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GHG排出ピークアウトとは・意味

温室効果ガス

GHG排出ピークアウトとは?

GHG排出ピークアウトとは、GHG(温室効果ガス)排出量が増加傾向から減少に転じること。2022年4月に公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第3作業部会第6次評価報告書では、パリ協定で合意した2℃目標のためには遅くとも2025年には減少に転じる必要があるとしている。

図表 世界全体のGHG排出量予測(出所:IPCC第3作業部会第6次評価報告書)

図表 世界全体のGHG排出量予測(出所:IPCC第3作業部会第6次評価報告書)

高まる企業へのGHG排出削減の圧力

パリ協定の⽬標達成を⽬指した削減シナリオと整合した⽬標の設定、実⾏を求める国際的なイニシアティブであるSBTは、2022年7月に認定基準の見直しを行い、企業に求める削減目標をこれまでの「 5~15年先に年率2.5%削減」から「5~10年先に年率4.2%削減」とした。

世界的な脱炭素の流れを受けて多くの企業が、例えば「2050年排出量実質ゼロ」といった目標を公表しているが、その実現のための具体的な取り組みが不十分な企業も少なくないのが実態だ。

SBTは、上述のIPCC報告書の内容も考慮し、より短期的に実効性のある削減努力を企業に求めた形だ。近年のESG投資の普及にあわせて、機関投資家が投資先企業に対してSBT認証の取得を求める動きが広がっており、2022年12月時点のSBT認定取得企業は国内外で2,141社と前年同期の1,108社の1.9倍となった。

企業にSBT認証を求めるこうした圧力はますます高まるであろう。

図表 SBTが企業に求める削減目標(出所:環境省)

図表 SBTが企業に求める削減目標(出所:環境省)

2025年排出ピークアウトのカギを握る中国の動向

GHG排出ピークアウトで注目されているのが、世界のCO2排出量の約3割を占め、最大の排出国である中国の動向だ。日本を含む先進国やブラジル、メキシコなどが2050年までのGHG排出量実質ゼロを表明しているのに対して、中国は2060年の排出量実質ゼロ、2030年までの排出ピークアウトを目標としている。

2022年前半、電力セクターにおいては石炭火力発電所の新規建設の承認ぺースはやや鈍化したものの前年から増加基調が続いており、鉄鋼セクターでは溶鉱炉新設への投資額が高止まりしている。

フィンランドの独立系シンクタンクであるCREA(エネルギー・クリーンエアー研究センター)は、目先の国内需要を満たすためのこうした動きは2030年までの排出ピークアウトの方針とは相容れないものであり、これらの投資は将来の座礁資産となる可能性が高いと警鐘を鳴らしている。

【参照サイト】環境省 IPCC第3作業部会第6次評価報告書 政策決定者向け要約
【参照サイト】環境省 中⻑期排出削減⽬標等設定マニュアル
【参照サイト】SBT Companies Taking Action
【参照サイト】外務省 気候変動(日本の排出削減目標)
【参照サイト】CREA(エネルギー・クリーンエアー研究センター) China’s power and steel industries continue to invest in coal-based capacity, complicating carbon goals




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