ドバイの「Global Grad Show」、世界中の学生から新型コロナウイルスの課題解決アイデアを募集

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2020年3月11日、WHO(世界保健機関)が「新型コロナウイルス感染症はパンデミックと言える」との認識を示した。米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)の集計によると、日本時間30日午前の時点で、新型コロナウイルスの世界の感染者は累計72万人を突破し、死者は約3万4000人に上るという。

2015年以降、毎年ドバイで開かれている、学生が参加する世界最大の展示会「Global Grad Show」は、コロナウイルスの課題解決に挑むプロジェクトの募集を始めた。応募できるのは世界中の大学院生、大学生、教授たちだ。応募期限は2020年4月2日で、同月16日には選ばれたプロジェクトがオンラインで発表されるという。

Global Grad Show

Image via Global Grad Show

Global Grad Showが求めるソリューションの例として、「自宅隔離の効率を上げるアイデア」「感染を広げやすい行動を抑えるアイデア」「病気に関する協同的なデータ収集処理を可能にするアイデア」などが挙げられている。アイデアを評価するのは健康、イノベーション、テクノロジーに関する専門家たちだ。

今回コロナウイルス関連のアイデアに焦点を当てる理由は、学生などの若い人たちがこの状況を変える可能性を持っているからだ。Global Grad Showでキュレーションの責任者を務めるブレンダン・マクゲトリック氏は「多くの若いデザイナーが、落胆の気持ちと現実主義的なスタンスを持ち、パンデミックや気候変動を避けられない現実としてとらえている」と話す。

同氏は「彼らは行動を起こさない限り今の状況が続くと見ている。そして経済、社会、政治に及ぶ副次的な影響が、彼らの生活をある程度特徴づけると考えている。それに呼応するように、彼らは危機後の現実を見据えてデザインするのだ」と、若い世代が秘める可能性に言及している。

専門家たちに選ばれたプロジェクトはアクセラレーションプログラムでサポートを受け、大規模生産のための資金提供を受けられる可能性もある。また、選ばれた学生は年間の授業料に相当する奨学金を獲得することができる。

コロナウイルスは私たちの生活に様々なかたちでダメージを与えているが、この状況にプラスの側面があるとすればそれは「共通の課題に立ち向かいながら、世界の結びつきが強まること」ではないだろうか。いつもそうであったように、私たちは互いの協力を必要としている。

この状況下で、課題解決に向けて知恵を絞るGlobal Grad Showの応募者たちに、感謝と敬意を表したい。

【参照サイト】 Global Grad Show

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