【2023年11月】世界初、マッコウクジラのための海洋保護区。ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース5選

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社会をもっとよくする世界のアイデアマガジン、IDEAS FOR GOODの編集部が選ぶ、今月の「ちょっと心が明るくなる世界のグッドニュース」。前回の記事では、200年近く絶滅したと思われていた樹木が再発見されたことや、ガン予防の手掛かりになり得るコウモリの研究などを紹介した。

日々飛び交う悲しいニュースや、不安になる情報、ネガティブな感情ばかりを生む議論に疲れたあなたに。世界では同じくらい良いこともたくさん起こっているという事実に少しのあいだ心を癒し、また明日から動き出そうと思える活力になれば幸いだ。

愛に溢れた世界のグッドニュース5選

01. 世界初、ドミニカ共和国がマッコウクジラのための海洋保護区を設置

絶滅危惧種であるマッコウクジラが子育てをする場所が、カリブ諸国のひとつ、ドミニカ共和国の西側にある。そのおよそ800平方キロメートルの範囲が、海洋保護区として登録されたのだ。

マッコウクジラは、海面近くで排便する習性がある。この排泄物がエサとなり、プランクトンが大量に発生。すると、なんとそのプランクトンが空気中の二酸化炭素を吸収し、死に際に海底まで引きずり込むことができるという。マッコウクジラを守りながら気候変動にも立ち向かうこの取り組みは、政府主導の取り組みとして大きな一歩となるだろう。優先度を決めるのではなくこうして多角的に解決に取り組む動きが、今後も広がってほしい。

【参照サイト】Dominica creates world’s first marine protected area for sperm whales

02. インドの学生が開発した、手が震えても食べやすいスマートスプーン

17才の少年は、パーキンソン病を患う叔父が自力で食事をできず辛い思いをしている様子を見て、居ても立ってもいられなくなった。

何か月も試行錯誤し続けて遂に完成させたのが、バッテリーを搭載したスマートスプーンだ。このスプーンは手の揺れを感知し、それを相殺する振動を発することで手元を安定させることができるという。先端部分をフォークに付け替えることができ、もちろん水洗いも可能だ。

気になる値段は、約80ドル(約1万2,000円)を予定しているとのこと。家族みんなで楽しく食事をする大きな助けになりそうだ。

【参照サイト】Indian schoolboy invents affordable smart spoon for trembling hands

03. ネコの表情が276種類も存在することが明らかに

イヌとネコでは、どちらのほうが表情が豊かなイメージがあるだろうか。単独行動を好むネコのほうが、無表情でいる印象が強いかもしれない。

ところが、ある研究によってネコの表情には276種類もの変化が見られることが判明した。ロサンゼルスの非営利組織が運営するネコカフェで観察を続けた結果、この発見に繋がったとのこと。研究自体はネコがペットになることに伴う影響を調査するもので、ネコは飼われている状態のほうが多様な表情を見せるという結論に至ったそうだ。人間と動物の関わりが増えると、気づかないうちにどちらにも心や行動に変化が起きているのかもしれない。

【参照サイト】Feline Faces: Unraveling the Social Function of Domestic Cat Facial Signals

04. 休館日なのに、たくさんの人がいたスウェーデンの図書館

ある日、スウェーデン・ヨーテボリの図書館で働くスタッフが職場を通りがかって驚いた。その日、図書館は祝日で閉まっているはずなのに、たくさんの利用者が来ていたからだ。前日にドアを閉め忘れていたため、館内に職員はいないものの、開いていると勘違いした市民が入ってきてしまったようだ。

通りがかりのスタッフが急いで休館日であることを伝えたものの、その日446人が図書館を利用し、246冊の本が新たに貸し出されたという。幸い、その246冊すべてが後日無事に返却されたとのこと。地域の人々が図書館という場所を大切にしていることが伝わるエピソードだ。

【参照サイト】A door at a Swedish library was accidentally left open — 446 people came in, borrowed 245 books. Every single one was returned

05. 使われなくなったゴルフコースが自然の楽園に

広大なゴルフ場の設置には、木々が伐採され除草剤も使われるなど、大きな環境負荷が伴う。にもかかわらず、管理コストが高いなどの理由でゴルフ場が経営を続けられなくなることもあり、活用方法に困っている声が聞かれるという。

ここに目をつけたのが、土地の保護に取り組む非営利組織、Trust for Public Land(トラスト・フォー・パブリック・ランド)だ。ゴルフ場が放棄されたことは自然を取り戻すチャンスだと捉え、すべてを逆再生し“元通り”にすることにした。土地は公の場となり、灌漑(かんがい)の設備が止められ、ダムは撤去され、原生種の木が植えられた。

今ではゴルフボールが飛ぶ代わりに鳥たちが自由に飛び回り、人々はゴルフカートには乗らずハイキングをして自然を楽しんでいるという。人間が変えてしまった自然環境も、まだ取り戻すことができるのだと希望が感じられる。

【参照サイト】Abandoned golf courses are being reclaimed by nature

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