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コミュニティ投資とは・意味

輪になる人々

コミュニティ投資とは?

コミュニティ投資(community Investment/community investing)とは、地域社会の活性化や地域の課題解決を目的とした投資である。金融機関の融資を受けにくい社会的弱者や低所得者層等、支援が必要なコミュニティや地域に根ざした活動、または地域に根差した中小企業等に資金提供することにより、地域の発展や社会課題解決を目指して投資する。

類似の投資手法にインパクト投資が挙げられ、実際にコミュニティ投資がインパクト投資に該当する場合もあるが、コミュニティ投資のほうがより幅広く、多様形態の投資や融資活動を含むとされている。

コミュニティ投資は主に、財団やNGO、銀行、信用協同組合、マイクロファイナンス機関等を通じて実施されてきたが、企業による取り組みも増えてきている。

コミュニティ投資の役割

地域社会の課題解決は地域の発展につながり、その地域に暮らす人々やそこで活動する企業等の発展にも貢献するため、非常に重要である。一方で、社会的弱者や低所得者層、支援が必要なコミュニティや中小企業は、一般的に金融機関からの融資を受けにくいという問題がある。コミュニティ投資は、地域の課題解決のために不足する資金を補い、課題解決に貢献する投資としての意義がある。

海外でのコミュニティ投資の動向

コミュニティ投資は、世界中で様々な形態で実施されている。ここでは米国および英国における動向例を、関連政策も含めて紹介する。

米国でのコミュニティ投資

米国でのコミュニティ投資の源流は古く、1880年代にはすでにコミュニティ組織による低所得者層に焦点をあてた金融サービスが存在しており、現在に直接的につながるコミュニティ投資の歴史は1960年代から始まる。この時期にはコミュニティ開発金融機関(Community Development Financial Institution 以下、CDFI)の設立が本格的にはじまった。このような長い歴史のなか、コミュニティ投資が発展する転機となったのが、1994年に制定された「リーグル・コミュニティ開発・規制改革法」である。同法律により、コミュニティ開発金融機関(CDFI)を支援するための基金が政府の財政支出によって創設され、新たに財務省によるCDFI認証の仕組みもはじまった。

コミュニティ開発金融機関(CDFI)は、低所得地域で、通常の銀行からの金融サービスを受けられない地域住民や企業に対して資金提供を行うことを目的とする金融機関である。銀行、信用組合、ベンチャー・キャピタル・ファンド、コミュニティ開発ローンファンド等が含まれ、2021年11月時点で1,271機関が認証されている。

コミュニティ開発金融機関ファンド(CDFI Fund)は、コミュニティ開発金融機関(CDFI)に対する財政的支援のほか、能力向上を図るトレーニングや技術支援等、様々なプログラムを実施しており、コミュニティ変革を後押ししている。

英国でのコミュニティ投資事例

英国においても、コミュニティ投資の歴史は古く、1960年代の信用組合がその源流と言われている。現在のコミュニティ開発金融機関(CDFI)を推進する政策が始まったのは1990年代であり、CDFIへの融資を行う基金の設立や法的地位の改善など、CDFI全体を支援する政策が推し進められた。

2002年にはコミュニティ投資減税が導入された。この減税政策により、認定されたコミュニティ開発金融機関(CDFI)に投資・融資を行う個人・法人に対して、5年間で最大25%の税額控除が行われている。

英国では上記のほか、コミュニティ投資の促進のため、2004年に新しい法人形態である「コミュニティ利益会社(Community Interest Company)」が誕生した。コミュニティ利益会社は、利益をコミュニティの社会的課題解決に向けて再投資することが求められており、民間資金を活用してコミュニティの課題解決を担う役割が期待されている。

このように、米国、英国においてはいずれも、政府がコミュニティ投資の推進のために大きな役割を果たし、様々な施策が導入されているといえる。

日本でのコミュニティ投資の動向と今後について

日本において、コミュニティ投資という言葉はあまり一般的に使用されていないが、地域金融やNPOバンクによる金融サービス、またインパクト投資のなかに、コミュニティ投資といえる投資活動が含まれている。

また、2016年に成立した「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(休眠預金等活用法)にもとづき、一定期間以上取引のない預金などを、社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する制度が2019年度からはじまり、その資金の一部が、コミュニティ投資といえる分野(地域の活性化や地域の課題解決のための活動)に活用されている。

地域金融の事例を挙げると、例えば京都信用金庫は、昭和46年に日本で初めて「コミュニティ・バンク宣言」を行っており、豊かなコミュニティづくりと社会課題の解決に取り組み、金融サービスを提供している。このように、地域に根差した信用組合・信用金庫は、古くから地域の課題解決をめざした金融サービスを提供してきているといえよう。

地域金融に関しては、環境省が2020年に発表した「ESG地域金融実践ガイド」のなかで、地域金融機関は「地域資源の活用・地域課題の解決に取り組んでいくべき重要なポジションにある」と位置付けられた。このような背景からも、コミュニティ投資といえる金融サービスがさらに発展していく可能性は大きいと考えられ、今後の動向が注目される。

【参照サイト】Global Sustainable Investment Alliance (GSIA), Global Sustainable Investment Review 2020
【参照サイト】Community Development Financial Institutions Fund
【参照サイト】内閣府「平成 30 年度社会的課題の解決に寄与する活動に対する資⾦提供に関する海外調査」報告書
【参照サイト】小関隆志「コミュニティ投資と非営利組織の役割一アメリカ・イギリス・日本の現状一」
【参照サイト】JANPIA「休眠預金等活用とは」
【参照サイト】環境省「ESG地域金融実践ガイド」




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