農業でCO2は削減できるのか?コスタリカの「リジェネラティブ農業」最前線【ウェルビーイング特集 #8 再生】

Browse By

「私はいつも、農業は問題の大部分を占めていると思っていたんです。その農業が解決策の一部になりうるなんて、聞いたことがありませんでした。」

米国グリーンピース基金の元理事長であるTom Newmark氏はそういった。これまで、気候危機を深刻化させている“問題の一部”だといわれてきた従来の工業型農業は、炭素排出量のおよそ35%を占めているといわれている。

工業型農業では「農業」と「畜産」が分けられた。本来、動植物は同じ生態系の中にあるべきはずなのに、だ。また、単一の農作物のみを育てる「単一栽培」により、生態系の重要な機能を担う「生物多様性」が欠けてしまったため、農薬や化学肥料などの手間のかかる管理が必要になった。さらに、工業型農業は世界の水の70%を消費しており、このままいくと60年以内に表土がなくなるとの予測もあるほどだ。

しかしいま、これまで気候危機の原因の一部とされてきた農業が、やり方を変えれば“解決策の一部”になりうるという考え方が世界中で広がっている。

その鍵を握るのが「リジェネラティブ農業(環境再生型農業)」だ。1980年代にアメリカで有機農業の研究を行うロデール研究所によって発見され、農地の土壌をただ健康的に保つのではなく、土壌を修復・改善しながら自然環境の回復に繋げることを目指す農業を指す。世界の50億ヘクタールの農地にこの環境再生型農業を適用すれば、20年間で約150億トンの炭素を削減し、地球を産業革命以前のレベルに戻すことができるともいわれている。

環境再生型農業の最先端をいくのが、中南米に位置する国、コスタリカだ。面積わずか5万1千平方キロメートルのこの小さな国には、地球上の生物の約5%が生息するともいわれており、国土の約4分の1が国立公園や保護区に指定されているコスタリカは、エコツーリズム発祥の国ともいわれている。

そんなコスタリカでいま、環境再生型農業の教育を進めている、リジェネラティブ農場でありながらエコビレッジを運営する「Finca Luna Nueva(フィンカ・ルナ・ヌエバ)」(以下、FLN)。FLNは、25万エーカーの保護林に隣接する、中米で最初に有機(オーガニック)認証を受けたリジェネラティブ農場である。FLNは、世界中の農家に環境再生型農業を取り入れてもらうために旅を教育機会とし、農場での体験を通して学びを提供している。ゲストは家族連れだけではなく、ビジネス界や政府のリーダーも多い。

「FLNを訪れた人は、農業が気候変動の解決策になるというビジョンを持ち、それぞれの国に戻っていきます。私たちの役目は、地球を再生する農業の新時代の幕開けをもたらすことなのです。」

今回はFLNの共同所有者であり、米国グリーンピース基金の元理事長、環境再生型農業のイニシアチブ「The Carbon Underground」や「Soil Carbon Initiative」、「カリフォルニア州立大学チコ校の環境再生型農業イニシアチブ」の共同創設者を務めるTom Newmark氏に話を聞いた。

Tom Newmark氏

Tom Newmark氏

6月最新版ウェルビーイング特集バナー

オーガニックであることに満足していたFLNが、「環境再生型農業」と出会うまで

Tom Newmark氏は2012年、環境再生型農業に出会う。もともとは世界最大級のハーブ会社を経営していた彼は、有機農業に関しては世界的なリーダーの一員であった。そんな彼の考えを変えたのが、アメリカで有機農業の研究を行うロデール研究所のTim LaSall(ティム・ラサール)博士だった。

「当時、娘と研究所を訪れた私に、ティム博士はあることを話してくれました。私たちはいま、気候危機に直面していること、大気中の二酸化炭素量が深刻で、私たちにはあまり未来がないかもしれないということ。そして彼が話してくれたのは、それだけではありませんでした。私たちには、解決策があること──環境再生型農業を行えば、気候変動を止められるかもしれないということ。彼の言葉は、私をひどく驚かせました。」

もともと国際的な環境保護団体である米グリーンピース基金の理事長を務めていたほど、その長い人生をかけて環境活動に力を入れていたTom Newmark氏。彼は、気候危機に対して、太陽光発電や風力エネルギー、そして化石燃料からの脱却など、そのさまざまな解決策について”知っているつもり”だった、と語る。

「私はいつも、農業は問題の大部分を占めていると思っていたんです。その農業が解決策の一部になりうるなんて、そのときまで聞いたことがありませんでした。有機農法や家畜との輪作、不耕起栽培などの方法で野菜を育てると、その過程で発生する炭素が吸収されて土壌に戻されます。健康な土壌を作ることができれば、私たちは膨大な量の二酸化炭素を、地球に引き戻すことができる。そして地球はいま、炭素を取り戻したがっていて、まさに農業こそが、その方法なのです。ティム博士の話は私をワクワクさせ、希望を与えてくれました。」

環境問題の大部分を占めていると思っていた農業が、気候危機の解決策になりうる──そう希望を持ったTom Newmark氏は、FLNの農場に戻り、すぐさまパートナーや農家の人々と話し合いをした。「私たちの農業は、環境再生型農業ができているだろうか?」と。

「私たちは、自分たちがオーガニックであることに満足していました。しかし、それだけでは不十分だったのです。実際に、FLNの土壌中の炭素濃度を調べてみました。その結果、私たちの畑は生態系にダメージを与えていたのです。そう、隣の手付かずの牧草地は、私たちの畑よりも良い土壌でした。つまり、長い年月をかけて私たちは、農業によって土壌を傷つけていたのです。」

「農家とは何か」「食料を生産するとはどういうことか」を再考したFLN。世界中の大学や、農家の代表がFLNの農場に集まり、環境再生型農業の研究が始まったのである。環境再生型農業を推進する主要な組織のひとつリジェネレーション・インターナショナルの設立も、このFLNから始まっている。

「人々はよく、有機農業と環境再生型農業を混同させてしまいます。有機農業は、基本的に規制されたプロセスであり、自分の農場で何を使っていいか、何を使ってはいけないかを決めることはできません。一方で環境再生型農業では、最終的に生態系にどのような影響を与えるかという、『実際の結果』が重要です。」

FLNでは、環境再生型農業を行うと同時に、いまでも有機農業を行っている。目指すのは、農業を通して気候危機を止めることだ。FLNでは、最終的には環境再生型農業を通じて、年間30トンの炭素を削減することを目標にしている。

Finca Luna Nueva

Image via Finca Luna Nueva

「バイオダイナミック農業」だけでなく、「シントロピック農業」を導入

FLNでは、設立当初よりドイツのルドルフ・シュタイナーの教えに基づき、「バイオダイナミック農業」と呼ばれる有機農法に取り組んでいる。バイオダイナミック農法とは、地球や生物のエネルギーの循環に沿った農法で、「理想的な農場はそれ自身で完成した個体である」というシュタイナーの思想に基づき、化学肥料や農薬を使用しないことに加え、太陽の動きや月の満ち欠け、天体、地球と植物のリズムに合わせて作物を栽培する、宇宙の自然のリズムに合わせた農法である。もともとFLNは、農業という人間としての活動を、自然のリズムに合わせて行うこのバイオダイナミック農業を取り入れていた。

しかしあるときFLNでは、土壌のフザリウムというカビが原因で作物の全滅率が80%にまで達してしまい、観光活動にシフトしていた時期があった。従来のバイオダイナミック農法だけでは栽培がうまくいかないことを目の当たりにしたFLNは、農園に新しいアプローチが必要だと考えた。その時期に加わったのが、パーマカルチャーデザインのコンサルティングを行う、Porvenir Designのチームだった。Porvenir Designチームは、森林生態系を模倣したシステムを構築する「シントロピック農法」をFLNでスタートさせたのだ。

Finca Luna Nueva

Image via Finca Luna Nueva

シントロピック農業とは、主にブラジルで開発・普及されている、プロセスベースの農業形態で、アグロフォレストリー(森林農業)の大きな領域の一分野である。路地栽培や間作、木の作物をベースにした農業など、既存のコンセプトを統合し、より具体的に地域の原生林が持つ生態系の空間的、時間的関係に近づける農法だ。

最終的には元の森林を模倣することで、従来の森林のエコシステムを実現する。このシントロピック農法が、環境再生型農業への革新的なアプローチであり、劣化した土壌の生物多様性を回復させるという。

Finca Luna Nueva

Image via Finca Luna Nueva |システムは主にカカオの作物に合わせて設計されている。カカオを中心としたA畝は、斜面頂上付近の最初の等高線から平行に、かつ5メートル間隔で配置。その間にB列、A-B列の間にC列を配置。

環境再生型農業の鍵は「生物多様性」

コスタリカは、環境再生型農業に最適な場所だ。100以上の火山と豊かな土壌があり、一年中温暖で雨量も多い熱帯雨林なので、もともと生物多様性が整っている。

そんなコスタリカにあるFLNの農場には、さまざまな植物が20種類以上植えられている。よく見る耕作された農場とは違って、これこそが熱帯雨林で食物を生産する方法なのだという。

Image via Finca Luna Nueva

Image via Finca Luna Nueva

「環境再生型農業の鍵は、生物多様性です。環境再生型農業を取り入れるにあたり、私たちの農場で育てる農作物も変わりました。以前は生姜とウコンだけでしたが今では、バニラ、ブラックペッパー、チョコレート、シナモンなど、さまざまなスパイスを栽培しています。なぜなら、効果的な再生のためには、違う高さの葉で、異なるレベルの太陽光を吸収する必要があるからです。また、植物は異なる深さに向かう植物を通して、糖分を土に流し込み、土の中にいる微生物のえさにするのです。これにより、温室効果ガスを大気に放出するのではなく、土壌に留める丈夫な根っこを育てています。」

環境再生型農業は、地球だけではなく農家にもメリットが多いという。

「自然の無限の力を借りることで、あまり多くの労力をかけずに食べ物はより健康的で、栄養価が高いものになります。適切な栽培システムであれば、食品はより多くのタンパク質や抗酸化物質などの栄養素を含むという実験結果もある。つまり環境再生型農業によって、農家の収入も増えるわけです。」

「さらに、化学農薬を買う必要もありません。土壌が健康的な状態に戻ることで生産コストが下がり、収穫量も増える。特に、干ばつや豪雨などの気候変動の影響を受けたときには、健全な土壌がレジリエンスを高めてくれます。つまり環境再生型農業は、農家にとっても料理人にとっても、家族、地球にとっても良いことなのです。」

環境再生型農業に移行するには、政府や大企業のサポートが大切

農家の収入も増えて環境にもいい、良いこと尽くめな環境再生型農業であるが、果たしてそれは誰もがすぐに実行できるものなのだろうか。「従来の慣行農業から環境再生型農業に移行するには時間がかかります。」と、Tom Newmark氏は語る。

「慣行農法を何年も続けていると土壌がダメージを受け、中の有機物や微生物が減少している可能性があります。従来の慣行農法を行った土地で環境再生型農業を始めようとすると、生物や土壌の働きを取り戻すのに3〜4年かかるといわれています。そのため最初の3〜4年は、忍耐強くなければなりません。」

「アメリカでは現在、土壌に炭素を蓄えることで農家に支払いが行われる制度があります。また、世界最大の食品会社であるウォルマートなどでは、再生可能な方法で栽培された食品を求め、農家の移行を積極的に支援しています。政府や大手企業が環境再生型農業への移行をサポートすることが重要なのです。カリフォルニア州立大学の環境再生型農業センターや、ロデール研究所などでも環境再生型農業の教育を支援しているで、ぜひアクセスしてみてください。」

旅を「教育機会」にするリジェネラティブ・トラベル

「バケーションは喜びと楽しさだけではなく、希望を与えてくれるものでもあるべきです。FLNで提供しているのは、希望です。私たちの農場に来れば楽しい冒険ができ、食べ物はおいしい。そして、自然は美しい。しかしそれだけではなく、次世代のために豊かで健康的な未来を創ることができる新しい農業のあり方を見て学ぶことができます。つまりFLNは、喜びと希望が出会う場所なのです。」

FLNでは、人々の習慣やライフスタイルを変える手段として、「体験」が鍵を握ると考えられている。農場に併設されているエコロッジのレストランやバーは「Farm to table」で、使用される食材の60%が自家栽培のものだ。それ以外の食材も、地元で採れたものを採用している。

レストラン

レストラン Image via Finca Luna Nueva

牛には、加工された穀物ではなく、タンパク質を多く含む植物が与えられ、より栄養価の高いミルクやヨーグルト、アイスクリームができる。さらにFLNの果物や野菜は、化学農薬が使用されていないため、豊かな風味と食感が特徴である。FLNの食事を一度味わえばその美味しさに驚かされ、環境再生型農業のメリットを実感することができるだろう。

用意されている農場ツアーでは、牛の乳搾りから、チョコレートの実やバニラ、ブラックペッパーなどの収穫体験ができる。

ツアー

Image via Finca Luna Nueva

Image via Finca Luna Nueva

Image via Finca Luna Nueva

また、アマゾン最大級であるFLNの熱帯雨林には、ジャガー・クマ、ジャングル・キャット、何千何万種類もの蛾や蝶、何百種類もの鳥類や爬虫類が生息しており、生物多様性を見て感じることができる。FLNは在来鳥の生息地の再生にも取り組んでおり、地元の竹を使った観測塔も建設された。

コスタリカの言葉「Pura vida」から学ぶ、ただ人が、人らしく生きること

「これ以上美しい国はない──そう思うほどだよ。」

コスタリカに対して、Tom Newmark氏はそんな言葉を漏らした。「コスタリカは素晴らしい国です。軍隊はありませんし、中南米で最も生活水準の高い国のひとつです。環境保護におけるリーダー的存在で、コスタリカの国土の約25%が保護されており、生態系を守るための政策で世界をリードしています。」

「北アメリカと南アメリカ、そして大西洋と太平洋をつなぐ小さな細い陸地が、コスタリカです。つまり、すべての大陸と海の接合点であり、多くの生命がコスタリカを通過して生息する、生物多様性のホットスポットと呼ばれています。コスタリカの人々や政府がコスタリカの土地を守ることは、地球上の生物多様性を守ることに貢献しているということです。」

Image via Finca Luna Nueva

Image via Finca Luna Nueva

さらにコスタリカは、人々が幸せなことでよく知られている。各国の平均寿命、人生の満足度、エコロジカル・フットプリントのデータを基に、「消費される環境資源量当たりに生じる人間の幸福の度合い」を評価している「世界の幸福度指数(Happy Planet Index)」でも、コスタリカは世界で最も幸せに暮らせる場所のひとつだと考えられている。

「コスタリカには、『Pura vida(プラピダ)』という『純粋な人生』を意味する言葉があります。コスタリカの人に、朝はどうだった?調子はどうだい?と聞くと、答えは『Pura vida』と返ってくるでしょう。この言葉は、コスタリカの生活の本質を捉えています。人々は純粋な人生──ただ人が人らしく生きることを、謳歌しているのです。水、太陽、食べ物、そして自然に対する正しい姿勢。コスタリカの人々は、とてもシンプルです。」

「FLNは、そんなコスタリカにある大自然との調和のためにあるのです。」と、Tom Newmark氏はいう。FLNでは、ヨガやヒーリングなどのリトリートを定期的に開催しており、エコロッジにはテレビもない。

「妻も私も、瞑想を実践し、また教えてきました。私たちはバイオダイナミック農法を取り入れていますが、大切にしているのは、自然とつながるだけでなく、自然の中にある静かな無制限のものとつながることなのです。そして外側の自然ともつながると同時に、自分の内側にある自然ともつながります。もし人々が自分の内なる自然とコンタクトを取りたいと思っているのであれば、FLNが、そのための完璧な環境であることは間違いありません。いま、多くの人が『自然欠乏症候群』と呼ばれるものに苦しんでいます。FLNは、その治療法ですね。自然とつながる瞬間それこそが、私たちが幸せを感じるときですから。個人レベルで人々が幸福でいられることができれば、それは大気中に放出され、世界全体がより健康でいられるのではないでしょうか。」

Image via Finca Luna Nueva

Image via Finca Luna Nueva

大切なのは、自分の環境にあう方法を、「自分自身」で見つけること

「有機栽培やバイオダイナミック農法など、これはあくまでも私たちが実践してきたことです。私たちは決して、やり方を押し付けて農家を制限したいわけではありません。世界には約5億の農場があり、20億人以上の農家が働いていますが、私たちが特定のやり方を指示することはできません。私たちは、農家の方々が自分の農場や環境を熟知した上で、生態系の回復を最適化することを奨励しています。みんながFLNの農法を真似るのではなく、世界中の農家が自らのサクセスストーリーを発信していくことで、同じような環境の農場の良いモデルとなるのではないでしょうか。」

大切なのは、誰かから教えられたことをそのまま真似るのではなく、「今度は自分の場所で、それを行うにはどうしたらいいのか?」と、自分自身で自問自答することなのだ。Tom Newmark氏が気候変動を止めるために、これからの世界に対して望むものも、それと同じだ。

「正解はいつも、ひとつではありません。正しい文化が1つだけだとも思いません。私たちはみんな、数々の共通項を持ち団結していますが、人類の歴史を振り返ると、何千もの言語、何千もの文化、何千もの宗教、何千もの生き方や組織のあり方がありました。答えは、さまざまな生態系の中にいる人々が、その生態系とのつながりや、自分たちの過去とのつながりの中で、さまざまな組織化の方法や、異なる物語、宗教、経済の中から考え出すということなのかもしれません。私が望むのは、世界中のすべての人々が、自分たちの関係や文化を発展させる自由を持つことです。そして、私たちはそうした異なる文化を尊重すべきです。もしこのビジョンに共通項があるとすれば、食料生産と経済の両面で社会が再生可能であることでしょう。地球を破壊するような国が、あってはなりません。」

「多様性や、違いを歓迎すること──それは美しいことではありませんか?私は人々に『あなたはこうしなければならない』というためにここにいるのではありません。私が『こうすべきだ』だと誰かにいうよりも、世界中の人々が『こうしている』という話を聞きたいのです。私は、日本の皆さんとも一緒に、世界の再生の一部になりたい。いまからでも、決して遅くはありません。可能性がある限り、私たちは行動を起こさなければなりません。豊かで喜びに満ちた未来を、共に祝福するその時を、一緒に見たいのです。」

Finca Luna Nueva

Image via Finca Luna Nueva

編集後記

コスタリカで大切にされている、「Pura vida(純粋な人生)」という言葉。ただ人が人らしく生きることを謳歌するコスタリカの人々が、そのために人間と自然との関係を結び直していくことが必要だと考え、再生可能農業を取り入れていることが、すごく自然なことに思える。

Tom Newmark氏の話は、希望であふれていた。これまで問題とされてきた農業が、解決策の一部になりうるということ、そんな希望を求めて、たくさんの世界中の農家やビジネスリーダーたちがFLNに再生可能農業を学びに訪れているという事実。私たちは今まさに、自然との関係を取り戻そうとしているのだ。

そして、彼が強調したように、地球を救う解はひとつだけではない。FLNが最初に環境再生型農業を始めたとき、自分たちの土壌調査をすることから始めていた。見て、聞いて、体験し、そして自分の場所に戻ってきたとき、まずは「知ろうとすること」がスタートになる。自分たちの土地のリズムを知り、そのリズムに人間の活動を合わせていくこと。それこそが、地球を再生させていくことにつながっていくのだ。

【参照サイト】 Finca Luna Nueva
【参照サイト】 Syntropic Agriculture: Cacao, Costa Rica, Case Study(Porvenir Design)
【参照サイト】 RegenerativeAgricultureand the SoilCarbonSolution(RodaleInstitute)
【参照サイト】 The CarbonUnderground
【参照サイト】 Soil Carbon Initiative
【参照サイト】 Regeneration Internationa

「問い」から始まるウェルビーイング特集

環境・社会・経済の3つの分野において、ウェルビーイング(良い状態であること)を追求する企業・団体への取材特集。あらゆるステークホルダーの幸せにかかわる「問い」を起点に、企業の画期的な活動や、ジレンマ等を紹介する。世間で当たり前とされていることに対して、あなたはどう思い、どう行動する?IDEAS FOR GOODのお問い合わせページ、TwitterやInstagramなどでご意見をお聞かせください!

ウェルビーイング特集に関する記事の一覧

FacebookTwitter