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カーボンバジェットとは・意味

カーボンバジェットとは?

「carbon budget(カーボンバジェット)」とは、気候変動による地球の気温上昇を、ある一定のレベルまで抑えようとする場合に想定される、温室効果ガスの累積排出量(過去の排出量+将来の排出量)の上限値のことをいう。過去の排出量はすでに推計されているため、気温上昇を抑える目標値を決めれば、将来排出できる温室効果ガスの量を計算できる。

産業革命以前と比べて、世界の平均気温は約1℃上昇したといわれている。2014年に出された、IPCC第5次評価報告書では、このままでは 2100年の平均気温は、最悪のシナリオの場合には最大4.8℃上昇すると発表された。気候変動の悪影響の回避という観点では、「産業革命後の気温上昇を2℃以内に抑える」という目安が、2010年のCOP16で合意されており、一般的に「2℃目標」と呼ばれる。2015年に採択された「パリ協定」では、この2℃目標をさらに1.5℃に抑える努力を追求することに言及している。

世界の平均気温を1.5℃上昇に抑えるために

これについて2018年10月に韓国で開かれたIPCC第48回総会では、2040年ごろに世界の平均気温が工業化前に比べて1.5℃上昇すると予測した「IPCC 1.5℃特別報告書」が承認された。同報告書では「パリ協定」の長期目標の中で言及されている「1.5℃」 について、産業革命以前の世界の平均気温から1.5℃上昇した場合の影響や、1.5℃で温暖化を止めるためにはどれくらい対策が必要なのかなどをまとめている。

気候変動を1.5℃に抑えるためには、2030年までにCO2の排出量を、2010年のレベルに比べて45%削減する必要があるという。また、気候変動を1.5℃に抑えるためには、CO2排出量を2050年までにゼロにしなければならないとも言われている。このCO2の正味ゼロ排出に至るまでの累積CO2排出量が、カーボンバジェットである。

IPCC1.5℃特別報告書によれば、二酸化炭素累積排出量と予測される世界平均気温の変化量の間には、ほぼ比例の関係があるという。1861〜1880年の19年間の平均と比べて、気温上昇を2℃未満に抑えるためには、1870年以降の二酸化炭素累積排出量を約2,900ギガトン未満に留める必要がある。2011年までに既に累積で約1,900ギガトンが排出されているため、2012年以降の世界全体での累積排出量を約1,000ギガトンに抑える必要があるという。

今の立ち位置を理解する

ベルリンの研究機関MCCでは、この1.5°Cシナリオと2℃シナリオの両方でのカーボンクロックを公開しており、気温を1.5℃/2℃未満に抑えるためのカーボンバジェットを使い切るまでの残り時間をカウントダウンしている。

カーボンバジェットを見て今の世界の状況を理解し、それに向けてどう具体的に取り組めば良いのかを考えていく必要がある。

MCC

Image via MCC

【参照サイト】 「IPCC1.5℃特別報告書」(地球環境戦略研究期間)
【参照サイト】 全国地球温暖化防止活動推進センター
【参照サイト】 2 (1.5)DEGREE GOAL(JCLP)




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