医療従事者はUber乗車料が最大無料。台湾の官民協働キャンペーン

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新型コロナウイルスの対策で朝早くから夜遅くまで働く医療従事者の人々にとって、出退勤の時間は予想がつかないものになってしまった。台湾では、公共機関の減便も行われているために、病院間の移動や、通勤もスムーズに行えない状況が続いていた。こうした状況を改善するため、Uber台湾は、医療従事者向けの官民協働キャンペーンを行うことを5月12日の国際ナースデーに発表した。

Uber台湾と台北市、その隣の新北市の市政府の協働で行われたのは、新型コロナウイルス対策で日夜働く医療従事者のために、Uber使用料金を割引するという施策だ。期間は5月12日から6月30日まで。全体で10万回の乗車分を割引のために確保している。新北市の救急病院と29ヶ所の保健所、台北市の8ヶ所の総合病院とその分院、新型コロナウイルス集中検疫所などに務める医師、看護師、医療事務の人々が対象だ。キャンペーン期間中は、スタンダードなUberタクシーの料金が最大で220元(約790円)割引。Uber台湾の相場は台北市内で約90元〜150元であることを考慮すると、十分な額であると言える。この割引制度は医療従事者一人につき最大5回まで使用可能だ。

Uber Taiwan

Image via 聯合報

Uberの車内では、乗客とドライバーの間に仕切りを設けるなど、最低限の予防は確保されているが、キャンペーンに協力するタクシードライバーには、もしもの時のための経済的な援助も提供されるのだ。ドライバーは、新型コロナウイルス陽性の診断書、もしくは指定の公共衛生機関からの隔離要請証明書をUberへ提出することで、Uber上のドライバーアカウントが停止され、最大14日間の経済的援助が受けられる。こうしたドライバーへの支援策はすでにUber側でまとめられ、ドライバー側の申請準備も軽減するような措置が取られている。

台湾は他にも、インターネット上でマスクを注文し、近くの薬局で受け取れるサービスをいち早く設計するなど、情報通信政策について世界中から注目を集めている。今回のように感染のリスクが高い仕事に従事している人々へ手厚い補償が用意されているということも、他国が見習うべき重要な点だろう。またそれ以外にも、国際ナースデーには、一部のコンビニエンスストアやスーパーマーケットで、医療従事者向けにコーヒーの無料提供や、商品の割引企画が行われた。

こうした民間の活動も、大変な状況下で働く人々を元気付けるために自発的に行われている。このように様々な形の協力が行われることで、医療従事者への感謝を具体的な行動で示せるということは、日本でもぜひ参考されるべきではないだろうか。

【参照サイト】「國際護師節」Uber台灣提供10萬趟優惠折抵致敬醫護
【参照サイト】「迎接5/12 國際「護師節」、為台灣防疫加油打氣 多家品牌陸續請喝咖啡、珍奶

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