IDEAS FOR GOODではこれまで、海洋プラスチックをリサイクルしたプラダのバッグや、使用後に素材を100%リサイクル可能にしたアディダスのランニングシューズなど、環境に配慮したエコなファッションアイテムを度々紹介してきた。
アウトドアウェアで有名なパタゴニアも、環境への取り組みに力を入れるブランドの一つだ。今シーズンだけで1千万本のプラスチックボトルをリサイクルしたバッグ「リサイクル・ブラックホール(Black Hole bags)」や、100%リサイクル素材でできたウォータープルーフ・ジャケット「防水性ジャケット・シェル(Shell Yeah!)」などを展開している。同社の製品ラインナップの約69%がリサイクル素材を用いているという。
そしてこの度、パタゴニアは市民の環境活動を支援するため、ロンドンに期間限定のポップアップカフェをオープンした。「アクション・ワークス・カフェ(Action Works Cafe)」と呼ばれるこのカフェは、コーヒーを楽しみながら気軽に環境活動に関する学びやネットワーキングができる場として設けられた。
カフェでは、世界各地の環境団体から専門家を招き、環境キャンペーンを行うためのスキルアップ・トレーニングや、低炭素教育や動物の生息地保護などをテーマにしたワークショップが開催されている。地球の友(Friends of the Earth)やエクスティンクション・リベリオン(Extinction Rebellion)などの環境団体が協力をしているという。
カフェ内部も、利用客が情報に触れやすいよう様々な工夫がされている。入り口近くには、デザイン性の高い24種類の「アクション・ポストカード(Action Postcards)」が棚に飾られている。動物や自然のイラストが描かれたポストカードの裏面には、イラストに関連した環境活動について説明が書かれている。また、飲食スペースの隣には環境関連の書籍が並ぶ。
パタゴニアは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」というミッションを2019年に掲げ始めたが、40年以上前から、環境問題に取り組む個人や組織の草の根活動を支援する「パタゴニア・アクション・ワークス(Patagonia Action Works)」というイニシアティブを続けてきた。そして2018年には、地元市民と環境団体を繋ぐ「オンライン・プラットフォームを構築した。プラットフォーム上では、地元で開催される環境イベントやボランティア活動の検索から、署名活動への参加、環境団体への寄付などを行うことができる。
ロンドンでオープンしたアクション・ワークス・カフェも、このイニシアティブの一環だ。環境を守るために何かアクションを起こしたいものの、何から始めたら良いかわからないという人々が、ポジティブな変化を起こせる場にしたいと同社は考えているという。
カフェは若者達で賑わうイーストロンドンのブロードウェイ・マーケット(Broadway Market)に位置し、収益は全てイギリスの環境NGOやチャリティ団体に寄付されるそうだ。最終日10月18日まで毎日オープンしている。
ロンドンの中でも最先端のトレンド発信地であるエリアで始まった、パタゴニアのオフラインの取り組み。同社の画期的なオンラインプラットフォームと共に、市民の環境活動を繋ぐ場として注目を集めている。
【参考サイト】「パタゴニア・アクション・ワークス(Patagonia Action Works)」
【参考サイト】PATAGONIA OPENS ENVIRONMENTAL ACTIVISM CAFE TO CONNECT LONDONERS