「母の月」に彩りを。SNSで広がるロスフラワー救出のアイデア

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5月10日は母の日だった。これを機に感謝を伝えた人も多いかもしれない。もしギフトを送り忘れたという人も安心してほしい。今年は5月10日だけではなく、実は5月全体を「母の月」とする動きがあるのだ。

「母の日」から「母の月」へ

新型コロナウイルスの影響は花き産業にも及んでいる。感染拡大防止のため卒業式や各種イベントが中止されていることにより、最大の需要期に向けて生産された花きの価格が下落した。農林水産省では、「花いっぱいプロジェクト」として家庭や職場での花飾りや花の購入促進の取り組みが行われている。

花き業界の9団体で構成される日本花き振興協議会は、全国の緊急事態宣言を受け、花き業界最大のイベントである「母の日」を5月10日(5月第2日曜日)だけでなく、5月の1ヶ月間とすることを提案した。2020年5月は「母の月」となるのだ。

ロスフラワーを軸に活動を展開するフラワーサイクリストの河島春佳さんが立ち上げた株式会社RINの調査によると、「今年は『母の月』と聞いて正直どう思ったか?」という質問に対して、「良い施策だと思うので賛成」と答えた回答者は57.1%だった。また、51.6% もの人々が「カーネーション等のお花を、配送が集中するのを避けつつ5月中に届けたい(または5月中に渡したい)」と回答しているように、この取り組みについてポジティブな声も多い。

廃棄される花

一日に何千、何万もの花が廃棄されている。

SNSで広がる、ロスフラワー救出の波

そういった「母の月」の取り組みと重ねて、廃棄予定の花を救出する試みがSNSを中心に盛り上がっている。先月も、株式会社RINが「在庫過多な『生花』を買い取るお知らせ」を発信したところ、「自分も何か協力したい!」という問い合わせを多数受けたそうだ。また、株式会社RINはFlower cycle marche (フラワーサイクルマルシェ)というオンラインショップを開設し、農家の代理で「生花の販売」をスタート。その結果、開設から1ヶ月経たずのうちに、トータル1800名以上の買い手とマッチングし、5万本を超える花を救うことが出来た。中でも、ホテルの休業や来客の減少に伴うコスト削減
によってロスフラワーとなったバラ風呂のバラにおいては、1日で最大約500名の購入者が見つかり、今までに25,000輪ものバラの花を救うことが出来たそうだ。ロスフラワーとなったバラを通常よりも手に取りやすい価格で販売することを発信したツイートには、多くの「いいね」やリツイートが集まった。

そういった買い取りによるアクションだけでなく、ドライフラワー作品を作るハンドメイド作家や、生花店や農協に勤務する人、農学部出身やエシカルに関心がある学生など約30名の「フラワーサイクル*アンバサダー」による、ロスフラワーをドライにして制作した、アクセサリーやリース、サシェなどの販売も行われている。こうした取り組みを通して、「母の月」にロスフラワーを贈るアクションは、Twitterを中心に今もなお続いている。

「母の月」に感謝の気持ちを贈る

花き産業全体が落ち込み、廃棄される花も増えているが、そのような中でも、SNSではロスフラワーを救う投稿やシェアが多くみられ、そこからは明るい繋がりが感じられる。人と直接会って会話することが難しい状況ではあるが、だからこそ普段以上に人との繋がりを強く意識できるはずだ。「母の月」の取り組みにより、廃棄される予定だった花に新しい循環が生まれている。外出自粛で家族や友人とも会えない中だからこそ、1か月を通して日頃お世話になっている家族や友人、大切な人へ花を贈ってみてはいかがだろうか。

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