「エシカル消費」という言葉を知っていますか? エシカル消費とは、人や社会、環境に配慮した消費のことで、誰にでもできる社会貢献のアクションとして、注目されています。
本特集では前回(全9回)の続編として、約6カ月にわたりエシカル消費のおすすめ11テーマを解説していきます。第16回は、「災害対策商品」について詳しく解説します!
今からでも備えておきたい、災害対策商品
災害には、洪水や大雪、地震など自然によってもたらされるもの、そして工場の爆発による火災といった人為的なものがあります。特に近年、気候変動の影響により自然災害がたくさん発生しています(*1)。高温、大雨、少雨、熱波などによって洪水や干ばつがおき、人々の暮らしや社会に多大な影響を与えています。
日本では2019年の九州北部豪雨、関東を中心に台風15号や19号、そして2020年に起こった令和2年7月豪雨では熊本県を中心に九州や中部地方で被害が及びました。今やどこに住んでいても災害対策が欠かせませんが、みなさんは対策をしていますか?
ある調査によると災害の対策をしている人は回答者の約半分程度、残り半分のうち9割は「必要性を感じながらもできていない」と回答しています(*2)。災害が起きると、電気やガス、水が止まり、トイレや調理もままならなくなり、普段と同じような生活ができなくなってしまいます。「後悔先に立たず」と言われるように、日頃から備えをしておくことが大切です。
災害対策商品にもエシカルなヒントが
災害時は生活に必要なものが足りない、水や食料が思うように手に入らないなど、日常と異なる環境で過ごさなければいけないことがあります。寒さを防ぐものがなかったり、水分や食べ物が十分にとれなかったりする状況が続くと、体調を崩す、病気が悪化するというように高齢者や乳幼児にとっては命にかかわる事態になりかねません。
災害対策商品は、災害時に命を守るだけではなく、生活の手助けとなり、少しでも日常生活に近い環境を整えるためにとても重要です。そんな私たちを支える災害対策商品には、実はエシカルなヒントが隠されているのです。
一つで何役もの機能を持つもの、さらには過酷な環境でも壊れない耐久性が高いものなど、長く使える便利な機能が備えられているものがあります。
(2)エネルギー効率が良い
防災グッズと一般的に言われる災害対策商品には、太陽光で光るランタンや手巻きラジオなど最低限のエネルギーで使える「省エネ」で「エコ」な優れものもあります。
(3) 知恵や技術を有効活用している
ごみを出さない工夫や避難時に持ち運べる設計がされたもの、少ない資源で役割を果たすものなどあらゆる知恵が凝縮されています。また、インターネットがなくてもデータ通信ができる技術なども使われています。
このように、災害対策商品にもエシカルな暮らしを考えるヒントがあります。日頃の生活のなかで最低限必要なものは何かを考えることで、大事なものを見直すきっかけにもなります。いざという時の備えをしつつ、平常時を気持ちよく過ごすヒントも見つける良い機会となるのではないでしょうか。
国内外の災害対策商品、取り組み
ここで、国内外の災害対策に関する商品や取り組みをご紹介します。
自宅での避難準備のきっかけを贈る「体験して備える防災ギフト」。家での避難生活について書かれたブックと、「LEDランタン」「グルメ非常食」「非常用トイレ&浄水器」「手動発電機」の4つの防災グッズの中から1つを取り寄せることができます。いざという時に命を守れるように、と思いを込めた贈り物にいかがでしょうか。
【記事】災害に備えるきっかけを。大事な人に贈る「防災ギフト」
災害時のスマホ電源確保に。手動で発電できる便利デバイス「LIFESABER」
USBスマホ充電器、浄水器、プラズマライターという3つの役割を担う「LIFESABER」。縄跳びのように15分回転させるとすぐにスマホが充電できたり、紫外線殺菌によって川の水や雨水などを最低限飲める状態にしたりする機能が装備されています。また、内臓ストロボライトによって大音量の緊急サイレンとライトの両方が作動し、救助を求める際に役立つ機能もあります。機能が豊富なうえ軽量でコンパクトなのも魅力的です。
【記事】災害時のスマホ電源確保に。手動で発電できる便利デバイス「LIFESABER」
平時は宿泊施設、災害時には無料の避難所になる、徳島県の独自モデル「シームレス民泊」。災害時の滞在費は行政が負担し、特に医療などのサポートが必要と思われる住民は民泊へと振り分けられるなど官民の連携が定められており、避難所確保の手段として注目されています。シームレス民泊となった宿泊施設では従業員が防災士の資格を取るなど、防災への意識の高まりも見られ、地域ぐるみの防災インフラとして参考になりそうです。
【記事】災害時は避難所になる「シームレス民泊」に、地産地消の「マクロビ民泊」。徳島に学ぶ民泊と地方創生
この他にも防災に役立つサステナブルなアイデアはたくさんあります。
【2020年最新版】災害時にも役立つサステナブルなアイデア11選
太陽光だけでお湯を沸かせるアイテムや、銀のコーティングによってバクテリアや匂いをなくして1カ月間洗わなくても着続けられる下着など、日頃から使えて災害対策にもなる商品を持っていると、いざというときにも有効活用できます。
また、普段の食事で利用している食品を消費しながら備蓄する「ローリングストック」も注目されています。
無理せずはじめる、食の防災「ローリングストック 」(外部サイト)
災害時には、欲しい時に食料が手に入らないこともあります。備蓄の必要性は感じていても、普段食べない非常食を常備しておくことに抵抗がある方もいるのではないでしょうか。いつも食べているものを消費しながら備蓄するローリングストックなら、食品を買い置きする延長で非常時に備えることができます。
「食べてわかったおいしい防災食」(外部サイト)
最近、「防災食でありながらもおいしい」と言われる商品もでてきました。そこでエールマーケットでは編集部メンバーと”防災食のエキスパート”瀬川 義雄さん、料理家の横山 亜紀さんと、20の商品を「おいしさ」「調理のしやすさ」「常備のしやすさ」「人に贈りたいか」の4つの指標で評価しました。
自分の大切な人とつながる「#おくる防災」(外部サイト)
あなたの大切な人、生きていてほしい人に防災用品をおくりませんか?「生きていてほしい人に防災用品を”贈る”」「遠くに住む大切な人に防災用品を”送る”」という習慣が世の中に根付くことを目指して、3月11日が「おくる防災の日」に制定されました。あなたの大切な人に、あなたの思いと一緒に、防災の備えを届けてあげてください。
災害対策商品を選ぶポイント
災害対策商品を選ぶポイントをご紹介します。まずは、最低限準備しなくてはいけないものをそろえましょう(*3)。
・非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
・トイレットペーパー、ティッシュペーパー・マッチ、ろうそく・カセットコンロ などまた、自宅が被災した場合に備えて、非常用バッグも必要です。以下の内容を参考に準備してみましょう。・飲料水、食料品(カップ麺、缶詰、ビスケット、チョコレートなど)
・貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証など)
・救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬など)
・ヘルメット、防災ずきん、マスク、軍手
・懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器
・衣類、下着、毛布、タオル
・洗面用具、使い捨てカイロ、ウェットティッシュ、携帯トイレ
※乳児がいるご家庭はミルク・紙おむつ・ほ乳びんなども用意しておきましょう。
災害時の備えには、太陽光を活用するものなど、電気やガスを使わずに機能するアイテムを選ぶことを心がけましょう。また、日頃からお風呂の水を張っておけばトイレの水などに活用できます。災害時のために日常の暮らしぶりも工夫したいですね。
災害対策をしても「やっぱり足りない」ということもあるでしょう。そんな時は身近なものを使った災害時のライフハックも参考にしてみましょう(*4)。懐中電灯の明かりを効率的に広げる方法やガスの使用時間が短くなるパスタのゆで方、水の上手な利用の仕方など、お子さんも楽しめるものがあるので、一緒に実験しながら防災意識を高めるのもいいかもしれません。
災害には遭わないことが一番ですが、自分で選べるものではありません。しかし、対策はすることができます。いざという時に慌てないよう、日頃から準備をしておきましょう。
エールマーケットの災害対策商品
最後に、エールマーケットから災害対策ができる商品をご紹介します。
柔らかい光が心地よいLEDライト。一度のフル充電(6時間)で、暗めモードなら約10時間、明るめモードなら3時間点灯します。持ち運びができるので夜間外出時に携帯したり、ハンガーのようなフックがあるので高いところにひっかけて部屋の照明にしたりすることも可能です。読書灯などに活用できるので普段使いもできます。
(商品ページはこちら<外部サイト>)
非常食がおいしくないというのはもう昔の話。最近では味にこだわったものも増えています。こちらは京都・祇園生まれのデニッシュパンの缶詰。味はプレーン、チョコ、メイプルの3種類で、3年間保存可能です。ストレスがかかりがちな非常時だからこそ、おいしいものを用意しておくと元気を取り戻すきっかけになるかもしれません。
(商品ページはこちら<外部サイト>)
次回は「一生ものの商品」について解説します。お楽しみに!
*1 中小企業庁 我が国における自然災害の発生状況
*2 「防災対策をしている人」の割合は53.2%でほぼ半数 ・「防災対策をしていない人」の内90.2%が必要性を感じながら何もできていない結果に!
*3 首相官邸ウェブサイト
*4 【まとめ】災害時に。身近なものを活用するライフハック術
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ヤフージャパンが東日本大震災後、東北の商品を揃えてネットで販売を始めた「復興デパートメント」。今は「エールマーケット」と名前を変え、全国の商品を取り扱っています。自然環境や人、地域に優しい社会を応援(エール)する、本当にこだわった商品を販売するモールです。