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集改札ストとは・意味

集改札ストとは?

主に鉄道会社に勤める労働者が行うストライキの一種。降車する乗客の切符を回収する「集札」と、「改札」の業務のみ放棄することが特徴だ。乗客を無料で電車に乗せることで、乗客が不便を被ることなく、会社の経営にのみ打撃を与えることができる。

集改札ストを行うメリット

通常、ストライキは全ての業務を停止して抗議するイメージがあるが、鉄道のように交通網の要を握る会社がこれを行うと、乗客への打撃が相当大きい。鉄道がダメなら他の手段で、という代替案もなかなか無いからだ。

ストライキはあくまでも会社への抗議が目的であり、乗客を困らせることは本意ではない。そこで集改札に限定したストライキを行うことで、乗客にとってはむしろ嬉しい事態になり、なんならストライキへの肯定的な世論も生まれるかもしれない。「電車を動かせ」という世間からのブーイングを受けるリスクが無い、賢い方法である。

バスもあり。オーストラリアと岡山のケース

一昔前は近鉄労組などが常套手段として行っていた集改札ストだが、自動改札の普及とともに廃れていった面もある。だが似たようなストライキは今も世界で行われており、2017年には、オーストラリアのバス会社に勤務する労働者がバス版の集改札ストを行った。会社側との賃金交渉で揉めた結果の、曜日限定で乗客から運賃を集めないストライキである。

日本では、2018年4月に岡山県を中心にバス事業を展開する両備グループの「両備バス労働組合」が、競合事業者の新規参入に伴う労働者の賃金低下や雇用不安の解消を訴えて集改札ストを行った。バス内には、「運賃無料」を知らせる張り紙が貼られたようだ。

当初は、バスの運行を休止するストライキの予定であった。しかし会社側が今後3年間は賃下げせず、益野線の認可取り消しを目指すと約束したことや、利用者への影響を考えて集改札ストへと切り替えたという。

狙いは短期決戦か

集改札ストのネックを挙げるとすると、運賃を受け取らないのだから当然売り上げが立たず、ひいては、ストライキを行う人たちは無償で労働力と時間を提供していることになる。そこは心意気でやる、ということなのか。

オーストラリアのバスのように日を限定して行う例もあり、本腰据えて長期戦で粘るという戦法ではないのかもしれない。経営側もどんどん損失が重なっていっては、悠長にしてもいられないだろう。労働争議は心理戦である。

【参照サイト】岡山・両備労組が集改札ストへ 運賃無料状態にして会社側へのダメージを狙う 「地域の不安考慮」

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