感動だけで終わらせない。アクションを起こし臓器ドナーを増やす映画『Corazón』

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米国では臓器提供不足のため、毎日22人が亡くなっているという。日本も人ごとではない。100万人あたり0.7人。これは日本における脳死による臓器提供者の人数だ。米国(28.5人)と比べると大幅に下回っている。

助かるはずの命が失われている。本人はもちろんのこと、家族にとってこれほど辛いことはない。

米国で公開された映画『Corazón』は、観るだけでなく、携帯を使った双方向コミュニケーションを活用し、臓器提供者を増やす取り組みで注目されている。カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルでは審査員特別グランプリ「ヘルス&ウェルネス賞」を授賞した。

同映画はニューヨークにある病院「モンテフィオーレ・ヘルス・システム」と臓器提供ドナー登録を受付けている「ドネイト・ライフ・アメリカ」が立ち上げたキャンペーン「あなたの心臓をください(# GiveYourHeart)」の一環で、実話に基づき制作された。

はじまりはカリブ海に浮かぶドミニカ共和国。主人公のエレーナ・ラミーラスはここで家族を養うために身体を売っていたが、心臓欠陥のため余命1か月であることを知る。心臓専門医マリオ・ガルシアに出会い、心臓提供者が現れるまでの措置として人工心臓を移植するため、ニューヨークへ行くことを決断する。映画は彼女が次々と直面する困難をとおして、心臓移植にまつわるさまざまな問題を描いている。

映画を観て心を動かされたところで、観客は携帯からキャンペーンサイトにアクセスし、コードを入力する。自分の心臓に近づけて心拍を感知させると、ウェブサイトやニューヨークのタイムズスクエアのデジタル看板に映し出された、主人公を演じる女優アナ・デ・アルマスが生き生きとしはじめる。15秒あれば、その場ですぐに臓器ドナー登録もできるという。

アナ・デ・アルマスは「この映画を観た人が、エレナの話を自分ごととして捉え、私たち以上に行動し、臓器提供者となるよう刺激を受けてもらえればと思う」と語る。

『Corazón』はスペイン語で「心臓」のほか、「心」、「勇気」を意味する。映画やITを活用した今回の取り組みは多くの人の心を動かし、臓器提供を待つ人々に勇気を与えたのではないだろうか。

【参照リンク】Corazón
【参照リンク】John X Hannes
【参照リンク】増えぬ小児臓器移植 提供者少なく、目立つ海外渡航
(※画像提供:Corazón