外壁がシネマに。外出自粛中のベルリンで生まれた「Window Flicks」

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新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐために行われている外出自粛。欧州の一部では、ロックダウン(都市封鎖)や罰則を伴う外出禁止令といった厳格な処置が講じられており、人々のストレスも計り知れない。この事態に伴い、外出せずに楽しめるエンターテイメントの需要が急増している。

オンラインストリーミングもその一つだ。手元のスマートフォンで映画鑑賞ができるのはとても便利である。しかし特別な体験という意味では、どこか物足りなさも残る。ポップコーンの香り漂う映画館の広々とした真っ暗な空間、体まで振動する音響、そして迫力のある巨大スクリーンは、やはり格別だ。

そこでドイツでは、建造物の壁面をスクリーンに見立てて映画を上映する取り組みが始まっている。建築家のオラフ・カーコフ氏 が考案した「Window Flicks」と呼ばれるこのプロジェクトは、日が沈み暗くなった首都ベルリンの住宅街に映写機を向け、近隣住民が窓越しから、あるいはバルコニーでくつろぎながら、映画鑑賞に浸るというものだ。

窓から映画鑑賞 ベルリン

Image via Window Flicks

上映される映画は『グッバイ、レーニン!』や『ゴッホ 最期の手紙』など8種類。オフラインのイベントが軒並み中止となる中、表現の場が失われた地域のクリエイターたちをサポートすると同時に、人々をリスクに晒すことなく映画館のような迫力のエンターテイメントを提供する。建物の壁を使うというのは、建築家らしいアイデアでもある。

窓から映画鑑賞 ベルリン

Image via Window Flicks

映画黎明期、映画館はどこにでもあるわけではなく、広場に銀幕を張って上映する野外シネマは今よりも一般的だった。車社会のアメリカでは、駐車場に車を停めたまま、車内からの映画鑑賞も行われたという。「Window Flicks」は、巣ごもりするベルリン市民の生活に潤いを与えると同時に、古き良き社会の温かみを思い出すように訴えかけているのかもしれない。

【参照サイト】Window Flicks
(※画像提供:Window Flicks)

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