小さな温室で濃密なひとときを。新型コロナ対策からはじまった、オランダ発・新たな外食のかたち

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新型コロナウイルスの感染が拡大し、親しい人との外食の楽しみが消え失せた現在。オランダでは、5月上旬から本格的に緩和政策がとられ、レストランの営業再開も可能になった。そんななか、首都アムステルダムのとあるレストランが「こうした状況下でも親しい人と豊かな時間を過ごしてもらいたい」という想いからユニークなスタイルでの営業を開始した。

Mediamatic Seat1

Image via Mediamatic

アムステルダムにあるレストラン・Mediamaticは、5つの小さな温室を十分な間隔を保って設置し、それらをレストランの個室にすることで、人々がソーシャル・ディスタンスを保ちつつ食事ができるコース“Serres Séparées”の提供を開始した。コース名は、フランス語でレストランやバーの個室を意味する“Chambre séparée”にあやかったものである。その名称は個室でのロマンチックな接触を彷彿とさせ、このコースのユニークさを強調している。提供されるメニューは、Mediamaticが所有する農園から提供される野菜をふんだんに使用した食事4つだ。

Mediamatic Seat2

Image via Mediamatic

この小さな透明の「個室」の利用にはいくつかルールがある。基本的に同じ家に暮らす人のみが同伴でき、人数は2人のみに制限されている。ただし、追加料金40ユーロを支払うことで3人利用も可能だ。オランダ政府の新型コロナウイルス対策ガイドラインに則り、店員と客が接触する料理の受け渡しの際は、フェイスガードを着用の上、1.5mの距離を取りながら行う。来客側も同様にガイドラインに則り、当日体調が優れない場合は利用を控える決まりとなっている。

Mediamatic Staff

Image via Mediamatic

3月中旬からロックダウン政策を行ってきたオランダであったが、5月6日には、6月より期間を置いて、条件付きで学校・文化施設・飲食店への規制を緩和し、完全再開を目指す計画が政府により発表された。この長期的な新型コロナウイルスとの戦いのなか、Mediamaticの隔離温室のコースは今後の飲食店の新たなモデルとなるかもしれない。

新型コロナウイルス感染拡大の以前と以後では、我々の振る舞いも全く違ったものになっていくだろう。しかし、緊張が続く中でも、親しい間柄の人々と美しい景色をみて、食事をしながら語り合う時間は私たちにとってかかせないものだ。以前は当たり前だった幸せな時間を過ごすことが難しい今、こうしたユニークなアイデアが、この厳しい状況を乗り越える手助けをしてくれるだろう。


【参照サイト】Testing Serres Séparées at Mediamatic Biotoop

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