ジョン・レジェンドらアーティストがライブ配信。コロナによる自宅待機を応援するキャンペーン#TogetherAtHome

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瞬く間に世界へ広がった新型コロナウイルス感染症の影響で、海外渡航禁止、外出禁止など様々な対策が各国で取られている。学校の休校、自宅勤務の推奨、就業時間の削減、店舗の一時閉店など、生活に大きく影響するような変化が多く、失業者数の増加など不安を掻き立てられるようなニュースも後を絶たない。

筆者が住んでいるニューヨークでも3月22日から(生活に必要最低限なことを除く)外出が禁止となり、ニューヨーク州知事は市民にソーシャル・ディスタンシングの実行を強く求めている。ソーシャル・ディスタンシングとは、「極力自宅から出ない」「同居人以外の人とどうしても会わなければならない/買い物のために外出する必要がある場合、会う人やすれ違う人、列に並ぶ人たちと6フィート(約183センチメートル)以上距離をあける」「グループで集まったりイベントへ行ったりしない」「緊急でない旅行は中止する」など、感染拡大を防ぐために他人と距離を置く指針のことだ。

人がいないNYのソーホー地区

通常、国内外から訪れるたくさんの人で賑わうショッピングエリアのひとつ、ソーホー地区 ブロードウェイ通り、3月21日の様子。明かりはついているが店は閉まっており、週末だが片手で数えられるほどしか人がいない。

なぜソーシャル・ディスタンシングが大切なのかというと、これを守ることで直接、あるいは間接的にウイルスに感染する、させてしまうことを防ぎ、感染者数を押さえて収束を早めることができるからだ。

ワシントンポスト紙は、ソーシャル・ディスタンシングの重要性がわかるあるシミュレーションの結果を発表している。普通に生活を続けた場合、感染者を一時的に隔離した場合、4分の3の人たちがソーシャル・ディスタンシングを守って生活した場合、8分の7の人たちがソーシャル・ディスタンシングを守って生活をした場合の4つの場合に分け、それぞれの場合の健康者、感染者、回復者の数をシミュレーションしたのだ。その結果、感染者を隔離するよりも、多くの人がソーシャル・ディスタンシングを守るほうが、はるかに感染被害が少なくなることがわかった。

「CLOSED」の札がかかった店

Image via Unsplash

ソーシャル・ディスタンシングが感染を防ぐうえで必要なことだとはいえ、人の移動が制限され経済活動が停滞するなかで、雇用が脅かされ、精神的な苦痛を味わっている人もいる。米労働局は、19日の時点で、前週の間に28万1,000人が失業手当を申し込んでおり、その数は前の週と比べて33%増加していると報告した。3月19日付のワシントンポスト誌によると、3月末までに100万人以上の労働者が職を失うと予測されている。ボールステイト大学の経済学者、マイケル・ヒックス氏は、この3月、アメリカ史上最悪の(一時的)解雇を記録するだろうと語った。

市民の間で様々な不安がよぎる中、グローバル・シチズン(ニューヨークを拠点とし、2030年までに極貧をなくすことを目標に掲げる組織)とWHO(世界保健機関)は共同で「Together At Home」というバーチャルコンサートシリーズを開始した。

Together At Homeは、ソーシャル・ディスタンシングによって社会から隔離されたような感覚や孤独に陥ってしまわないように、音楽を通して世界中の人と繋がることのできる「お家体験」を人々に届けるキャンぺーンである。このコンセプトに賛同したアーティストたちがインスタグラムのライブ配信で視聴者に語りかけながら生演奏を披露し、世界市民(Global Citizens)を勇気づけている。

インスタグラムのライブ機能を使った、アーティストの生演奏#TogetherAtHomeは3月16日のコールドプレイのクリス・マーチン氏に始まり、ジョン・レジェンド氏、ワンリパブリックなど、名だたるアーティストたちによって配信されている。

17日の夜に自宅から生配信をしたアーティスト、ジョン・レジェンド氏は、ローブを纏い、リラックスした装いで、自身の曲やスティービー・ワンダー氏のカバーなどを、曲の思い出のエピソードとともに披露した。レジェンド氏は自身が新型コロナウイルスの影響で仕事ができなくなってしまったと話し、多くの人たちもきっとそうであろうと視聴者に優しく語りかける。

そして、「コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、自宅にとどまり、物理的に人との距離を置かなければならない。皆が自宅で過ごす時間が少しでも楽になるように、たくさんのアーティストたちが行動を起こそうと決意したんだ」と続けた。

現在外出禁止を強いられている人たちは様々な状況にある。中にはリモートワークではできないような仕事についていたり、休む余裕がなかったり、子どもの食事を学校の給食に頼っていたりする人もいるだろう。この状況に対しレジェンド氏は、「これからどうやって家族を食べさせていけばいいのかと、多くの人がもがいている。アメリカでも世界でもフードバンクが設けられているので、もしも余裕があるのであれば、皆の力を貸してあげてほしい」と互いに助け合う重要性を強調していた。ちなみに、この日のレジェンド氏の生演奏は、インスタグラム上で70万人に視聴されたそうだ。

スマートフォンでライブ配信を見る女性

Image via Pexels

アーティストたちの心遣いや音楽に助けられた人たちはとても多いだろう。Global Citizenは18日の時点で、今後も毎日配信をする予定だと述べている。ジョン・レジェンド氏をはじめこれまでに配信したアーティストのライブも、Global CitizenのYouTubeチャンネルからアーカイブ視聴することができるという。

新型コロナウイルスによる世界的な混乱に終わりが見えず、不安な毎日が続いているが、一刻も早く日常の生活へ戻るには、一人ひとりの意識と行動が不可欠であることも確かだ。普段より身近に感じられる形でアーティストが紡ぐあたたかな音楽は、そんな先の見えない日々につかの間の安らぎを与えてくれる。外出や人との交流を控えなければならないという生活は精神的に辛いものだが、オンラインで繋がることができる時代に生きていることに感謝し、支え合いながら乗り越えていきたいものだ。

【参照サイト】Together At Home Global Citizen
【参照サイト】Watch! John Legend Joins Artists Rallying Against Coronavirus Through ‘Together At Home’Global Citizen #TogeterAtHome Campaign
【参照サイト】John Legend #TogetherAtHome Concert Series Full version
【参照サイト】Why Outbreaks like coronavirus spread exponentially and how to “flatten the curve”
【参照サイト】As layoffs skyrocket, the holes in America’s safety net are becoming apparent
【参照サイト】The Coronavirus Effect: Here Are The Jobs That Will Be Added And Lost
【参照サイト】Protect yourself and others from COVID-19
【参照サイト】Global Citizen | Instagram

※Together At HomeのWEBページでは、他にも新型コロナウイルスに打ち勝つために私たちにできることが紹介されている。ぜひのぞいてみてはどうだろう。