アース・オーバーシュート・デー・とは

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人類による「地球の使い過ぎ」状態に警鐘を鳴らすように毎年発表されているのが、「アース・オーバーシュート・デー」。
その年に使用可能とされるのすべての地球資源を使い果たす日であり、具体的には、人類による自然資源の消費が、地球が持つ一年分の資源の再生産量とCO2吸収量をオーバーシュートした(=超過して使用した)日のことである。
「オーバーシュート(英語で”overshoot”)」は日本語で「通り越す、行き過ぎる」と訳され、まさに人類による行き過ぎた資源の消費を表している。
資源が枯渇、「赤字」状態の世界
私たち人間は、常にモノを生産し、経済活動を行うために地球の資源を消費しているが、それら資源は無限にあるわけではない。地球が再生産する量を超えて人間が消費活動を行えば、当然、資源は枯渇してしまう。銀行口座に例えると、人々は本来は利子だけで生活していくべき状態にもかかわらず、アース・オーバーシュート・デー以降は「原資」に手を付け、「赤字状態」での生活をしていくということになる。
もちろん、国や地域によって消費の度合いには違いがあり、資源を使い過ぎている地域があれば、反対に消費活動が穏やかな地域もある。それぞれの国における人類の地球環境への負荷を数値化したエコロジカルフットプリント(※1)をもとに、国別のアース・オーバーシュート・デーも毎年発表されており、日本のそれは例年、世界全体におけるアース・オーバーシュート・デーより数か月(2~3カ月)ほど早い。2020年は5月12日、すでに2020年に使うことができる資源のすべてを使い果たしてしまった。
年々早まる「アース・オーバーシュート・デー」
このアース・オーバーシュート・デーは、世界全体、またほとんどの国において、1970年代以来、年を追うごとに日付が早まっている。カタールやアラブ首長国連邦、バーレーンなど中東地域の多くやアメリカでは、2月から3月にすでにオーバーシュートしているが、ニジェールやミャンマー、キルギスタンなど、12月にオーバーシュート予定の比較的消費の少ない国によって、世界全体のオーバーシュートは例年7月から8月になっている状態だ。現在経済開発が盛んに行われている国々や先進国の多くで見られる消費形態が世界中に広がっていけば、世界の資源はあっという間に枯渇してしまうだろう。2019年のデータでは、世界のすべての国が日本のような消費行動をとれば2.8個、アメリカのようなになれば地球が5個必要とされている。
持続可能な社会のために私たちに何ができるだろう?
今、世界中で持続可能(サステナブル)な社会の重要性が叫ばれている。CO2の削減や環境への負荷の減らすことが求められ、様々な分野で環境に配慮した取り組みが行われている。世界全体で経済活動のあり方を考え直していくことはもちろんだが、私たち一人一人もその責任ある一人の人間として生活スタイルや行動を見直すことが必要ではないだろうか。日々の生活の中でプラスチックの利用を控え、マイバックやマイボトルなど再利用できるものを取り入れることや、毎日使うインターネット検索サイトをEcosiaに変えてみるなど、身近で簡単に出来ることから始め、環境への負荷を減らすためのアクションを起こしていきたい。
(※1)私たちが消費するすべての再生可能な資源を生産し、人間 活動から発生する二酸化炭素を吸収するのに必要な生態系サービスの総量を「エコロジカル・フットプリント(EF)」という。
【参照サイト】EARTH OVERSHOOT DAY
【参照サイト】Global Footprint Network
【参照サイト】WWF 地球1個分の暮らしの指標
【参照サイト】WWF 最も早い到来!2019年の「アース・オーバーシュート・デー」は7月29日
【参照サイト】えいごライフ「オーバーシュート(overshoot)の本当の意味とは?」
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