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プレゼンティズムとは・意味

プレゼンティズム

プレゼンティズムとは?

プレゼンティズム(Presenteeism)とは、何らかの疾病や症状を抱えながらも出勤し、その結果仕事の生産性が下がることを指す。本人または仕事の上司、同僚たちなど周りの人々の「確かに不調だが、仕事を休むほどではない」との判断が引き起こす問題だ。

辞書には「通常より長く職場にとどまる、または病気でも出勤することで、自分が一生懸命働いていること、雇用主にとって重要であることを示す行為(出典:Cambridge Dictionary)」と記載されている。プレゼンティーズムとも表記され、日本語では「出席主義」とも訳される。

プレゼンティズムはWHO(世界保健機関)によって提唱された、健康問題に起因した生産性の損失を表す指標である。

プレゼンティズムという課題

アメリカ合衆国の経営学誌『ハーバード・ビジネス・レビュー』によると、労働者が病気やその他の健康状態によって、仕事には参加するけれど十分な機能を発揮できないことを指すプレゼンティズムには、個人の生産性を3分の1以上減少させる可能性があるという。加えて、米国企業にとって年間1,500億ドル(約20兆円以上)ほどの損失になると推定されており、欠勤率よりもはるかに大きな負担となることを示している。

日本企業にとっても同様で、日本経済新聞の記事によると、従業員1人あたりの1年間のプレゼンティズムによる労働生産性の損失は15%程度とされ、その損失は医療費や病欠よりも大きい(※1)。企業の健康関連コストの6〜7割をプレゼンティズムが占めるともある。

しかしプレゼンティズムを見極めるのは容易ではない。欠勤と違い、その人の病気や症状が、いつ、どの程度、仕事の生産性に支障をきたすのかわからないことが多い。

プレゼンティズムの具体例

プレゼンティズムの原因となる健康問題の多くは、人によっては「仕事を休むほどではない」と判断されるものである。季節性アレルギーや、喘息、頭痛、腰痛、関節炎、胃腸障害、精神的な不安など、慢性的あるいは一時的な病気が挙げられる。

『ハーバード・ビジネス・レビュー』には、このような事例が掲載されていた。

ある社員は、アレルギーによる副鼻腔の頭痛が本格的な偏頭痛に発展したとき、1日仕事を休んだこともあったが、ほとんどの場合は会社へ行き、季節性アレルギーの鼻づまりと不快感を受け入れながら仕事をしていた。

また別のエンジニアは、1日の大半をコンピューター画面上の3Dモデルの操作に費やす中で、頭が詰まってぼんやりとした感じがする、圧迫感で目を閉じたくなる、集中できない、といった症状を感じながらも、結局はそれらを受け入れて仕事をしていた。

外見上は問題がないように見えるため、病気や症状がどの程度その人の生産性に影響を及ぼしているかが雇用主からは見えにくい。

だが、病気や症状が軽度であっても、体調が芳しくないまま仕事を続けたり、十分に休めない状況が続いたりすると、症状の悪化につながり、プレゼンティズムが長引くことは、長期的に見れば会社にとっても損失となる。

プレゼンティズムを解消するために

プレゼンティズムを解消する第一歩は、チームの上司に、そして自分自身に、プレゼンティズムの問題を認識させることである。

もし自分が会社のチームを指導する立場だったとして、または自分以外の会社の誰かがプレゼンティズムに陥っていることに気づいたら、従業員が直面する特定の健康問題を把握する。正式な調査が必要になる場合もあるが、まずは健康問題を念頭に置いて、従業員を観察することから始める。従業員の健康問題や体調不良をいち早く把握できるよう、社内コミュニケーションを活発にすることも有効だ。

他に、安心して休めるよう従業員同士が業務を代替しやすくする、医療機関への受診がしやすくなるよう時間単位年休を認める、産業医と連携し原因となる疾患や症状の改善を指導する、なども効果的である。

まとめ

プレゼンティズムによる生産性の低下は、スクリーニングや治療、教育への比較的小さな投資で相殺できるといわれている。アレルギーの薬代やうつ病の治療費を負担するなど、従業員の健康管理に的を絞った投資を行うことは得策といえる。

体調が悪くなった場合は、規則正しい生活を送る、睡眠時間を確保する、早めに医療機関を受診するなどの自己管理を行うことでプレゼンティズムを予防することができる。

人口減少に伴う労働力不足が進行する日本において、従業員が心身ともに健康な状態で働けることは、今後ますます重要になる。

※1 日本経済新聞 – プレゼンティーイズムに関心を 
【参照サイト】Presenteeism: At Work—But Out of It
【参照サイト】健康経営 オフィス レポート
【参照サイト】データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン




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