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【2024年最新版】脱プラから食品ロスまで。ゼロウェイストに取り組む国・都市・企業まとめ

Zero Waste(ゼロウェイスト)とは?

ゼロウェイストとは、「ごみをゼロにする」ことを目標に、できるだけ廃棄物を減らそうとする活動のことを指す。現代社会の大量生産、大量消費に疑問を持つ人々が増え、世界中でゼロウェイストに関するさまざまな活動が始まっている。

具体的には、ごみの出ない生活スタイルを目指したり、シェアリングサービスやレンタルサービスの利用、物流の仕組みの変革、資源を浪費しない製品の生産方法の採用などが挙げられる。

ゼロウェイストの考え方と共鳴するのが、循環型経済(サーキュラーエコノミー)である。これは、ごみが出る社会のシステムを根本から見直す考え方であり、製品の開発段階からそもそもごみが出ないように設計することで、全ての資源を循環させ続けようとするものである。近年のゼロウェイストの取り組みは、単純にごみを削減するだけでなく、システムレベルでの見直しや、人々の意識変革に重点を置くものも多くなっている。

IDEAS FOR GOODでは、世界中で展開されている様々なゼロウェイストの取り組みを取り上げてきた。本稿では、国や地方公共団体、産業ごとに日本国内・海外のゼロウェイスト活動の事例を紹介する。

世界のゼロウェイスト事例

国・地方公共団体×ゼロウェイスト

政策として、先陣を切ってゼロウェイストを目指す国や地方公共団体が増えてきている。

01. オランダ・アムステルダムが「循環型経済」都市となった背景とは?

なぜアムステルダムは循環経済の先進都市になれたのか? アムステルダム市長、ハーベスト・ウェイストCEOに聞く


オランダのアムステルダムは、2050年までに100%循環経済への移行を目指し、2020年には「ドーナツ経済学」の概念を市の循環経済政策に採用するなど、注目を集めた。実際、同市には、ユニークな循環型スタートアップが集まり、循環型経済の先進都市としても知られている。

この地位を築いた背景には、政策の迅速さと市民・企業の変革速度のバランスを上手く取り、官民の対話を進めたことが挙げられる。市民のオープンネスや認識の変化も、この街全体の循環型経済への移行に重要な役割を果たした。2018年に市長に就任したフェムケ・ハルセマ氏は、持続可能な経済と成長可能な経済は相反しないとの考えに基づき、積極的に循環経済の取り組みを推進してきた。彼女は、COVID-19の影響によって貧困などの社会問題が顕在化した中で、環境だけでなく社会正義も重視する「ドーナツ経済」が受け入れやすかったと述べ、アムステルダムの循環型経済への移行を後押ししたと分析している。

  • 国名:オランダ
  • 団体(企業)名:アムステルダム
02. ブータン、毎月2日の「ゼロウェイスト・アワー」

ブータンが毎月2日に「ゼロウェイスト・アワー」を制定。2030年までに廃棄物ゼロ社会を目指す


人々の幸せの度合いを重視する国民総幸福量(GNH)という指標を提唱したブータン。2030年までに「廃棄物ゼロ社会」を目指すキャンペーンの一貫として、毎月2日に、あらゆる組織や個人が、周辺地域を清掃する「ゼロウェイスト・アワー(廃棄ゼロの時間)」を少なくとも1時間設けている。これにより、一般市民の環境に対する社会的責任をリマインドし、空き地への不法投棄をなくすことを目指している。

  • 国名:ブータン
  • 団体(企業)名:ブータン国家環境委員会
03.驚異のリサイクル率で世界から注目される、徳島県上勝町

【徳島特集 #3】「もう限界だった」なぜ上勝町はゼロ・ウェイストの町になれたのか


2003年に国内初の「ゼロ・ウェイスト宣言」を発表し、2020年までにゴミをゼロにする目標を掲げた徳島県上勝町。過疎化・高齢化の問題解決から始まったゼロウェイストへの取り組みや、「ゼロ・ウェイスト認証制度」、そして2020年の春に新たなゴミステーションとしてオープンする複合施設「ワイ(WHY)」など、上勝町は常に目の前の課題と向き合いながらも最先端の取り組みを行っている。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:徳島県上勝町
04. 鎌倉市が一体となり循環型社会モデルの実現を目指すプロジェクト

循環が、自己表現になる未来。慶應鎌倉拠点が目指す循環型社会モデルとは?


日本国内でゼロウェイストに取り組む地域は上勝だけではない。神奈川県・鎌倉市も「ゼロウェイストかまくら」を掲げ、過去30年で燃やすごみを約6割削減する成功を収めた。鎌倉では、新たな循環型社会を目指すプロジェクト「リスペクトでつながる『共生アップサイクル社会』共創拠点」が進行中だ。この取り組みは、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)教授の田中浩也教授が率いており、多様な人々、微生物、AIなどが共生し、アップサイクルを実現することを目指している。循環型社会のメンバーを「循環者」と呼び、その育成に取り組む一方、「しげんポスト」でシャンプーの詰め替えパックなどを回収し、リサイクルするなど実践的な活動も展開している。鎌倉は、モデルやコンセプトの普及から実践的な取り組みまで包括的なアプローチで「循環」をデザインしているのだ。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:神奈川県・鎌倉市
05. ニューヨークの街中でできるコンポスト

ニューヨーカーにはお馴染み?ただ捨てるより、ちょっと良いことしよう。散歩ついでのお手軽コンポスティング


公園や週末の屋外ファーマーズマーケット会場などニューヨーク市内の100箇所以上にコンポスター(堆肥化を行う容器)が設置されている。野菜の切れ端やパスタ、パン、卵やナッツの殻、コーヒーかすやティーバッグなど肉や魚以外であれば様々な生ゴミを回収してもらうことができる。自宅に設備を持たなくても、簡単にコンポストができるのが魅力的だ。コンポスターの中身は収集されたのち堆肥化され、地元の都市農業やガーデニングに利用される。

活動主体は、ニューヨーク市役所とNPO法人GrowNYCである。

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:GrowNYC & DSNY Food Scrap Compost Program

外食×ゼロウェイスト

世界で生産される食べ物の約3分の1が捨てられていると言われている。そんな食の分野から無駄を減らすことを意識すれば、ゼロウェイストの流れが加速するだろう。

06. 岡山の「循環」イタリアン。日常を楽しむヒントとは?

ハレだけでなく“ケ”を楽しむ。蒜山の循環レストラン「ケナル」【FOOD MADE GOOD #17】


岡山県真庭市の蒜山(ひるぜん)高原に位置する『トラットリア ケナル』は、大手外食チェーン、サンマルクホールディングスが手がける初の「サステナブル」を主軸としたレストランである。店内では、再利用可能で自然に還る木材が天井などに使用されており、廃棄されるはずだったものが活かされている。他にも、スタッフのユニフォームは、焼却処分されるバナナの木の繊維を用いたバナナデニムを採用。また、食品ロスを可視化し、食事のタイミングを工夫するなどして廃棄量の削減に取り組んでいる。地元産の食材にもこだわり、「効率性」「サステナビリティ」「本格的なイタリアン料理」のバランスを追求しながら、地域の食材を活かしたこだわりのレストランとして注目を集めている。

  • 国名:日本
  • 団体(企業):トラットリア ケナル
07. 廃棄レモンが変身。「BAR芦屋日記」のゼロウェイストカクテル

兵庫の「BAR芦屋日記」がつくる、ゼロウェイストなカクテルとは?【FOOD MADE GOOD #19】


兵庫の老舗バー「BAR芦屋日記」は、食品ロスを極力削減し、ゼロウェイストに取り組んでいる。同店のバーテンダー、草野さんのカクテル「国産無農薬レモンのまるごとカクテル」は、普通なら捨てられてしまう硬いレモンを丸ごと使用。ラム、ジン、蜂蜜と合わせることで、同店でしか味わえない美味しいカクテルに変身する。また、廃棄食材を使った創作バーのおつまみ(チャーム)もある。彼の「ロス」から想像力で生み出す作品は、「捨てる」という社会の常識に一石を投じる。

  • 国名:日本
  • 団体(企業):BAR芦屋日記
08. ビーチにあるおしゃれなゼロウェイストレストラン

おしゃれもサステナブルも実現する。バリ初のゼロウェイストレストランがオープン


インドネシア・バリ島はアジア屈指のリゾート地である一方、観光客が捨てるペットボトルなどのごみや、国内・海外から流れ着いたプラスチックの汚染問題が深刻となっている。バリ島のPotato Head Beach Club内にあるゼロウェイストのレストラン「Ijen(イジェン)」では、店内インテリアからメニューまでのすべてからサステナブルなレストラン運営を目指している。リサイクル素材で店内の装飾をしたり、地元で作られたオーガニックな素材を使った料理を提供しながら、モダンでおしゃれな雰囲気作りを実現している。

  • 国名:インドネシア・バリ島
  • 団体(企業):Ijen
09. 北欧ヘルシンキのゴミゼロレストラン「NOLLA」

ヘルシンキのごみゼロレストラン「NOLLA」の、絶対食材を無駄にしない工夫


ヘルシンキのレストラン「NOLLA」の厨房にはゴミ箱がない。調理中に出たゴミとなるものはコンポストし、使い捨てのプラスチックも登場せず、スタッフの服やナプキンも再利用・再生可能なものを使用。来店客が自分のキャパシティを超えて料理を頼みすぎることを防ぐため、サイズ小さめのテスティングメニューも用意するなど、徹底してゴミを出さない工夫を凝らしている。

  • 国名:フィンランド
  • 団体(企業)名:Restaurant Nolla

航空業界×ゼロウェイスト

COVID-19による減少した乗客数が回復しつつあり、今後さらに多くの人が飛行機を利用すると予想されている。このような状況の中で、ますます身近になった空港でも、ゼロウェイストの取り組みが広がっている。

10. 世界初のゼロウェイスト空港を目指すサンフランシスコ空港

アメリカ初。サンフランシスコ空港が使い捨てペットボトルの水販売を禁止


サンフランシスコ国際空港は、2021年までに世界初のゼロウェイスト空港になるという目標を持っており、食事の持ち帰り用容器や調味料パック、ストロー、食器等の使い捨て製品をすでに禁止している。それに加え、2019年8月20日から、容量が1リットル以下のペットボトル入りの水販売を禁止することを発表した。この決定は、サンフランシスコ市で2014年に定められた、市所有施設でのペットボトル入りの水販売を禁止する条例によるものだ。サンフランシスコ国際空港の廃棄物ゼロの目標は、空港が管理する都市固形廃棄物(MSW)と建設解体瓦礫(C&D)の廃棄物ゼロを達成することである。2030年までに90%の転換を達成することを目標としており、2022年の時点での転換率は61%に達している(※)

(※)SFO Sustainability

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:サンフランシスコ空港
11. 世界初の「ゼロウェイスト飛行」を実施

豪カンタス航空、世界初の「ゼロウェイスト飛行」を実施


オーストラリアのカンタス航空は、世界初となるゼロウェイストな商業フライトを実現した。機内サービスにおいて、埋め立て廃棄処分されるゴミを一切出さないというものだ。

同社は機内食のカトラリーを含む1,000点にのぼる使い捨て製品を、サトウキビでできたお皿やでん粉でできたナイフ・フォーク等、堆肥化が可能なものに置き換えた。個別包装された牛乳やベジマイトなど、プラスチック容器に入ったものは機内から排除されたり、他の容器が使われたりした。

同社の目標は、2071年までに使い捨てプラスチックをゼロにし、2030年までに一般廃棄物の埋め立てをゼロにすることである。2023年度末までに、2019年以降の事業活動から2億個以上の使い捨てプラスチックを除去または交換したという(※)

(※)Reducing our waste through circularity

  • 国名:オーストラリア
  • 団体(企業)名:カンタス航空

小売店×ゼロウェイスト

スーパーマケットや街中にあるお店など、私たちの日々の生活に欠かせない小売店。そんな小売店でゼロウェイストの理解が広がれば、消費者がゼロウェイストな行動を取りやすくなるだろう。

12. パリ・モンマルトルのゼロウェイストショップ。「ごみを出さない」をフランスの文化に

【欧州CE特集#27】サステナビリティと幸せは両立できる。フランスのゼロウェイスト文化をつくる「Zero Waste House」


モンマルトルの「La Maison du Zéro Déchet(ゼロウェイストハウス)」は、ゼロウェイスト関連の商品の購入やワークショップ、講演会への参加が可能なショップである。この施設は、1997年に設立された非営利団体「Zero Waste France(ゼロ・ウェイスト・フランス)」によって、ゼロウェイストを学ぶ拠点として創設された。シャンプーや歯磨き粉などのハンドメイドクラスや、廃棄物ゼロの料理教室など、週に3〜5回の様々なワークショップを開催しており、これらの活動はすべて学生ボランティアによって運営される。Zero Waste Franceは、「幸せ」と「サステナビリティ」の両立を信じ、ポジティブなインパクトを通じてゼロウェイスト社会の実現を目指している。

  • 国名:フランス
  • 団体(企業)名:La Maison du Zéro Déchet(ゼロウェイストハウス)
13. 捨てられるはずの本に新たな生き方を。循環する古本プロジェクト

「値段がつかない古本」はどこへいくのか。バリューブックスが描く、循環の物語


長野県のバリューブックス株式会社は、捨てられてしまうはずの古本を有効活用し、地域の本の循環を促進している。古本の買取と販売事業を通じて、再販可能な書籍だけでなく、需要と供給のバランスの理由で市場に出せない「値段のつけられない」本にも新たな価値を提供する取り組みを行っているのだ。その一環として、「book gift project」では、保育園や小学校などに無料で本を提供している。さらに、移動販売車「BOOKBUS」では、バスを本棚に転用し、国内各地で自由に本が楽しめる環境を提供している。また、読書が楽しめるカフェ「本と茶 NABO(ネイボ)」も運営中だ。それでも再販売が難しい本は、古紙回収を経て再生紙として「本だったノート」として生まれ変わる。これらのノートには、元の本の文字が一部残っており、本だった時の風合いが残されている。このように、バリューブックスは、あらゆる手段を駆使して「本の循環」を支えている。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:バリューブックス株式会社
14. 量り売りテクノロジーで「面倒くさい」を変える。京都のゼロウェイストスーパー

量り売りを“再発明”する。京都のゼロウェイストスーパーを支えるテクノロジー


「斗々屋(ととや)京都本店」は、量り売りのゼロウェイストスーパーだ。この店舗は、株式会社寺岡精工(てらおかせいこう)の量り売りテクノロジーを駆使し、従来「面倒くさい」と捉えられていた購買形態に対する認識を変えることに貢献する。斗々屋では、量り売りストアで一般的な乾物や液体だけでなく、野菜、果物、納豆、豆腐などの生鮮食品も販売している。スムーズな量り売りを実現するのに役立つのが、寺岡精工の「RFIDタグ」である。このタグは、容器の重量データを自動的に検知し、会計時の重量計測の手間を省く。さらに、モーションセンサー「e.Sense」は、購入商品を特定し、価格の混乱を防ぐ役割を果たしている。また、食品ロスを削減するための工夫も行われており、賞味期限が近づいた商品は、併設のレストランで美味しい料理に変身する。それでも残る食材は真空パック加工して保存食にするなど、食品の無駄を減らす取り組みを行っている。このように、斗々屋は寺岡精工のテクノロジーを活用し、食品ロスゼロにコミットするとともに、大量生産・大量販売に依存しないロジスティクスの変革に挑戦している。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:株式会社寺岡精工・「斗々屋(ととや)京都本店」
15. マイ容器持参でディスカウント

マイ容器持参でディスカウント。世界の飲食店の取り組みが三方よしでサステナブルな理由


いま、パッケージを使用しない「パッケージレス」を掲げたスーパーマーケットや小売店が世界中に増え始めている。アメリカや香港にチェーン展開をしている「Just Salad」というサラダ専門店では、顧客がお店で販売されている再利用可能な容器を1ドルで購入し、その容器を使うとトッピングが無料になる。

同社が2021年から2022年にかけて、ロチェスター工科大学のニューヨーク州汚染防止研究所(NYP2I)と提携し、再利用可能なマイボウルと使い捨てファイバーボウルの環境ライフサイクルアセスメントを実施した結果、マイボウルを2回使用しただけで、使い捨てのファイバーボウルよりも地球温暖化への影響が少ないことが明らかになったという(※)

(※)Environmental Impact Comparison of Just Salad’s Reusable Bowl and Disposable Containers

  • 国名:アメリカ
  • 団体(企業)名:Just Salad
16. 何度も使えるミツロウのラップ

楽しく料理。サステナブルに生きる家族が、何度も使えるミツロウのラップを作る


オーストラリアに住むDevine一家が販売するBee Eco Wrapは、デザイン性が高くてしかも地球に優しいラップだ。このラップはミツバチの巣の材料となるミツロウ、オーガニックコットン生地、ホホバ油、そして木の樹脂からできており、完全に自然由来の材料からできている。ウェブサイトによれば、平均で約1年間使えるという。

  • 国名:オーストラリア
  • 団体(企業)名:Bee Eco Wrap
17. デンマークデザインの竹でできた水筒

【ベトナム特集#11】竹の水筒でゼロウェイストのインフラを創り出す。デンマーク人の挑戦「not just bamboo」

ベトナムでは、プラスチック廃棄物、特に回収やリサイクルが困難な低価プラスチック廃棄物の増加が問題となっている。「not just group」は、地元企業、学校、地域社会と協力し、埋め立て地や海に廃棄される使い捨てプラスチック製品の使用の削減を目指している。
彼らは、ペットボトルの代替品として竹の一節をそのまま生かした水筒が作っている。創業者の一人であるデンマーク出身のPedersen氏は、「水道から給水できる環境を整えること」と「水筒に給水するという文化や習慣を作ること」を目指している。

さらに、再利用可能な水筒と合わせて、街中で給水できる場所が増えれば新たな使い捨てボトルを買わなくて済む。オランダの「TAP」やイギリスの「Refill」、そして日本の「MyMizu」など、給水スポットを探すサービスと一緒に使いたい。

  • 国名:ベトナム・デンマーク
  • 団体(企業)名:not just bamboo

旅・イベント×ゼロウェイスト

旅やイベントは、非日常のハレ。そんなハレの時間であっても、楽しくゴミゼロを目指すことができるアイデアをご紹介しよう。

18. 京都の祇園祭でリユース食器を導入

京都から日本の祭りに「ごみゼロ」を。50万人が参加する祇園祭でリユース食器を導入


約50万人以上が参加する日本三大祭の一つ、京都の祇園祭を舞台に、2014年から21万食ものリユース食器を導入する「祇園祭ごみゼロ大作戦」が実施されている。祇園祭ほどの規模のお祭りにリユース食器が導入されるのは日本初、世界初の試みとして注目を集めた。現在は、準備や運営にも関わりたい、2024年度のボランティアリーダーを募集中だ。

約130万人もの人が参加する大阪の天神祭でも2017年から、「天神祭ごみゼロ大作戦」がはじまったりと、祭りでもゼロウェイストの流れが広まっている。

  • 国名:日本
  • 団体(企業)名:NPO法人地域環境デザイン研究所ecotone

住宅×ゼロウェイスト

暮らしの中でごみをゼロにすることは、ハードルが高い課題である。今回は、難しそうな住宅でのゼロウェイストへの期待が持てる、未来に向けた事例を紹介する。

19.「循環」で自給自足を実現。オーストラリアから、ごみゼロの住宅プロジェクト

オーストラリア第二の都市で自給自足&ゼロウェイストを実現する住宅「Future Food System」


10か月間限定で公開されたオーストラリア・メルボルンにある自給自足の住宅が、循環型経済の理念を体現して注目を集めた。この住宅ではゼロウェイストを実現し、食糧生産やエネルギー生成が建物内で完結している。例えば、野菜を栽培し、魚やニワトリと共に生活し、雨水を利用して植物に水を与え、シャワーの蒸気でキノコを育て、排泄物を肥料に発酵させる。このように全ての副産物が有効活用され、無駄が排除されたサイクルが成り立っているのだ。この住宅プロジェクトは、都市部でも自給自足かつゴミゼロの暮らしが実現可能であることを示し、循環型経済の未来に向けた希望となった。

  • 国名:オーストラリア
  • 団体(企業)名:Future Food System(フューチャー・フード・システム)

まとめ

ゼロウェイストの社会を実現するには、ひとりの完璧ではなく、みんなで少しずつ、が基本と言われている。そこで大切なことは、「ゼロウェイストな生活は辛くて無理だ」と思う私たちの先入観をなくすことではないだろうか。人間、楽しくないことは続かないのは当たり前。だから、ゼロウェイスト活動も、「割引がある」「より安全で美味しいものが食べられる」「身の回りからゴミがなくなり気持ちが良い」など、自分にとってプラスになるものを見つけて楽しみながら取り組みたい。

以下の記事では、日常で無理なくゼロウェイストに取り組める方法やヒントについてご紹介している。

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