ジェンダーステレオタイプとは・意味

2024年4月
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ジェンダーステレオタイプとは？

ジェンダーステレオタイプとは、社会に広く浸透している、「男性」と「女性」それぞれに対して人々が共有する、固定的な思いこみ（信念）やイメージのことである。例えば、「男は仕事、女は家庭」、「男は理系、女は文系」、「男は青、女は赤」、さらには「男は〜郎、女は〜子（名前）」がジェンダーステレオタイプにあたる。

このジェンダーステレオタイプは主に以下の4つの種類に分類される。

これらは特に、自身のキャリアを決定する際にも大きな影響を与えている。ジェンダーステレオタイプから自身の属性を判断し、自分自身で可能性を閉ざしてしまうような意思決定をしてしまうこともある。つまり、ジェンダーステレオタイプが、将来のキャリアの選択肢を制限しまう可能性もあるのだ。

さらに、他のステレオタイプと交差するジェンダーステレオタイプは、不平等格差を大きくしている。例えば、障害を持った女性、移民の女性、少数民族の女性などの特定の女性グループに属すると、社会の中で立場の弱い人と認識されてしまうなどの悪影響を及ぼしている。

このようにジェンダーステレオタイプは、基本的自由をはじめとする人権の侵害をもたらすとされている。

教育現場におけるジェンダーステレオタイプ

教育現場は、ジェンダーステレオタイプが目立つ。制服、ランドセルの色、運動会の競技など男女でカテゴライズされてきた。一方で、ジェンダーステレオタイプを避ける方法を見出すことも可能である。主に6つのことが記載されてある。

IBERDROLA「HOW DO WE AVOID GENDER STEREOTYPES IN SCHOOL?」より引用

世界のジェンダーステレオタイプを打ち破る取り組み

台湾　「Project UNI-FORM」

デザイナーのアンガス・ジャンと広告代理店Ogilvy台北は、学生たちの個性や多様性を尊重するために、性別に関係なく着用できる「ジェンダーフリー」なユニフォームを製作するプロジェクトを実施し、大きな反響を呼んだ。このProject UNI-FORMは、教育現場からジェンダーへの理解を育むものである。日本の学校では、多くの「もの・こと」を「性別」で区分しており、ジェンダー規範に基づき性別で異なる対応をする環境になっている。今後は、社会的なアイデンティティを認識することが少ない日本の教育環境からジェンダーステレオタイプを打ち破る働きかけが必要になりそうだ。

スイス　「プロジェクト平等の学校」

スイスでは、男女平等に向けた子ども向け教材を用い、義務教育の通常授業の中でジェンダーステレオタイプについて考える機会がある。目的は、生徒にジェンダーステレオタイプに対する関心を持たせることで、何がステレオタイプに当たるのか判断させ、解放させることである。図のように、男性が子どもの世話をする、女性が大工の仕事をするといった描写を取り上げている。このプロジェクト平等の学校は、学校教育において、人々が抱いている固定観念を変えることにつながっている。

SWI swissinfo.ch イラストで見る「平等の学校」より引用

性別の役割を植え付けない教育の重要性

近年、社会や教育現場におけるジェンダー平等に関する関心は高まりを見せている一方で、「生きづらさ」を感じている人もいる。日本においてはジェンダーステレオタイプの影響もあり、ジェンダーギャップ指数が低いことが指摘されている。今後は、男らしさ・女らしさといった性別の役割を植え付けない教育が求められるのではないだろうか。ジェンダーニュートラルな教育がすべての人の基本的自由をはじめとする人権を保障することにつながることに期待したい。