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カーボンフリーとは・意味

カーボンフリー

カーボンフリーとは?

カーボンフリーとは、企業や国家による温室効果ガスの排出量を完全にゼロにすること。主に風力、水力、太陽光などの温室効果ガスを発生しないカーボンフリーエネルギーの利用を指している。2015年に採択されたパリ協定により、温室効果ガスの削減は世界共通の目標となり、カーボンフリーはそうした取り組みの到達点として注目されている。

ネットゼロやカーボンニュートラルとの違い

温室効果ガス削減の取り組みとしては他に、ネットゼロやカーボンニュートラルがあり、これらはよく混同されることがある。ネットゼロとカーボンニュートラルはどちらも、温室効果ガスの排出量と吸収量をプラスマイナスでゼロにすることを意味している。一方でカーボンフリーは、そもそもの排出量をゼロにすることを指しており、この点で大きな違いがある。カーボンフリーは脱炭素化に向けてさらに一歩進んだ取り組みと言えるだろう。

カーボンフリーの現状

カーボンフリーの達成にはエネルギー技術だけでなく、世界規模での政策や協力が必要不可欠であり、まだ時間がかかるとされている。現状、カーボンフリーの段階に到達している企業や国家は少なく、温室効果ガスの発生を実質ゼロにするという動きの方が中心となっている。ただし、カーボンフリーに向けての働きかけも着実に進んでおり、国連と連携している国際機関「SE4All (Sustainable Energy for All)」は、そうした取り組みにおける中心的な存在となっている。

Googleが目指す2030年のカーボンフリー

Googleは「全世界でのカーボンフリー実現」を共同ミッションとして、2021年にSE4Allと連動した取り組みを始めた。また同社は、2030年までに自社の持つ世界中のデータセンターとオフィスを24時間365日カーボンフリーエネルギーのみで運用することを目標としている。2007年に世界で初めてカーボンニュートラルを実現したGoogleは、2017年には事業に用いる年間消費電力の100%を再生可能エネルギーで賄うことにも成功した。同社は現在、世界最大の再生可能エネルギー年間購入企業となっている。

達成に向けた具体的な取り組み

カーボンフリーに向けた具体的な取り組みとしては、安定したエネルギー供給を実現するために製造地域に大規模な投資をしているほか、AI技術を活用した電力需要や予測の最適化システムを開発、提供している。現在このシステムは、世界の100 以上の都市で利用されており、建物や交通機関における二酸化炭素排出量の追跡や、再生可能エネルギー利用の最大化に役立っている。同社は今後、このシステムを世界3,000都市にまで拡大するとしている。

また、Googleマップ上で表示される自転車・電気自動車の充電ステーションのアナウンスや、ヨーロッパの多くの国で利用できるGoogleフライトでの二酸化炭素排出量の少ないフライトの選択もそうした取り組みの一環であるとされている。

カーボンフリーの課題点

世界的に見ても現状は、温室効果ガスの削減や植樹などによる実質ゼロを目指している段階であり、完全な排出量ゼロの実現はまだ難しいとされている。その主な要因は、エネルギーの供給が安定していないことにある。カーボンフリーエネルギーのインフラ化には技術的な問題がまだ数多く残っており、サービスの一部や特定の時間帯のみといった部分的なカーボンフリー化が現実的ではないかとの声も上がっている。

まとめ

カーボンフリーを達成することは少し前までは考えられないことであったが、テクノロジーの進歩や世界的な協力体制により、少しずつ実現可能な目標となってきている。

個人でできることとしては、引き続きエネルギーの使用量を適切に抑えつつ、まずはネットゼロやカーボンニュートラルの達成に向けた行動を続けていくことが大切であろう。

【参照サイト】24/7 Carbon-Free Energy Compact
【参照サイト】Google – カーボンフリー エネルギー
【参照サイト】Google – Our third decade of climate action: Realizing a carbon-free future
【参照サイト】外務省 – SE4All(Sustainable Energy for All)
【関連記事】カーボンニュートラルにカーボンフリー……今話題の「カーボン〇〇」の違いとは?企業の事例もわかりやすく解説




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