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Black Lives Matter(BLM)とは・意味

Black lives matter

Black Lives Matterとは?

Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター、BLMと略される)とは、アフリカ系アメリカ人に対する警察の残虐行為をきっかけにアメリカで始まった人種差別抗議運動のこと。

BLM運動といえば、2020年5月に米ミネソタ州ミネアポリスで、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんが白人の警察官に首を8分46秒圧迫されて死亡したいわゆる「ジョージ・フロイド事件」を受け、全米に広がっていった抗議運動が有名だ。このデモをきっかけにBLM運動が生まれたと思われることもあるようだが、実際、BLM運動のきっかけは2012年2月に米・フロリダ州で起きたある事件だと言われている。

2012年の事件では、フードをかぶってお菓子を買いに出かけていたアフリカ系アメリカ人の高校生トレイボン・マーティンさんが、自警団の男性に不審者と見なされ射殺されてしまった。当時、マーティンさんは武器を所持していなかったのにもかかわらず、自警団の男性は正当防衛が認められ無罪放免になったのだ。

この出来事を知った米国在住の活動家アリシア・ガルザさんは、SNSに判決に対する批判を投稿。その最後に“Black people. I love you. I love us. Our lives matter, Black lives matter.(黒人の皆さん。私は皆さんを、愛しています。そして、私たちを愛しています。私たちの命は大切です、黒人の命は尊重されるべきなのです)”と記した。その後、ガルザさんと親しい2人の活動家オパール・トメティさんとパトリス・カラーズさんが彼女に賛同し、「#BlackLivesMatter」というハッシュタグをつけて発信していったのがBlack Lives Matter運動のはじまりである。

2013年には、州や自警団によるブラックコミュニティへの暴力に立ち向かい、黒人の生活の質を向上させることを目的とした「Black Lives Matter」という名前の財団も設立されている。

BLM運動

Image via Pexels

#BlackLivesMatterをどう訳すか?

Black Lives Matterをどう訳すかは大きな問題である。黒人の命「は」なのか「も」なのか──そういった小さな違いでも、メッセージが大きく異なってしまうためだ。

【訳し方の例】
・黒人の命は大事だ
・黒人の命も大事だ
・黒人の命だって大事だ
・黒人の命を尊重しろ
・黒人の命を粗末にするな

NHKの調査にて「Black Lives Matterをどう訳すのが適切か」尋ねられた京都大学の竹沢泰子教授はこう語っている。

「黒人の命は大切だ」と「黒人の命も大切だ」の選択ならば、「は」では誤解を招くので、消去法で「も」だが、「黒人の命を粗末にするな」という訳のほうがしっくりすると感じる。
どちらの訳でも、誰かの命について「大切だ」と言うと、当たり前のことのように聞こえ、人種を特定する理由が分かりにくくなる。この表現だと、黒人に対する暴力の歴史や背景を伝えきれないのではないかと思う。
白人と、黒人や中南米系に対する警察の扱いには明らかな差があり、武器を持たずに射殺された黒人の比率は白人の4倍以上だというデータもある。
すべての命は尊いが、このスローガンを翻訳するにあたっては、黒人の置かれてきた歴史と現在の厳しい現実に目を向けるべきだと思う。

たった3つの単語をどう訳すべきなのか?──こうした些細な点に気を配ることも、今回のBLMムーブメントがこれほどまでに拡大しているのか考えるうえで大切なことなのではないだろうか。

All Lives Matter(すべての命が大切)では?という声

Black Lives Matter運動が続くなかで、All Lives Matter(人種に関わらず、すべての命が大切)というスローガンを掲げる人たちも現れている。もちろん、すべての命が大切であることには違いないのだが、ここで「結局すべての命が大事なのだからAll Lives Matterで良いじゃないか」と言い切ってしまっていいのだろうか。

今回考えるべきなのは、「これまで黒人の命が軽んじられ、排他されてきた」という事実があり、それに対抗してこの運動が起こっているということだ。以下の例をもとに考えてみよう。

例えば、学校の体育の授業で自分がけがをしてしまったとする。保健室に行って先生に「ひざをすりむいてしまったので、治療してほしい」と訴えると、先生は「それは大変!」というとクラスのみんなのところへ行って出席番号1番から順に生徒たちの体の具合を調べ始めてしまった。「先生、授業でけがをしたのは自分なんです」そう伝えるも、先生は「そうですね、あなたの健康も大切ですね。でも、みんなの健康が大切でしょう」と言って取り合ってくれない。

元気に問題なく授業に参加できているほかの生徒と違って、今この瞬間に痛みを感じている生徒が目の前にいる。それなのに、この先生は「みんなの健康が大事」という当たり前の論理を持ち出すことで、目の前の子が抱える痛みから目を背けてしまっているのだ。本当にみんなの健康を願う善意からの行動だったのかもしれないが、現に1人の生徒がけがを治療してもらえず不健康な状態で過ごさなければいけなくなっており、結果的には「みんなの健康が大事」にされているとは言えなくなってしまっている。

All Lives MatterかBlack Lives Matterか

Image via Unsplash

この例のように、「みんな」を持ち出すことで本当の問題が見えづらくなってしまうことがある。今回の場合とくに、「黒人の命が軽んじられてきた歴史」にきちんと目を向け、解消していかなければならないという点で、All LivesではなくBlack Lives Matterということに意味があるのではないだろうか。

Black lives Matterは、決して「黒人の命だけが大事だ」という意味ではないし、「他の人たちの命は大切ではない」ということでもない。不当に扱われてきた自分たちの命もほかの人たちと同じように大切に扱ってほしいという切実な願いなのだ。

日本でも差別が起こっている

「Black Lives Matter運動は、日本に住んでいる自分には関係のないことだ」と思う人もいるかもしれない。しかし、日本にもたくさんの外国人が暮らしている。法務省の調べによると2019年末時点での在留外国人数は293万3,137人。彼らの中には日本で差別を受けたと感じている人も少なくないようだ。

様々な人権・社会問題について発信する「話そう。」のアカウントでは、当事者たちの声をいくつか紹介している。

 

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──電車の一つだけ空いている席。その隣は外国人で、誰も座ろうとしなかった。私もなぜか動けなかった。──似たような経験がある人もいるだろう。身近なところにも、自分の中にも、差別は潜んでいる。自分の価値観を見つめてみたり、家族や友人と語ったりしながら、差別について考えてみよう。

Black Lives Matterをサポートする具体的な行動について

BLM運動をサポートしたいが、具体的に何をしたらよいか分からない──そんな方は、以下のようなサイトを見てみるとよいだろう。

▷「Japan in Solidarity」
https://japanis.carrd.co/#begin
日本国内外の社会平等問題に関する言説を日本に広めることを目的とした団体。BLMをめぐる議論や国内にある差別の解説、参考になる書籍や映画などの紹介などがある。「自分にできること」がまとめられたページも。

▷「話そう。」
https://hanasou.carrd.co/
ブラックライブズマター運動はじめ様々な人権・社会問題について発信するために開設されたアカウント。先ほど紹介したインスタグラム投稿も「話そう。」のもの。BLM運動について詳しくまとめられた日本語資料がシェアされており、誰でも閲覧できるようになっている。

【参照サイト】Black Lives Matter
【参照サイト】Black Lives Matter運動、創始者に聞く女性の力 | ナショナルジオグラフィック
【参照サイト】Black Lives Matterが意味するもの|NHK NEWS
【参照サイト】令和元年末現在における在留外国人数について|法務省

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