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HSP (Highly Sensitive Person)とは・意味

HSP

Image via Pixabay

HSP (Highly Sensitive Person)とは、繊細で敏感、感受性が豊かな気質を持った人のこと。1996年にアメリカの心理学者エイレン・N・アーロン博士が提唱した。HSPには、様々なことに気づきやすく、外部からの刺激に人一倍敏感に反応するという特徴があり、「人ごみで疲れやすい」「些細なことが気になって考え続けてしまう」といった困りごとを抱えてしまいがちだ。一方で、感性が豊か、物事を深く考えられる、一つ一つの事象を深く味わうことができる、共感能力が高く人の気持ちに寄り添える、といった特長も持ち合わせている。

HSP気質を生み出す原因は、人間の脳にある2つの回路(行動活性システムと行動制御システム)のバランスだと考えられている。また、HSPが遺伝するかについては、どちらともいえないところだという。気質は周囲の環境に影響を受けるものであり、いま持つ敏感さが遺伝的なものなのか後天的なものなのかを判断するのが難しいためだ。

HSPは病気ではなく「気質」であり、現代においては5人に1人がHSP気質を持っていると言われる。HSP気質と「闘う」、というよりも、「理解し、上手に付き合う」ことを考えていく姿勢でいる必要があるだろう。

HSPの特徴「DOES」

以下の4つの頭文字をとった「DOES」は、HSP気質の人に当てはまる4つの面(特徴)を示している。

D:Depth of processing(深い処理ができる)
O:Overstimulated(刺激を受けやすい)
E:Emotional reactivity and high Empathy(感情的に反応しやすい・共感力が高い)
S:Sensitivity to subtleties(些細な刺激に対する感受性)

DOESの特徴がすべて当てはまる、自分もHSPかもしれない……そんな人は、セルフ診断テストを試してみるのも良いだろう。

アーロン博士のHSP診断セルフテスト

注意したいのは、HSPと一口にいってもどういう特性を持ち合わせるかは人によって違うということだ。HSPのなかには内向的なタイプだけではなく外交的なタイプの人もいる。また、どの感覚が鋭いかも人によって異なるし、聴覚が優位な人のなかでも「苦手な音」「大丈夫な音」がまったく違うということも多い。反対に言うと「その人なりの対処法」というものを見つけることが、HSP気質と上手に付き合うことにつながるということだ。

HSPの生きづらさ

外部からの刺激や情報を敏感にキャッチし、他の人が見落としがちな細かい点にいちはやく気が付くHSPは日常生活のなかで困りごとを抱えることも少なくない。それゆえに、生きづらさを抱えている人も多いようである。

<HSPが抱えがちな悩み>
・疲れやすい
・痛みに敏感
・周囲で怒鳴られている人がいると(自分が怒鳴られているわけではないのに)とても落ち着かない気分になる
・落ち込んでいる人の雰囲気につられて自分まで落ち込んでしまう
・細部が気になってしまい、仕事がなかなか進まない
・相手の気持ちを優先しすぎてしまう
など

繊細さは、克服すべき課題ではなく「大事な性質」

自身もHSPであるHSP専門カウンセラーの武田友紀氏は、著書のなかでHSP気質を持つ人のことを「繊細さん」と呼んでいる(※「繊細さん」の名付け親は、武田氏が長年世話になっていたというコーチングコーチの山口由起子氏。武田氏がホームページ立ち上げや書籍出版等の際に山口氏に相談し、「繊細さん」という呼称を使うことになった)。Highly Sensitive Personは直訳すると「繊細すぎる人」とネガティブにとられがちな訳になってしまうが、親しみをこめた「繊細さん」という呼び名を使用することで「繊細さは弱点ではなく良さ」だと発信したのだ。

彼女は、著書のなかで「繊細さん」に向けて「自身の感覚を鈍らす」のではなく「苦手な刺激から身を守る」ことを薦めている。これは、感覚を鈍らせれば苦手な刺激を感じなくなるかもしれないが、同時に素晴らしい感受性までも鈍らせることになってしまう、という考えからである。

<HSP・繊細さんの良さとは?>
・一つの物事を深く味わえる
・物事の本質について考えられる
・人の困りごとや、それをどうすれば解消できるかに気がつきやすい
・直感が鋭い
・ささやかな喜びを探すのが上手
・小さな優しさに気づくことができる
など

具体的には、視覚情報が強く入ってきてしまう人なら「伊達メガネをかける」、嗅覚が鋭い人なら「マスクや自分の好きなアロマを持ち歩く」などの方法で自分の感覚を守ることを推奨している。

自分自身の特性を捻じ曲げてでも「普通」に合わせよう、とするのではなく、周りの環境を自分が生きやすいように調節しようとする考え方は、HSPだけでなくすべての人に適応できるものなのではなかろうか。 

【参照サイト】The Highly Sensitive Person (アーロン博士WEBサイト日本語版) 
【参照サイト】繊細の森 | HSP専門カウンセラー・武田友紀ホームページ
【参考文献】武田友紀、『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』、飛鳥新社、2018
【参考文献】上戸えりな、『HSPの教科書【HSPかな?と思ったら読む本】』、クローバー出版、2019

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