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洋上風力発電とは・意味

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洋上風力発電とは?

洋上風力発電とは、海の沖合に風車を建設し風力発電を行う方法で、再生可能エネルギーのひとつ。基本的な構造や発電の仕組みには陸上風力発電と同じだが、陸上風力発電と比較すると以下のようなメリットがある。

  • 建物や道路などの障害物がなく、陸上よりも風が強く安定しているので効率的に発電を行える
  • 土地や道路の制約がないため、陸上よりも大型風車の導入がしやすい
  • 近隣の景観や騒音の影響が小さい

欧州では強い風が吹くため古くから風力発電が盛んに行われてきており、近年は国家の強力なサポート体制も助け、急速に洋上風力発電の導入が進んでいる。国際エネルギー機関によると、欧州連合と中国は2040年にそれぞれ127ギガワットと107ギガワットの洋上風力による電力の生産を目指している。

洋上風力発電の課題

一方で洋上風力発電の課題は、陸上風力発電に比べ建設や維持コストがかかる点と言える。洋上風発電基には、陸上よりもしっかりとした基礎部分や洋上変電設備などが必要とされ、建設工事も陸上で行うよりも手間がかかりリスクが伴うため、充分な技術を持った人材を確保する難しさもある。

日本においては、欧州とは気候や海象条件が異なっているので、欧州の事例をそのまま適応するのは難しいとされている。日本海側と太平洋側でも自然条件は異なり、風速や風向、その出現頻度、乱流強度など、洋上風特性の特定も現時点では充分ではない。

遠浅の海が少ない日本で洋上風力発電普及の鍵となり得るのが、浮体式技術だ。これは、発電機を海底に固定せず水に浮かせる方法で、次世代の洋上風力発電システムとして期待されている。

日本の洋上風力発電

日本では2019年4月、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」が施行された。これに基づき、国が洋上風力発電事業のための海域の利用を進める”促進区域”として事業予定地を指定すると、洋上風力の建設を進めることができるようになった。日本の洋上風力発電の導入量は2021年現在で約2万kWに達しており、環境アセスメント手続き中の案件は1,300万kW以上に達している。現在は民間企業などが積極的に事業参入をおこなうフェーズに入っている。

しかし一般に環境アセスメントは3年〜4年かかるとされており、今後はよりスムーズな導入方法の確率が求められている。また、世界の洋上風力発電のコストが平均の8.8円/kWhであるのに対して、日本の風力発電コストは13.9円/kWhと比較的高く、その点も現在の日本の課題となっている。

これに対し、日本政府は洋上風力発電の導入促進に向けて、以下の政策の実施を提言している。

  • 中長期的な導入目標量や発電ポテンシャル量の提供
  • 継続的、計画的な導入の促進と投資の誘発
  • 洋上風力関連産業の育成
  • 新たな産業、市場の創出による地域経済、産業の活性化
  • 日本特有の気象、海象特性等に応じた発電設備や維持管理方法などの開発
  • 促進区域指定、事象者選定の円滑化
  • 基地港湾の適正配置や機能強化を通じた事業環境の整備

洋上風力発電開発に取り組む日本企業、プロジェクト

日本では、陸上風力発電に以前から取り組んでいた企業を中心に数社で協定を結んだり海外企業の傘下に入るなどして、洋上風力発電の開発を進めている。また、海外大手企業は日本を洋上風力発電の有力なマーケットとして捉え、日本法人を立ち上げ開発を推進している。

以下は、国内で洋上風力発電の開発に取り組む主な企業だ。

  • 株式会社レノバ(RENOVA, Inc.)
  • パシフィコエナジー株式会社
  • 日本風力開発株式会社
  • 電源開発株式会社(J-POWER)
  • アカシア・リニューアブルズ株式会社
  • 株式会社大林組
  • 株式会社ウィンド・パワー・エナジー

大阪ガス株式会社はアカシア・リニューアブルズ株式会社と日本国内の洋上風力発電の共同検討を目的とした協力協定を締結。両社は国内での具体的な洋上風力発電プロジェクトの検討を始めている。三井海洋開発・東洋建設・古河電工は、2020年10月にNEDOの公募事業である「浮体式洋上風力発電低コスト化技術開発調査研究」に採択された。2022年3月まででに、低コストな次世代浮体システムと海底送電システムの開発を行う予定だ。また、2021年4月には、株式会社ウィンド・パワー・グループ、東京ガス株式会社、日本風力エネルギー株式会社の3社が共同出資する株式会社ウィンド・パワー・エナジーが、茨城県鹿島港における洋上風力発電事業を推進していくことを決定した。

電源開発株式会社(J-POWER)は、英国トライトン・ノール洋上風力発電事業に参画し、最先端の欧州の建設、運営に関わる知見を蓄積している。同社は洋上風力発電事業で北九州市沖洋上風力発電実証設備の建設・運営・撤去を行うと同時に、同地区港湾区域における洋上風力発電事業の公募で優先交渉権者に選定されている。

スペインの電力大手イベルドローラは2020年9月、再生エネルギー事業開発会社アカシア・リニューアブルズ株式会社を買収し、日本で洋上風力発電の合弁事業を立ち上げると発表した。そのほか、ドイツRWEの傘下であるRWEリニューアブルズは2019年に、デンマークのオーステッドは2020年にそれぞれ日本法人を設立し、発電用風車の洋上設置に乗り出した。

世界の洋上風力発電メーカー市場シェア(2019年)

風力発電国際業界団体の世界風力会議(GWEC)が2020年5月末に発表した洋上風力発電メーカー市場シェアを見てみると、トップにランクインしているのはヨーロッパ企業であるものの、中国企業も全体の半数を占めている。

  1. シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー(スペイン)
  2. MHIヴェスタス(デンマーク)
  3. Sewind(中国)
  4. 遠景能源(ENVISION)(中国)
  5. 金風科技(ゴールドウィンド)(中国)
  6. 明陽風電集団(Mingyang)(中国)
  7. GEリニューアブル・エナジー(米国)
  8. 中船重工海装風電(CSIC Haizhuang Wind Power)(中国)
  9. Senvion(ドイツ)
  10. XEMC Darwind(オランダ)

これからの洋上風力発電

日本は2020年12月の経済・国土省・民間関係者会議で、洋上風力発電での電力生成を2030年までに2万キロワットから10ギガワットまで増やし、2040年にはそれを最大45ギガワットまでの増やす目標を発表した。これが実現すれば、日本は世界で3番目に多い洋上風力発電国となる。

洋上風力発電の発電コストは、2030年から2035年の間に火力発電よりも安くなるという予測もあり、今後は日本の特徴である長い海岸線や広い海域を活かした洋上風力の導入は、大きく期待されている。

【参照記事】洋上風力発電:ヨーロッパからアジア太平洋地域へ
【参照記事】Japan aims to be world’s No. 3 offshore wind power producer in 2040
【参照記事】再エネ海域利用法
【参照記事】風力発電国際業界団体の世界風力会議(GWEC)

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