに使われるパーム油は、アブラヤシという植物からつくられます。安価で単位面積あたりの収穫量が多いことから消費量は年々拡大し、主な生産地であるインドネシアやマレーシアの熱帯雨林破壊を引き起こしています。

RSPO認証は環境や地域住民、労働者の人権に配慮したパーム油であることを証明するもので、最近では認証を取得したパーム油を使用した洗剤や食品などが増えつつあります。

RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)


認証アブラヤシプランテーションの運営が原則と基準にそって行われているか、また作られたパーム油が加工、流通の段階できちんと管理されているかについて第三者機関がチェックし、基準をクリアしていれば受けられる認証。

3. 国産材や間伐材を使った商品

国産材や間伐材を使った商品を選ぶことも、森林を守ることにつながります。

日本は世界有数の森林大国の一つですが、多くの森林資源を海外から輸入しています。例えば紙類の原料となるパルプは2000年以降、7割以上を海外に依存しています(*5)。その結果、6割を占める人工林の手入れがゆきとどかず、土砂崩れや二酸化炭素の吸収が低下するといった問題が起きています。

「木を切る」と聞くと森林破壊につながるのではないか、と思うかもしれませんが、国産材の利用は逆に国内の森林の健全性を高め、海外の森林を守ることにつながります。最近では、手入れの際に間引きした木、間伐材を使った割り箸、紙で作られた飲料容器「カートカン」などもあります。

木づかいサイクルマーク

国産材を使った商品につけられるマーク。

間伐材マーク

間伐材を使った商品につけられるマーク。

4. 再利用品・再使用商品

木材やパルプといった商品は一度使って終わりではなく、リサイクル(再生利用)、リユース(再使用)して使うことができ、新たな森林資源の利用を減らすことができます。たとえば、牛乳パックをリサイクルしたトイレットペーパーや再生パルプを使ったノートやコピー用紙などがあります。また、リユース(再使用)の例としては、古民家の建材や古い家具のアップサイクルなどがあります。

再生紙使用マーク(Rマーク)


古紙パルプが配合されていることを示すマーク。Rのあとの数字が配合率の割合を示す。

5. 非木材商品

木を使わない、非木材素材を使った商品を選ぶという方法もあります。代表的なものとしては、竹が挙げられます。竹は再生力が早く、適切に伐採されないとどんどん広がって雑木を枯らしてしまうという問題もあるため、積極的に利用することが求められます。他にも、サトウキビの残りカスであるバガス、ケナフ、中にはバナナといった珍しい素材を使った紙製品もあります。風合いの面白さも魅力です。

非木材グリーンマーク表示

非木材植物を使用した紙・紙製品などつけられているマーク。

ここでご紹介した以外にも、森林保全を行う団体への寄付がついた商品なども選択肢の一つになります。単純に「森林を守る」といってもいろいろな観点があるので、まずはご紹介した5つのポイントを頭に入れて、日々の暮らしの中で森林を守る行動を取り入れていけるとよいですね。

エールマーケットのオススメ森林を守る商品

最後に、エールマーケットで販売されているおすすめの「森林を守る商品」をご紹介します。気になるものがあったら、ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

間伐材から作られた、アウトドア用の食器

間伐材から作られた、アウトドア用の食器

 

キャンプやBBQなどで活躍しそうなお皿とスプーン、フォークのセット。間伐材や放置竹林を活用してつくられているため、国内の森林や竹林の健全育成、有効活用に貢献できます。

(商品ページはこちら<外部サイト>

 

売り上げの一部が寄付される国産ひのきのまな板

売り上げの一部が寄付される国産ひのきのまな板

 

高知産のひのきを使ったまな板。国内の森林の健全育成につながります。売り上げの一部は音楽家 坂本龍一氏が設立した森林保全団体「more trees」に寄付されます。

(商品ページはこちら<外部サイト>

 

素肌のうるおいを保つ植物性ボディソープ

素肌のうるおいを保つ植物性ボディソープ

 

RSPO認証を取得したパーム油を使用したボディソープ。びわの葉エキス、天然ビタミンE、ハーブエキスがお肌をしっとり保ちます。

(商品ページはこちら<外部サイト>

 

 

次回は「復興支援商品」について解説します。お楽しみに!

※「わかる、えらぶ、エシカル -Shopping for Good-」特集は、Yahoo! JAPANが運営する人・社会、地域、環境にやさしいエシカル商品を応援するお買い物メディア「エールマーケット」とIDEAS FOR GOODが行う連載企画です。

*1国連食糧農業機関の統計(2015年版)
*2 UNFF(2009) Forests and biodiversity conservation, including protected areas. Report of the Secretary-General. E/CN.18/2009/6 : 5.
*3 FAO,Global Forest Resources Assessment 2020
*4 World Wildlife Fund(2018) Living Planet Report:2018,p.38
*5 日本製紙連合会 パルプ材入荷推移と輸入比率(閲覧日2020/07/19)

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ヤフージャパンが東日本大震災後、東北の商品を揃えてネットで販売を始めた「復興デパートメント」。今は「エールマーケット」と名前を変え、全国の商品を取り扱っています。自然環境や人、地域に優しい社会を応援(エール)する、本当にこだわった商品を販売するモールです。

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