今後5カ月にわたり、エシカル消費のおすすめ9テーマを解説していく「わかる、えらぶ、エシカル -Shopping for Good-」特集。第2回は、「リサイクル」について詳しく解説します!
リサイクルとは、「生まれ変わらせる」こと
「リサイクル」という言葉を、知らない方はいないのではないでしょうか。「リサイクル」は、使い終わったものをもう一度資源に戻し、製品を作ることです。古紙やアルミ缶、ペットボトルなどのリサイクルが有名ですが、他にも消防ホースや宇宙ゴミのリサイクルなどもあります。あらゆるものがリサイクルの対象になっています。
前回取り上げたアップサイクルは、元の製品の「素材」をそのまま生かすものとご説明しましたが、リサイクルは一度資源に戻した上で新たな製品を作ります。その過程で、アップサイクルよりはエネルギーを使用してしまうという問題点はありますが、一度資源に戻す分、生まれ変わる物の可能性が広がります。アップサイクルやリユース(再利用)ができないものについては、リサイクルして新しい製品として活用することが有効といえます。
資源に戻して生まれ変わったリサイクル商品は、なぜエシカル?
では、リサイクル商品を選んで使うことは、どのような点でエシカルなのでしょうか?
1. 資源を無駄にしない
使える資源を無駄にしないということが、一つ目のエシカルなポイントです。すでに人類が使用している資源を再利用すれば、製品の原料として使われる新たな資源を節約することにつながります。
2. リサイクルの輪を強化することにつながる
古紙やプラゴミなど、さまざまなものが回収されリサイクルされるようになりましたが、リサイクル商品が実際に活用されなければ意味がありません。リサイクル商品を積極的に選ぶことで、今のリサイクルの流れをより強化させることができるのです。
3. エネルギー使用量を抑えられる
最後に、新たな資源から同等のものを作る場合と比べて、エネルギー使用量を抑えられるという点が挙げられます。また、ゴミをリサイクルせずに燃やしたり埋め立てたりする際にもエネルギーを使用し、温室効果ガスが発生します。これらのエネルギー消費を抑えられる点が、リサイクルのエシカルな点です。
つまり、資源に戻して生まれ変わったリサイクル商品を選んで使うことは、環境保護に直接貢献できるエシカルな行動なのです。
世界のリサイクル商品
いろいろなものが回収されリサイクルされるようになり、リサイクル商品を目にする機会は増えましたが、世界ではさらにユニークなリサイクル商品が生まれています。
看板をリサイクルした商品配達用のバッグ
アメリカの服飾メーカーが導入した、古くなった看板をリサイクルした商品配達用のバッグです。軽量で優れた防水性をもち、商品配達後に返却することで何度も使用できる優れものです。
【記事】使い捨てじゃなく10年使えるモノを。看板をリサイクルした商品配達バッグ
五大湖のプラスチックごみをリサイクルしたTシャツ
米ミシガン大学の学生によるブランドが、五大湖などで集めたプラスチックゴミをリサイクルして生産・販売しているTシャツです。プラスチックごみの収集からTシャツ生産に至るまで、すべての工程をアメリカ国内で完結させています。
【記事】米ミシガン大学の学生、五大湖のプラスチックごみをTシャツにアップサイクルして販売
パソコンの基盤に含まれる金をリサイクルして作る宝石
パソコンのマザーボードには金などの貴金属が使用されていますが、その多くはリサイクルされずに廃棄されています。そこに目をつけ、再生した金を材料に作られた、指輪やイヤリングなどのアクセサリーです。
【記事】不要なパソコンを金のジュエリーに。Dellとニッキー・リードのリサイクルコレクション
「一見リサイクルできなそうなものもリサイクルできるんだ!」「ユニークなリサイクル商品をもっと探してみたい」と感じていただけたかと思います。
リサイクル商品を選ぶポイント
それでは、リサイクル商品を選ぶ際にどんなことに気をつけるとよいのでしょうか?ポイントを3点お伝えします!
1. リサイクルされた資源ができるだけ多く使われている
リサイクル商品の中には、商品の中に含まれるリサイクル素材の割合が100%でないものもあります。100%でないものは、その分、新品の材料が使われていることになるため、できるだけリサイクル素材が多く含まれているものを選ぶと、よりエシカルです。
2. 新品の商品を買う代わりに買う
リサイクル商品を作るのにもエネルギーが使用されているので、リサイクル商品を買っても使わないのであれば、エネルギーの無駄使いになってしまいます。必要がないものを買うのではなく、必要なものがあるときに「新品ではなくてリサイクル商品にしよう」という選択をすることが、エシカルな行動です。
3. リサイクルの資源循環の中に自分も参加する
ただリサイクル製品を買うだけではなく、ペットボトルや古紙、食品トレー、空き缶など、リサイクルができるものについてはしっかりとリサイクルし、自分が資源循環の輪に入ることで、より意識を高めてリサイクル商品を選ぶことができるようになります。
ぜひ、上記3点を意識して、リサイクル商品を探してみてください!
エールマーケットのオススメリサイクル商品3選
最後に、エールマーケットで買えるオススメのリサイクル商品を3点ご紹介します! 気になるものが見つかったら、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか?
リサイクルコットンを使用したリブ編ソックス
日本の縫製工場で発生したヴァージンコットンの落ちわたをリサイクルし、日本の染色工場で染めて作られた、メイドインジャパンのエコリサイクル靴下です。ナチュラルな風合いが魅力で、スニーカーによく合います。(商品ページはこちら(外部サイト))
卵の殻を再利用したアロマストーン
マヨネーズ工場で廃棄される卵の殻を再利用。殻には小さな気孔が7,000〜17,000個も空いているため、精油を瞬時に吸収し、ゆるやかに香りを放ちます。専用のケース付きで、外出先やオフィスでも使用できます。ギフトにもおすすめです。(商品ページはこちら(外部サイト))
古紙パルプ100%配合の学習ノート
古紙パルプをリサイクルして作られた、B5判の学習ノートです。きれいなカラーとかわいいイラストで、使いやすいデザインとなっています。国語の学習ノートもあります。(商品ページはこちら(外部サイト))
次回は「リサイクル商品」について解説します!お楽しみに!
※「わかる、えらぶ、エシカル -Shopping for Good-」特集は、Yahoo! JAPANが運営する人・社会、地域、環境にやさしいエシカル商品を応援するお買い物メディア「エールマーケット」とIDEAS FOR GOODが行う連載企画です。
特集記事一覧
【わかる、えらぶ、エシカル#1】思わずストーリーを話したくなる。「アップサイクル」商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#2】生まれ変わりの可能性に驚く。「リサイクル」商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#3】環境にも体にも優しい選択肢。「脱プラスチック」商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#4】生産者の暮らしを守る。「フェアトレード」商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#5】人にも自然にも優しい。「オーガニック」商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#6】エシカル消費の手がかりとなる、覚えておきたい「認証ラベル」とは?
【わかる、えらぶ、エシカル#7】地域経済や働き手を応援できる。 「地元生産加工」「就労支援」商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#8】わたしたちの安全で快適な暮らしを守る。「森林を守る」商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#9】災害にあった地域と人々に活力を。 「復興支援商品」を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル #10】捨てないことで未来の地球を守る。「ごみ削減」につながる商品
【わかる、えらぶ、エシカル#11】地域独自の伝統的な食文化を守る。「郷土料理」を食べよう
【わかる、えらぶ、エシカル#12】楽しみながらムダをなくす。 「フードロス削減」につながる商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#13】昔ながらの知恵と技術が日常に溶け込む。「伝統工芸品」を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#14】たくさんの恵みを与えてくれる母なる海。海を守る商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#15】知っているようで知らない「無添加」。体や環境に優しい商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#16】今からでも備えたいアイテム。「災害対策商品」を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#17】変化を楽しみ、長く大切にしたい。「一生モノ」の商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#18】食を通して季節を味わう。「旬の食材」を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#19】選択することで地球の未来を守る。「CO2配慮」商品を買おう
【わかる、えらぶ、エシカル#20】地球の恵みを生活に取り入れる。「天然素材」の商品を買おう
特集Partner
ヤフージャパンが東日本大震災後、東北の商品を揃えてネットで販売を始めた「復興デパートメント」。今は「エールマーケット」と名前を変え、全国の商品を取り扱っています。自然環境や人、地域に優しい社会を応援(エール)する、本当にこだわった商品を販売するモールです。