アース・オーバーシュート・デー(Earth Overshoot Day)とは・意味
アース・オーバーシュート・デーとは?
私たちがその年に利用できる地球の自然資源を使い果たす日を示す重要な指標を、アース・オーバーシュート・デー(Earth Overshoot Day)という。この日は、私たちの消費が地球の再生能力を超え、持続可能な資源利用の範囲を超えたことを示す。
アース・オーバーシュート・デーは毎年異なる日に設定され、その日が早いほど、私たちの資源利用が持続可能性を脅かしていることを意味する。環境問題に対する警鐘を鳴らし、より良い資源管理と環境保護への取り組みを促進するための重要な日である。
具体的には、その年の自然資源と生態系サービスの使用が、地球が1年間で再生できる量を超えた時点を指す。例えば、食料、水、エネルギー、木材などの消費が、地球の再生可能な供給能力を上回る時期に設定される。この日の算出には、全世界のエコロジカル・フットプリント(人間の資源消費と廃棄物の量)と地球の生物的生産力(地球が持続的に供給できる資源量)との比較が用いられる。
(地球のバイオキャパシティ/人類のエコロジカルフットプリント)×366 = アース・オーバーシュート・デー
アース・オーバーシュート・デーの設定は、国際的な組織「Global Footprint Network」によって行われており、世界中でのリソース使用と再生能力のバランスを評価し、持続可能な未来に向けた意識を高めることを目的としている。
私たち人間は、モノを生産したり、経済活動を行ったりするために地球の資源を使っているが、これらの資源は無限ではない。地球が再生できる資源の量を超えて使ってしまうと、資源は枯渇してしまう。これを銀行口座に例えると、通常は利子だけで生活するべきなのに、アース・オーバーシュート・デー以降は「元本」に手をつけて「赤字状態」で過ごしているようなものだ。
年々早まる「アース・オーバーシュート・デー」
世界全体のアース・オーバーシュート・デー
このアース・オーバーシュート・デーは、世界全体、またほとんどの国において、1970年代以来、年を追うごとに日付が早まっている。
Global Footprint Networkによると、過去10年のアース・オーバーシュート・デーは以下の通りだ。
2024年8月1日
2023年8月2日
2022年8月1日
2021年8月3日
2020年8月16日
2019年8月3日
2018年8月1日
2017年8月5日
2016年8月9日
2015年8月7日Global Footprint Network「Past Earth Overshoot Days」より
国別のアース・オーバーシュート・デー
もちろん、国や地域によって資源の使い方には違いがある。資源を使い過ぎている地域もあれば、比較的少ない地域もある。各国の地球環境への負荷を示すエコロジカル・フットプリント(※)に基づいて、国別のアース・オーバーシュート・デーも毎年発表されている。
国別オーバーシュートデーとは、その国の人々が消費する資源と同じように消費した場合に、アース・オーバーシュート・デーがその国でいつになるかを示す日である。この日は毎年1月1日に発表され、最新の「国家フットプリントと生物的生産力の帳簿」に基づいて計算される。2024年の国別オーバーシュートデーは、2023年版のデータに基づいている。
2023年版のデータは1961年から2022年までのものであり、2020年から2022年のデータは実際のデータと予備的な推定値の混合に基づいている。予備的な推定値は最終的なものではなく、2020年までのデータよりも信頼性が低い。
例えば、スイスの2024年オーバーシュートデーは2022年のデータに基づいている。2022年のスイスのエコロジカル・フットプリントは1人あたり3.74グローバルヘクタールで、地球全体の生物的生産力は1人あたり1.51グローバルヘクタールだった。このため、スイスの生活水準で地球全体を支えるには2.5個の地球が必要である。2024年がうるう年のため、スイスのオーバーシュートデーは5月27日になる。
ただし、すべての国にオーバーシュートデーがあるわけではない。エコロジカル・フットプリントが地球全体の生物的生産力より小さい国では、オーバーシュートデーは存在しない。これらの国は「なし」と表示されるか、データ表から除外される。
日本のアース・オーバーシュート・デー
最新のデータによると、日本のオーバーシュートデーは2024年7月31日である。この日付は、日本がその年に利用できる地球の資源を使い果たした日を示している。つまり、2024年の日本の消費が持続可能な範囲を超えたのは7月31日であり、この日以降は、地球の再生可能な資源を「借金」している状態にあることを意味する。
先進国である日本の最近のオーバーシュート・デーは、例年5月から7月の間に設定されている。高い消費水準と生活様式の影響で、資源の消費量が多いため、他国と比較しても早い傾向にある。
世界で進む、#MoveTheDateキャンペーン
こうしたアース・オーバーシュート・デーを遅らせることを目指すキャンペーン#MoveTheDate(ムーブ・ザ・デート)が今世界で進んでいる。このキャンペーンの主な目的は、地球が再生可能な資源を使い果たす日をできるだけ遅くすることにより、持続可能な未来を実現することである。#MoveTheDateは、そのために、消費の見直しや環境保護の行動を促進するものだ。
このキャンペーンは、個人や企業、政府に対して持続可能な行動を取るよう呼びかけており、具体的にはエネルギー効率の改善や再生可能エネルギーの使用促進、リサイクルの強化などを提案している。また、SNSやメディアを通じて広く情報を発信し、環境問題に対する意識を高める活動も行っている。環境保護の重要性を啓発するだけでなく、実践的な行動を促すことにより、社会全体での変化を促進させている。
さらに、#MoveTheDateはイベントやワークショップの開催を通じて、参加者に持続可能な生活の重要性を伝えるとともに、政策提言を行い、政府や企業に対してより環境に優しい方針の推進を働きかける。これにより、持続可能な資源管理と環境保護が一層進むことを目指しているのだ。
各国の消費パターンによってアース・オーバーシュート・デーの日付は異なり、一般的に先進国では早い時期に設定される傾向がある。過去数十年で毎年早まっているアース・オーバーシュート・デー。気候変動や生物多様性の損失など、さまざまな環境問題への対応が急務だ。
※ 私たちが消費するすべての再生可能な資源を生産し、人間 活動から発生する二酸化炭素を吸収するのに必要な生態系サービスの総量を「エコロジカル・フットプリント(EF)」という。
【参照サイト】EARTH OVERSHOOT DAY
【参照サイト】Global Footprint Network
【参照サイト】WWF 地球1個分の暮らしの指標
【参照サイト】WWF 最も早い到来!2019年の「アース・オーバーシュート・デー」は7月29日
【参照サイト】えいごライフ「オーバーシュート(overshoot)の本当の意味とは?」
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- IIRC(国際統合報告評議会)
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- InsurTech(インシュアテック)
- Internet of Abilities(能力のインターネット)
- Internet of Animals(動物のインターネット)
- Internet of Behavior(行動のインターネット)
- Internet of Customers(顧客のインターネット)
- Internet of Human(ヒトのインターネット)
- Internet of Skills(スキルのインターネット)
- Internet of Things(モノのインターネット)
- IPCC
- ISSB
- IUU漁業
J
L
- LAC(Living Anywhere Commons)
- LCA(ライフサイクルアセスメント)
- LEAPアプローチ
- LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)
- Learning by doing
- Less is more
- Life-Centered Design
- LOHAS(ロハス)
M
- MaaS(Mobility as a Service)
- MAPA(Most Affected People and Areas)
- MENA(ミーナ)
- Medtech(メドテック)
- MDGs(ミレニアム開発目標)
- MSC認証
- MtF(Male to Female)
N
O
P
Q
R
S
- SaaS(Software as a Service)
- 里山イニシアチブ
- SASB
- SBT(Science Based Targets)
- SBTs for Nature(Science-Based Targets for Nature)
- SDGsウェディングケーキ
- SDGsウォッシュ
- SFDR
- Shecession
- Shecovery
- SOGI(ソジ)
- SPO(Sustainable Public Equity Offering)
- STEAM教育