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アフロセントリシティとは・意味

アフロセントリシティ

アフロセントリシティとは?

アフロセントリシティ(Afrocentricity)はアフリカ中心性理論とも呼ばれ、かつてヨーロッパ中心の世界で描かれてきたアフリカの歴史をアフリカ人の視点で新たに捉え直し、主体的にアフリカの未来を考えるための枠組みを意味する。

この概念は、1980年代はじめにアメリカ・テンプル大学のアフリカ系アメリカ人研究科の教授モレフィ・ケテ・アサンテ氏が、自身の研究の中で定義したものである。アサンテ氏は世界初のアフリカ系アメリカ人研究の博士課程を作った人物で、米国におけるアフリカ系アメリカ人およびアフリカ人研究の第一人者と言われている。

アフロセントリシティの捉え方

アフロセントリシティについては、アサンテ氏の提唱する考え方が最も広く知られる一方で、実はさまざまな学者によって異なる解釈がなされている。

例えば、ある学者はアフロセントリシティを「アフリカの文化や功績を強く主張する知的運動や政治観、歴史的変革のこと」と捉え、また異なる学者は「アフリカ人は世界の文明の創始者であることに誇りを持つべき」という考え方に基づいたアフリカ中心性理論を説いている。

このようにアフロセントリシティは、時に方法論や概念、思想として語られる。ゆえに学問の世界でアフロセントリシティを扱う際には、こうした異なる分野の研究におけるあらゆる要素をまとめたうえで、学問的な成果や政治的目的などを1つの統一された規律の中に落とし込む必要がある。

アフロセントリシティの由来

アフロセントリシティの起源はアメリカに由来するが、いつ生まれたかは定かではない。なぜなら、アメリカでは大西洋間奴隷貿易や奴隷が教育を受ける権利の剥奪、アメリカ文化とアフリカ文化の対立など、その起源と考えられる出来事が歴史上にいくつも存在するためだ。

こうした奴隷制度や人種的差別というさまざまな抑圧から逃れようとしたアフリカ系アメリカ人の間で、アフロセントリシティの概念は生まれ徐々に育まれていったと考えられる。

アフロセントリズムとの違い

アフロセントリシティによく似た概念として、「アフロセントリズム」がある。これは、アメリカに住むアフリカ系アメリカ人が自らの起源をアフリカに求めるアフリカ中心主義的思想のことだ。アフロセントリズムは、ヨーロッパ文明を他の文明と比べて格別のものだと捉えるユーロセントリズムに対抗する考え方とも捉えられる。

しかしアサンテ氏はアフロセントリシティを、アフリカ人を歴史・経済・社会・政治・哲学というあらゆる観点から正しく捉え直すための枠組みであると定義している。すなわち、他の文化と比べてこちらが優れている、など比較するニュアンスがない点で、アフロセントリズムとは異なっている。

私たちはアフロセントリシティをどう捉えるか

現代の私たちの多くにとっては、人種差別問題は身近なものではないかもしれない。しかしBLM(Black Lives Matter)がまだ記憶に新しいように、なお人種差別は存在し苦しんでいる人々が大勢いることは事実だ。

その実態を実際に見て把握することは困難だが、インターネットが普及したいま、歴史や今世界で起きていることについて調べ学ぶことは可能だ。世界のさまざまな考え方を持つ人々について理解することは、自分自身の視野を広げることにも役立つはずだ。

【参照サイト】Afrocentricity: The Theory of Social Change – Molefi Kete Asante
【参照サイト】The development of Afrocentricity: a historical survey – Midas Chawane
【関連記事】アフロ・フューチャリズムとは・意味




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