メタビューティとは?
メタビューティ(Metabeauty)は、仮想空間上での美容を意味する。アメリカの大手広告代理店Wunderman Thompsonのレポートで2022年のトレンドワードの一つに選ばれた言葉だ。
たとえば、ゲーマーがバーチャルな化粧品を使い、自分のアバターをカスタマイズする。『グランド・セフト・オート』や『フォートナイト』といったゲームの中でも、プレイヤーは自己表現と没入感を高めるために、自分のアバターが着用するファッションやヘア・メイクを選ぶようになってきている。
非対称対戦型ホラーサバイバルゲーム『デッド・バイ・デイライト』のアソシエイトプロデューサーであるジョー・アシュレイ・ロバートは、メタビューティーについて「自分のキャラクターを好きなように着飾ることで想像力をもう一歩押し広げることができる」と語る。
メタビューティの事例
仮想上の美容と現実世界の化粧品がゲームシステムの領域に導入されることで、ユーザーのエンゲージメント(※1)は高まり、美容ブランドやクリエイターにとってはビジネスチャンスの広がりにつながっている。
※1 広告などの各種マーケティング活動において、顧客の興味や注意を引きつけ、企業と顧客の結びつきを強めること(出典元:小学館 デジタル大辞泉)を指す。
伝統的なファッションブランドのGUCCI(グッチ)も近年、AR技術による「バーチャルメイクアップ」を取り入れている。スマートフォンで撮影した自分の顔にメイクアップを投影し、買う前に「良い色かどうか」「自分に似合うかどうか」などを判断ができるのだ。
スタイリングゲームアプリ「Drest(ドレスト)」において、ナーズ・コスメティックは2021年10月に30種類のバーチャル製品を追加。またGUCCI Beautyは29種類のバーチャルメイク製品を追加しただけでなく、ユーザーがアプリ内で実際の製品を購入するためのリンクを用意している。
コンピューターゲーム開発スタジオMaxis(マクシス)が開発したシミュレーションビデオゲーム「The Sims 4 Spa Day Game Pack」は、2021年9月にビューティーアップグレードを行った。このアップデートには少なくとも100もの新しい肌色とヘアスタイル、メイクアップオプションが含まれている。プレイヤーはゲーム内でヨガや瞑想をしたり、化粧やペディキュア、マニキュアなどを楽しんだりすることができる。
アート分野におけるメタビューティーの事例もある。3Dデジタルアーティストのナタリー・グエンは、エイリアンにインスパイアされたメイクアップとネイルアートを、画像編集ソフトであるフォトショップを利用して自身の写真に施す。
実物体とデジタル表現を利用するグエンのメタビューティーの発想は、メイクアップにおいて「どこまでが“現実”と言えるのか」を再定義していると言える。
まとめ
Wunderman Thompsonの2019年のトレンドワードには、CGIでよく利用されるプログラミング言語Perl(パール)のAIメイクアップラインがとりあげられている。
これはメタビューティーの初期兆候ともいえる。そして2022年になり、メタビューティーはブランドが現実世界で販売している製品をデジタルプラットフォーム用に再構築するまでに発展した。
ゲーマーがメタビューティーに関心を持ち続ける中で、今後もさまざまなブランドがメタバースにおいて自社製品を販売・宣伝する機会を見出していくかもしれない。
【参考文献】The Future 100: Trends and Change to Watch in 2022
【参照サイト】Metaverse may be $800 billion market, next tech platform|Bloomberg Profession Services
【参照サイト】Video Games Are Becoming a High-Fashion Playground|Vogue
【参照サイト】3D artist Nathalie Nguyen’s alien digital beauty looks defy reality
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