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【2019年最新版】Zero waste(ゼロウェイスト)に取り組む国・都市・企業まとめ

Image via shutterstock

Zero waste(ゼロウェイスト)とは?

ゼロウェイストとは、「ごみをゼロにする」ことを目標に、できるだけ廃棄物を減らそうとする活動のことを指す。下記の図表を見てもわかるように、大量生産、大量消費の現代社会に疑問を持った人の活動により、今、世界中に広まっている。

●Googleトレンドで見た、全世界での「Zero waste」検索結果

具体的には、ゴミの出ない生活スタイルを目指すことや、シェアリングサービスやレンタルサービスなどを利用し物流のやり方を変えること、資源を浪費しない製品の生産方法等を指す。

IDEASFORGOODでは、世界中で行われている様々なゼロウェイストへの取り組みを取り上げてきた。ここでは、国・地方公共団体と各産業ごとに分けて、世界のゼロウェイスト活動事例を見ていこう。

世界のゼロウェイスト事例

国・地方公共団体×ゼロウェイスト

政策として、先陣を切ってゼロウェイストを目指す国や地方公共団体が増えてきている。

01. ブータンが毎月2日に「ゼロウェイスト・アワー」を制定

ブータンが毎月2日に「ゼロウェイスト・アワー」を制定。2030年までに廃棄物ゼロ社会を目指す


人々の幸せの度合いを重視する国民総幸福量(GNH)という指標を提唱したブータン。2030年までに「廃棄物ゼロ社会」を目指すキャンペーンの一貫として、毎月2日に、あらゆる組織や個人が、周辺地域を清掃する「ゼロウェイスト・アワー(廃棄ゼロの時間)」を少なくとも1時間設けている。これにより、一般医市民の環境に対する社会的責任を啓蒙し、空き地への不法投棄をなくす。

  • 国名:ブータン
  • 団体(企業)名:ブータン国家環境委員会
02. 飲料ボトルにデポジット導入したスコットランド

シンプルで効果的なリサイクル促進法。スコットランドで飲料ボトルにデポジット導入


ブリテン島北部に位置する自然豊かなスコットランドでは、毎年6億9400万本ものペットボトルが使用されている。最近の社会問題といえば、道へのポイ捨て。そこでスコットランド政府は2019年8月5日、使い捨てボトルで飲み物を買う際にデポジットを支払う制度「デポジット・リターン・スキーム」を発表した。スコットランド国内で廃棄物ゼロプロジェクトを推し進めるZero Waste Scotland社の助言を受け、人々にリサイクルを促している。

  • 国名:イギリス・スコットランド
  • 団体(企業)名:スコットランド政府
03. ゼロウェイスト国家を目指すシンガポール

ゼロ・ウェイスト国家を目指すシンガポール。環境大臣のスピーチから「無駄のない社会」を考える


毎年シンガポールで行われる、ゴミ問題や資源の保護に対する意識の変化を目指すキャンペーン。2019年のテーマは、「Year Towards Zero Waste(ごみゼロへの年)」。

シンガポールの環境水資源大臣のスピーチでは、「ゴミを宝に変える」例として、ジュース製造の際ゴミとして排出される果物の皮を、オーガニック洗剤の原料として再利用している地元のジュース製造企業「Australian Fruit Juice」や、日々排出される食品廃棄物から水や肥料を製造し、地域の住民に分配している複合施設「タンピネスハブ」の紹介があった。

  • 国名:シンガポール
  • 団体(企業)名:環境水資源省
04.驚異のリサイクル率で世界から注目される、徳島県上勝町

【徳島特集 #3】「もう限界だった」なぜ上勝町はゼロ・ウェイストの町になれたのか


2003年に国内初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を発表し、2020年までにゴミをゼロにする目標を掲た徳島県上勝町。過疎化・高齢化の問題解決から始まったゼロウェイストへの取り組みや、「ゼロ・ウェイスト認証制度」、そして2020年の春に新たなゴミステーションとしてオープンする複合施設「ワイ(WHY)」など、上勝町は常に目の前の課題と向き合いながらも最先端の取り組みを行っている。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:徳島県上勝町
05. ニューヨークの街中でできるコンポスト

ニューヨーカーにはお馴染み?ただ捨てるより、ちょっと良いことしよう。散歩ついでのお手軽コンポスティング


公園や週末の屋外ファーマーズマーケット会場などニューヨーク市内の100箇所以上にコンポスター(堆肥化を行う容器)が設置されている。野菜の切れ端やパスタ、パン、卵やナッツの殻、コーヒーかすやティーバッグなど肉や魚以外であれば様々な生ゴミを回収してもらうことができる。自宅に設備を持たなくても、簡単にコンポストができるのが魅力的だ。コンポスターの中身は収集されたのち堆肥化され、地元の都市農業やガーデニングに利用される。

活動主体は、ニューヨーク市役所とNPO法人GrowNYCである。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:GrowNYC & DSNY Food Scrap Compost Program

外食×ゼロウェイスト

世界で生産される食べ物の約3分の1が捨てられていると言われている。そんな食の分野から無駄を減らすことを意識すれば、ゼロウェイストの流れが加速するだろう。

06. ビーチにあるおしゃれなゼロウェイストレストラン

おしゃれもサステナブルも実現する。バリ初のゼロウェイストレストランがオープン


インドネシア・バリ島はアジア屈指のリゾート地である一方、インドネシアは世界第2位の海洋ゴミ排出国であるといわれているほど、プラスチック問題が深刻である。バリ島のPotato Head Beach Club内にあるゼロウェイストのレストラン「Ijen(イジェン)」では、店内インテリアからメニューまでのすべてからサステナブルなレストラン運営を目指している。リサイクル素材で店内の装飾をしたり、地元で作られたオーガニックな素材を使った料理を提供しながら、モダンでおしゃれな雰囲気作りを実現している。

  • 国名:インドネシア・バリ島
  • 団体(企業):Ijen
07. 北欧ヘルシンキのゴミゼロレストラン「NOLLA」

ヘルシンキのごみゼロレストラン「NOLLA」の、絶対食材を無駄にしない工夫


ヘルシンキのレストラン「NOLLA」の厨房にはゴミ箱がない。調理中に出たゴミとなるものはコンポストし、使い捨てのプラスチックも登場せず、スタッフの服やナプキンも再利用・再生可能なものを使用。来店客が自分のキャパシティを超えて料理を頼みすぎることを防ぐため、サイズ小さめのテスティングメニューも用意するなど、徹底してゴミを出さない工夫を凝らしている。

  • 国名:フィンランド
  • 団体(企業)名:Restaurant Nolla
08. コンポスト可能なさとうきびストロー

さとうきびストローでまちづくり。循環型社会の実現を目指す「4Nature」


台湾からさとうきびストローを輸入し、飲食店向けに提供、使用後は自らストローを回収し、農家でコンポストするというビジネスを始めた株式会社4Nature。使用後はコンポストにより水と二酸化炭素に分解することができるため、土壌への悪影響もなく、紙ストローより耐久性も高く、1日中使えるのが魅力。

ストローの代替品として、パスタで作った製品もアメリカで販売されている。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:4Nature

空港×ゼロウェイスト

2018年に飛行機を利用した人の数は世界全体で延べ88億人に達するほど、今日では世界人口(約77億人)以上の人が空港を利用している(※)。ますます身近になった空港でも、ゼロウェイストの取り組みが広がっている。

(※)国際空港評議会報告書

09. 世界初のゼロウェイスト空港を目指すサンフランシスコ空港

アメリカ初。サンフランシスコ空港が使い捨てペットボトルの水販売を禁止


サンフランシスコ国際空港は、2021年までに世界初のゼロウェイスト空港になるという目標を持っており、食事の持ち帰り用容器や調味料パック、ストロー、食器等の使い捨て製品をすでに禁止している。それに加え、2019年8月20日から、容量が1リットル以下のペットボトル入りの水販売を禁止することを発表した。この決定は、サンフランシスコ市で2014年に定められた、市所有施設でのペットボトル入りの水販売を禁止する条例によるものだ。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:サンフランシスコ空港
10. 世界初の「ゼロウェイスト飛行」を実施

豪カンタス航空、世界初の「ゼロウェイスト飛行」を実施


オーストラリアのカンタス航空は、世界初となるゼロウェイストな商業フライトを実現した。機内サービスにおいて、埋め立て廃棄処分されるゴミを一切出さないというものだ。

同社は機内食のカトラリーを含む1,000点にのぼる使い捨て製品を、サトウキビでできたお皿やでん粉でできたナイフ・フォーク等、堆肥化が可能なものに置き換えた。個別包装された牛乳やベジマイトなど、プラスチック容器に入ったものは機内から排除されたり、他の容器が使われたりした。

  • 国名:オーストラリア
  • 団体(企業)名:カンタス航空

小売店×ゼロウェイスト

スーパーマケットや街中にあるお店など、私たちの日々の生活に欠かせない小売店。そんな小売店でゼロウェイストの理解が広がれば、消費者がゼロウェイストな行動を取りやすくなるだろう。

11. デンマークの100%オーガニックの量り売り専門店

【デンマーク特集#7】ゼロウェイストを目指して。100%オーガニックの量り売り専門店「LØS market」


2016年にデンマークの首都コペンハーゲンでオープンしたのが、同国初となる、パッケージを一切使用せずに100%オーガニック商品のみを取り扱う量り売りストア、「LØS market」。LØS marketでは、ナッツ、チョコレート、野菜、コーヒー、調味料、パスタ、石鹸など食品を中心とする約350種類のオーガニック商品を量り売り形式で、一般の小売店よりも競争力のある価格で購入することができる。

「サステナブルな消費スタイルを浸透させていくコツは、LØS marketのような店を一つでも多く増やすこと」という、創業者の力強いメッセージが伝わってくる。

  • 国名:デンマーク
  • 団体(企業)名:LØS market
12. マイ容器持参でディスカウント

マイ容器持参でディスカウント。世界の飲食店の取り組みが三方よしでサステナブルな理由


いま、パッケージを使用しない「パッケージレス」を掲げたスーパーマーケットや小売店が世界中に増え始めている。アメリカや香港にチェーン展開をしている「Just Salad」というサラダ専門店では、顧客がお店で販売されている再利用可能な容器を1ドルで購入し、その容器を使うとトッピングが無料になる。

「Ancolie」というニューヨークにあるレストランでも、テイクアウトのサラダやデザートをガラス瓶のメイソンジャーに入れて提供。このメイソンジャーにはデポジットが含まれており、次回来店した際に持参すると、値引きが受けられるという仕組みだ。ニューヨークを中心に展開するカフェ&レストラン「Maman」でもマイカップ持参の割引が適用される。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:Just Salad、Ancolie、Maman
13. 容器を戻すと割引される自動販売機

容器を戻して2ドル割引。NY発、環境にも健康にも優しいヘルシーフード専用自動販売機


ニューヨークにある自動販売機では、ジャンクフードの代わりに、毎朝作られる新鮮なサラダやアサイーボウルが、再利用可能で持ち運びしやすいガラスジャーに入れられ販売されている。食べた後にガラスジャーを自動販売機に戻すと、次回購入時のディスカウントをもらえる仕組みだ。

カフェだけではなく、自動販売機でも気軽にゼロウェイストな行動を取れるのが嬉しい。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:Fresh Bowl
14. 再利用可能なサンドイッチ・ラップ

エコで楽しいランチに。バルセロナで人気の再利用可能なサンドイッチ・ラップ


「買うとき」ではなく「食べるとき」のゴミ削減に注目したエコなアイテムが、バルセロナで誕生した。それが、再利用可能なサンドイッチ・ラップ「ボックン・ロール」だ。環境意識の高い企業や公共機関、教育機関からも注目を集め、学校での環境教育の一つとしてランチゴミを減らすため、「ボックン・ロール」が学生たちに支給された。

  • 国名:スペイン
  • 団体(企業)名:Marcadiferencia S.L.
15. 何度も使えるミツロウのラップ

楽しく料理。サステナブルに生きる家族が、何度も使えるミツロウのラップを作る


オーストラリアに住むDevine一家が販売するBee Eco Wrapは、デザイン性が高くてしかも地球に優しいラップだ。このラップはミツバチの巣の材料となるミツロウ、オーガニックコットン生地、ホホバ油、そして木の樹脂からできており、完全に自然由来の材料からできている。ウェブサイトによれば、平均で約1年間使えるという。

  • 国名:オーストラリア
  • 団体(企業)名:Bee Eco Wrap
16. デンマークデザインの竹でできた水筒

【ベトナム特集#11】竹の水筒でゼロウェイストのインフラを創り出す。デンマーク人の挑戦「not just bamboo」


PETボトルリサイクル推進協議会によると、毎年220億本以上のペットボトルが出荷されるという。そのうち年間26億本ものペットボトルがリサイクル回収されることなくゴミとなり、最終的に海に流れ着くこともある。

ベトナムでは、ペットボトルの代替品として竹の一節をそのまま生かした水筒が作られている。創業者の一人であるデンマーク出身のPedersen氏は、「水道から給水できる環境を整えること」と「水筒に給水するという文化や習慣を作ること」を目指している。

さらに、再利用可能な水筒と合わせて、街中で給水できる場所が増えれば新たな使い捨てボトルを買わなくて済む。オランダの「TAP」やイギリスの「Refill」、そして日本の「MyMizu」など、給水スポットを探すサービスと一緒に使いたい。

  • 国名:ベトナム
  • 団体(企業)名:not just bamboo

旅・イベント×ゼロウェイスト

旅やイベントは、非日常のハレ。そんなハレの時間であっても、楽しくゴミゼロを目指すことができるアイデアをご紹介しよう。

17. 世界初の「ゴミゼロツアー」開催

ごみを出さずに旅してみる?世界初の「ごみゼロツアー」2019年アメリカで開催!


米国のエコツアー会社、ナチュラル・ハビタット・アドベンチャーが、2019年夏にゴミを一切出さない世界初の「ゼロウェイストツアー」を実施した。「旅のゴミゼロ」実現方法として、ツアーの申し込みや旅程の送付は紙ではなく電子データで行なったり、旅行中は再利用できる水筒やカトラリーを利用し、シリアルなど量りで提供される食事を必要な量だけ取った。

一つひとつの工夫の結果、旅の終わりにはすべてのゴミを一つの小さな容器に収めることができたそうだ。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:Natural Habitat Adventures
18. 京都の祇園祭でリユース食器を導入

京都から日本の祭りに「ごみゼロ」を。50万人が参加する祇園祭でリユース食器を導入


約50万人以上が参加する日本三大祭の一つ、京都の祇園祭を舞台に、2014年から21万食ものリユース食器を導入する「祇園祭ごみゼロ大作戦」が実施されている。祇園祭ほどの規模のお祭りにリユース食器が導入されるのは日本初、世界初の試みとして注目を集めた。

約130万人もの人が参加する大阪の天神祭でも2017年から、「天神祭ごみゼロ大作戦」がはじまったりと、祭りでもゼロウェイストの流れが広まっている。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:NPO法人地域環境デザイン研究所ecotone

その他×ゼロウェイスト

千里の道も一歩から。ゴミをなくすには、私たち一人ひとりの意識と行動を変えなければいけない。ここでは、そんなときに役に立つアイデアをご紹介しよう。

19. ゴミ箱のない学校

“私はどれだけごみを出してる?” 豪メルボルンの女子高校が校内のごみ箱を撤去


オーストラリア・メルボルンの女子高校が、トイレなど一部の場所を除いて校内のほとんどのゴミ箱を撤去するという奇策を打ち出した。目的は、生徒たちにいかに普段の生活で無意識にゴミを出しているかを意識してもらい、ゴミの少ない生活に向けて取り組んでもらうこと。生徒たちは、ランチタイムで出る食品のパッケージなどを含め、学校生活で出るすべてのゴミを家に持ち帰ることになる。

導入にあたって、授業でプラスチック汚染について学んだり、生徒や両親と協議を実施したりするなどしっかり準備をしてきた。その実行方法と、関係者をいかに巻き込むかが成功のカギであろう。

  • 国名:オーストラリア
  • 団体(企業)名:メルボルン・ガールズ・カレッジ

まとめ:日本の動向は?

Googleトレンドで見た世界的な潮流と比べると、日本での「ゼロウェイスト」というキーワードの広がりは少し遅れている。

●日本での「ゼロウェイスト」検索結果

とはいえ、5月30日(ごみゼロの日)にこれからの“環境とビジネスの新しい関係”を考えるイベント「530 conference 2019」が開催されるなど、少しづつだが、日本にもその波は広がっている。

そして何よりも大切なことは、「ゼロウェイストな生活は辛くて無理だ」と思う私たちの先入観をなくすことではないだろうか。人間、楽しくないことは続かないのは当たり前。だから、ゼロウェイスト活動も、「割引がある」「より安全で美味しいものが食べられる」「身の回りからゴミがなくなり気持ちが良い」など、自分にとってプラスになるものを見つけて楽しみながら取り組みたい。

こちらの記事では、日常で無理なくゼロウェイストに取り組める方法やヒントについてご紹介している。

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