シンガポール、グリーンリカバリー分野で5万以上の雇用機会を創出へ

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グリーンリカバリーという言葉をご存知だろうか。グリーンリカバリーとは、打撃を受けた経済を今までの大量生産・大量消費・大量廃棄型のやり方で復興させるのではなく、脱炭素・循環型の社会を目指し、投資を行うことで復興させようとする経済刺激策のことをいう。どの国・地域も例に漏れず新型コロナの影響にさらされる現在、注目を集める考え方だ。

昨今、持続可能な開発で経済回復を追求しているシンガポールでは、持続可能性環境省(MSE)によって今後10年間でグリーンリカバリーに関連した産業の雇用機会が5万以上創出される見込みだと発表された。創出されるポストには、ハイテク農業や養殖業従事者、食品店での食品衛生担当者、衛生や廃棄物管理者などが含まれている。

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特に、MSEが重要視する主要分野の一つは、食糧安全保障だ。シンガポールは、国内の食料自給率が10%であり、食糧供給のほとんどを海外輸入に頼っている。パンデミックは、世界的な食糧サプライチェーンの脆弱性をあらわにし、政府の危機感を強めたのだ。

2020年初め、シンガポール政府は、気候アクション計画の一環として、2030年までに国内の生産能力を10%から30%に引き上げるという当初の計画に加え、促進のためにさらに3,000万シンガポールドル(約233億円)を投資することを決定した。

MSEはさらに、気候適応と気候科学の分野に興味のある人材に奨学金を提供し、より多くの人材を育成することを目標に掲げている。シンガポールのグレース・フー環境大臣は、この計画により、1年以内に少なくとも4,000人の雇用が創出される予測だと発表している。今後はパンデミックによる経済打撃からの復活を目指すアプローチの一環として、企業への脱炭素化インセンティブも打ち出していく。官民連携をより強固にし、経済復興を目指す方針だ。

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こうしたグリーンリカバリーの動きは、シンガポールだけで起きているわけではない。日本でも、2050年までにカーボンニュートラルが目指されるなど、新型コロナウイルスからの復興を目指した施策が行われている。我々も今後は近隣のアジア諸国の政策から学び、協働しながら、新型コロナウイルスによる経済打撃からいかに立ち直るかが重要になっていくだろう。


【参照サイト】Policies, measures and actions on climate change and environmental protection in the context of COVID-19 recovery – Singapore
【参照サイト】Singapore’s Push For Sustainable Recovery & Development Will Create Over 50,000 Jobs
【参照サイト】目指すは30%の食料自給率達成(シンガポール)新型コロナ禍で加速、農業テックへの投資

Edited by Megumi Ito

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