「世界で最もグリーンなレストラン」に選ばれたアメリカの学生食堂に学ぶサステナビリティ

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アメリカ・カリフォルニア州には、「世界で最もグリーンなレストラン」の称号を得た学生食堂がある。グリーンレストラン協会によるこの認定では、再生可能な食器を使っているか、自転車置き場があるか、地元で採れた野菜を使っているかなど、さまざまな基準をクリアすることで加点され、点数に応じて2〜4つ星グリーンレストランの称号が与えられるという。

3歳から高校3年生までの生徒が通う私立のMUSE Schoolの学生食堂は、2016年にこの認定でトップの4つ星レストランとして選ばれた。最も環境にやさしいレストランとまで称された背景には、この学生食堂が持つ2つの革新的なアイデアがある。

1つ目のアイデアは、食堂で提供する食事はすべてヴィーガン(肉魚、卵、乳製品など動物性のものを使わない)にしたこと。牛や豚を多く育てる過程で大量のCO2が排出されたり、放牧地拡大を目的とした森林伐採を行ったりすることがあるので、肉食は間接的に環境に悪影響を与えるから、という考えだ。

MUSE Schoolは、生徒や親の理解を得るために18ヶ月の期間を経て、ベジタリアンやヴィーガンの食事が環境面においてメリットが大きいことを学んでもらい、段階的に動物性のメニューを植物性のメニューへと変えていったという。下記の写真は、イタリアンバジルとタイバジルをペーストにして2種類の味の違いを比べ、美味しさを知る取り組みだ。食事には、学校の農園で採れた新鮮な野菜を使用している。

2つ目のアイデアは、照明や調理器具、冷蔵庫など学食で必要な電力をすべて太陽エネルギーでまかなうようにしたことだ。太陽に向かって生えるひまわりのような形をした5つのソーラーパネルが、学生たちの食を支えている。

レストラン業界は、小売業部門において最もエネルギーを必要とする業界と言われている。そのため、MUSE Schoolはレストラン業界の当たり前を変えた先駆者として、グリーンレストラン協会の創設者Michael Oshman氏からも期待されているのだ。

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A beautiful way to start the day at MUSE

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MUSE Schoolの創設者であるSuzy Amis Cameron氏とRebbeca Amis氏は、グリーンレストラン協会のコミュニティにMUSE Schoolの経験や知恵を共有し、他のレストランの活動がよりグリーンになることを望んでいる。

MUSE Schoolの学生食堂の取り組みは、環境問題に対する1つの答えであり、同じようにやらなければいけないと身構える必要はない。彼らの意識の高さに圧倒されるのではなく、環境問題を知った上で自分にできることは何かを考えてほしい。

たとえば、食品廃棄を防ぐためのフードシェアリングサービスを利用したり、地元の旬の野菜を食べようと意識したり、使い捨てのティッシュではなくタオルを使うようにしたりと、個人でできることもたくさんある。また、日本にもグリーンレストランと同様に、サステナブルな活動を行うレストランはある。たまには環境のことを考えたお店選びをするのも良いかもしれない。

【参照サイト】MUSE School Kitchen Greenest Restaurant in the World
【参照サイト】MUSE School’s Kitchen is now the Greenest Restaurant in the World, a 4 Star Certified Green Restaurant® with over 550 GreenPointsTM!
【参照サイト】MUSE School – Instagram

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