2020年3月25日に小池知事が記者会見で外出を控えるよう呼びかけ、4月7日に安倍総理大臣が7都府県を対象とした緊急事態宣言を発令した。この間に世間の様相がガラリと変わり、多くの人が新型コロナウイルスに対する強い危機感を持つようになった。
それにともない外食する人が激減したが、住宅地や郊外にある飲食店のなかにはテイクアウトやデリバリーの需要が増え、売り上げが伸びているところもあるという。とはいえそれも参入が増えるなか、オリジナリティを出すにはどうすればいいだろうか。
アメリカのハンバーガー屋である「Shake Shack」は4月から、自宅で同店のハンバーガーである「ShackBurger」をつくれるDIYキットのデリバリーを始めた。アメリカのShake Shackは3月半ばから、全店舗テイクアウトのみの対応になっていたが、さらにデリバリーにも力を入れる。それもただのデリバリーではなく、家でつくれるというお楽しみの要素がある点がユニークだ。
このDIYキットにはハンバーガーのパティ、パン、チーズ、ソースが8人分入っており、価格は49ドル(約5300円)だ。レタスやトマトなど他の材料は、各自で調達してほしいとのこと。ちなみにパティはアンガスビーフ100%で、ホルモン剤を使用していない。
今日本では都内などの小学校の多くが休校しており、子どもはずっと家にいることに退屈してしまいそうだ。そんなときに好物のハンバーガーを手づくりできたら、子どもも楽しく過ごせるのではないだろうか。Shake Shackはインスタグラムに、DIYキットを使ったハンバーガーのつくり方を説明する動画を投稿しており、料理の初心者にもとっつきやすい。
こうした、苦境の中でも人々を食の力で楽しませようとする企業の取り組みが顧客との絆をつくり、新型コロナが落ち着いた頃に人々はまた、店舗に足を運ぶようになるのではないだろうか。Shake Shackは今、これまでの実店舗とは違った新たな価値を顧客に提供しているのだ。
人類とウイルスの闘いは長期化し、家で過ごす時間が長くなりそうだ。暗いニュースが次々と目に入り、本を読んでも映画を観てもいつも気分が晴れるわけではないが、おいしい料理があなたの心を潤しますように。
【参照サイト】Shake Shack
※Shake Shackは日本にも10店舗以上あるが、こちらは4月13日時点の情報によると全て臨時休業している。臨時休業は当面の間続くとのことで、テイクアウトもデリバリーもしていないので注意したい。