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垂直農業とは・意味

垂直農法

垂直農業とは?

高さのある建築物の階層や、傾斜面をつかって農業をすることを「垂直農業(または垂直農法:Vertical Farming)」と呼ぶ。平たい畑や温室などで野菜を栽培する代わりに、都会の超高層ビルや、輸送用コンテナ、使われなくなった倉庫などで、高さを利用して垂直的に農作物を生産する。従来の農業のように広い土地がいらず、都市でも食物を生産できることが特徴的だ。

垂直農業では、自然光と人工光を組み合わせて野菜を栽培することが多い。光を均一に当てるため、農作物を育てる棚を回転させることもある。水の使用も、従来の農業の10分の1で済むという。農業にテクノロジーを組み合わせた、アグリテックの領域だ。垂直農業のメリット、デメリットを見ていこう。

メリット

  • 天候に関係なく 1年中作物を生み出せる
  • フードマイル削減(生産地と消費地を近づけることによるCO2削減)
  • 水や光などのエネルギーを最小限に抑える
  • 虫が発生しない環境下で育てられるため、農薬使用を減らせる
  • 農業従事者のリスクを取り除く(虫や野生動物、大型農業機械の自己など)

デメリット

  • 建設コストがかかる
  • 経済的な実現可能性がまだ調査されていない
  • 虫がいないため受粉が困難で、コストがかかる
  • テクノロジー依存 電力に関する事故があれば壊滅的な被害

垂直農業は、建築に農業の要素を組み合わせた「アグリテクチャー」の代表例だ。

垂直農業

垂直農業 世界の事例

野菜が実らないイメージのある砂漠ですら、垂直農業は機能している。慢性的な水不足に悩まされているアラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは、ペルシア湾岸地域6か国で初めての商業垂直農場が誕生した。トマトを育てることができるそうだ。

また、フランスのパリでは世界最大の屋上農園も建設中。2020年に完成予定で、屋上で育てた野菜を直接スーパーや消費者に届けるようになるという。

2050年までには人類の80%が都市に住むと予想されている中、垂直農業は、人口増加に伴う食糧需要を満たすのにも大きな役割を果たすとみられている。今後の広がりに期待だ。




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