気候時計（Climate Clock）とは？

気候時計（Climate Clock）とは、温暖化が進み、地球が限界をむかえてしまうまでの残り時間を示したもの。地球の平均気温が1.5℃上昇し、気候変動による負の影響から取り返しがつかなくなってしまうまでのタイムリミットを伝えるものである。

カウントダウンが刻々となされていく時計を見ることで、気候危機を自分ゴト化し、1人でも多くの人の行動変容につなげようとするユニークなアクションであり、これまでにニューヨーク、ソウル、ローマ、グラスゴー、ベルリンなどで、モニュメント型の気候時計が設置された。

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2023年1月19日現在の気候時計は、「6年184日」を指している。

ニューヨークの気候時計ができるまで

気候時計のスタートは、ニューヨーク市マンハッタンのユニオンスクエア。巨大電光掲示板に映し出された10桁の数字が、地球の限界までのタイムリミットを示したことをきっかけに、世界中に気候時計の存在が広まった。

気候時計を考案したのは、気候変動活動家や科学者などが集結した「Climate Clock World」だ。2019年にベルリンに設置された、「Berlin Carbon Clock」（＝温暖化による気温上昇を1.5℃から2℃に抑えるために、残された二酸化炭素の排出量を可視化したもの）などからヒントを得た。

アイデアを実現するためには時間と苦労を要した。国連で時計を投影する取り組みは、環境活動家のグレタ・トゥーンベリ氏も賛同したが、叶わなかった。その後、ニューヨークですでに世界的に有名だった時間の彫刻、メトロノームのアーティストに提案をしたところ意気投合し、市長らの支援も受けられることに。2020年9月19日に世界初の気候時計の設置が実現した。

この時計は、40カ国450のニュースメディアに取り上げられ、ワシントンポスト紙では、160万人以上が「いいね！」をした、歴史上最も人気のあるオンライン投稿となった。

反響は大きく、瞬く間に気候時計を自分の国にも作りたいと言った声が続々と届いた。気候時計の設置は、単なるモニュメントではなく、「ムーブメントを起こした」のである。

Z世代が立ち上がって実現した日本の気候時計

気候時計を広める取り組みは、日本でも行われた。20歳以下のZ世代4人で結成された「a(n)action」と株式会社SEAMESが共同で、渋谷に気候時計を複数設置。「気候変動アクションを当たり前に！」を掲げて2021年12月にクラウドファンディングを開始した。支援金額は1,300万円を超え、目標の1,000万円を大幅に上回った。

日本にある気候時計「Climate Clock」はモニュメントではなく、小型や中型のもの。観光案内所や飲食店など、渋谷の街中のさまざまな場所に設置されている。「Climate Clock」を1日に何度か見かけることで、より興味を持ってもらいたいという思いが込められている。

「Climate Clock」にはQRコードがついており、「日本政府にもっと気候変動対策してほしい」というボタンをクリックすることで、誰でも簡単にアクションができる仕掛けになっている。共感数が1万人を超えるごとに環境省に通知がいく取り組みは、元環境大臣の小泉進次郎氏も賛同している。

気候時計のムーブメントに加わるには

「Climate Clock World」のWebサイトには、モニュメント型、置き型、Web型の3種類について気候時計を設置する方法が書かれている。

Climate Clock Worldへ連絡をし、正式なライセンスを取得してから市や政府へ提案することができる

現在、生産を拡大している最中。DIYを見ながら自分で作成することも可能

HTMLを追加するだけで、デジタルの気候時計を表示できるので、サイトの訪問者に喚起を行うことが容易くできる

まとめ

気候時計は一過性の話題で終わってはならない。1人ひとりが気候変動の深刻さや残された時間を自覚し、行動につなげることまでがゴールである。しかし、実際に数字を目にすることで焦ったり、気が滅入ってしまったりすることもあるだろう。

「できる人が、できることを、できるだけ」

大切なのは、自分に合った方法で小さなアクションから起こすことだろう。

【参照サイト】MCC　That’s how fast the Carbon Clock is ticking
【参照サイト】 CLIMATE CLOCK　Our Story
【参照サイト】KEEN あと、7年足らず？Z世代のアクティビストが気候危機のタイムリミットを示す気候時計を設置

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