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コーポレートガバナンス・コードとは・意味

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コーポレートガバナンス・コードとは?

コーポレートガバナンス・コードとは、上場企業の経営に関わるあらゆるステークホルダーの立場を踏まえたうえで、企業を適正に運営・発展させていくために必要な仕組みを実現するための指針のことである。

上場企業に自律的な対応を促し、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値を向上させることが目的であり、「攻めのガバナンス」に主眼を置いている。コーポレートガバナンス・コードは企業にとってのガイドラインであるのに対して、スチュワードシップ・コードは投資家にとってのガイドラインであり、両者が車の両輪となって機能することで経済全体の成長に繋がることが期待されている。

コーポレートガバナンス・コードにおける企業統治(コーポレートガバナンス)とは、企業が株主をはじめとして顧客や従業員、地域社会といったあらゆるステークホルダーの立場を踏まえたうえで、透明・公正かつ迅速な意思決定を行うための仕組みのことである。

コーポレートガバナンス・コード制定の経緯

コーポレートガバナンス・コードの原型は1992年にイギリスではじめて設けられ、その後ヨーロッパ諸国へと普及した。日本では2013年に安倍政権が閣議決定した「日本再興戦略」にコーポレートガバナンスに関する項目がはじめて盛り込まれたことがきっかけとなり、2015年3月に金融庁と東京証券取引所が中心となって原案が公開された。アメリカとイギリス、ドイツ、フランスそしてシンガポールの5カ国の運用状況を参考にして策定されている。

日本では、企業が資本を効率的に使っているかどうかを示す株主資本利益率(ROE)がおよそ8%であり、米国の17%に比べて半分以下である。したがって、日本版コーポレートガバナンス・コードは資金を内部留保として溜め込むのではなく、国内の上場企業がM&Aや新規の投資を通じて企業価値を向上させ、国際競争力を高めるという狙いがある。

日本における5つの基本原則

コーポレートガバナンス・コードは、上場企業に求める詳細な行動(rule)を規定するのではなく、原則を示すことで企業それぞれが置かれている状況に照らし合わせて、自らが適切だと判断した行動をとれるように「プリンシプルベース・アプローチ」を採用している。したがって、法的な拘束力はない。

以下に日本版コーポレートガバナンス・コードの5つの基本原則を示す。

    1. 株主の権利・平等性の確保
    上場会社は、株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応を行うとともに、株主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行うべきである。

    また、上場会社は、株主の実質的な平等性を確保すべきである。少数株主や外国人株主については、株主の権利の実質的な確保、権利行使に係る環境や実質的な平等性の確保に課題や懸念が生じやすい面があることから、十分に配慮を行うべきである。

    2. 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
    上場会社は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出は、従業員、顧客、取引先、債権者、地域社会をはじめとする様々なステークホルダーによるリソースの提供や貢献の結果であることを十分に認識し、これらのステークホルダーとの適切な協働に努めるべきである。

    取締役会・経営陣は、これらのステークホルダーの権利・立場や健全な事業活動倫理を尊重する企業文化・風土の醸成に向けてリーダーシップを発揮すべきである。

    3. 適切な情報開示と透明性の確保
    上場会社は、会社の財政状態・経営成績等の財務情報や、経営戦略・経営課題、リスクやガバナンスに係る情報等の非財務情報について、法令に基づく開示を適切に行うとともに、法令に基づく開示以外の情報提供にも主体的に取り組むべきである。

    その際、取締役会は、開示・提供される情報が株主との間で建設的な対話を行う上での基盤となることも踏まえ、そうした情報(とりわけ非財務情報)が、正確で利用者にとって分かりやすく、情報として有用性の高いものとなるようにすべきである。

    4. 取締役会の責務
    上場会社の取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図る役割・責務を適切に果たすべきである。

    こうした役割・責務は、監査役会設置会社、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社など、いずれの機関設計を採用する場合にも、等しく適切に果たされるべきである。

    5. 株主との対話
    上場会社は、その持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会の場以外においても、株主との間で建設的な対話を行うべきである。経営陣幹部・取締役(社外取締役を含む)は、こうした対話を通じて株主の声に耳を傾け、その関心・懸念に正当な関心を払うとともに、自らの経営方針を株主に分かりやすい形で明確に説明しその理解を得る努力を行い、株主を含むステークホルダーの立場に関するバランスのとれた理解と、そうした理解を踏まえた適切な対応に努めるべきである。

コーポレートガバナンス・コードが適用される上場企業は、上記すべての原則をかならずしも遵守する必要はない。一部の原則を遵守しない、もしくはできない理由を説明することで、事足りる点が特徴であり、「コンプライ・オア・エクスプレイン」と呼ばれる。しかし、然るべき理由が説明されない場合は、東京証券取引所の有価証券上場規程436条の3に違反した旨が、同規則の508条1項2号を適用することで公表される可能性がある。

コーポレートガバナンス・コードは、ガバナンスの充実により実現すべき普遍的な理念・目標を示した上記5つの「基本原則」のほかに、基本原則を実現するために一般的に留意・検討すべき事項を示した31の「原則」、そして一部の会社に適用される42の「補充原則」があり、3層構造となっている。東証1部と2部に上場している企業は3層全て、マザーズ及びJASDAQの上場企業は基本原則の遵守もしくは遵守しない、できない理由を説明することが求められる。

今後の展望

2022年4月4日から、東京証券取引所の市場区分が刷新される。現在の4区分から、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つに再編されるに伴って、各企業は改めてどの市場に上場するかを選択する必要がある。

プライム市場を選択する場合は、3層の原則が適用されるだけでなく、取締役会の独立性や諮問委員会の設置が義務付けられるなど、現行のコーポレートガバナンス・コードよりも厳しい水準が求められる。スタンダード市場についても、3層の全原則が適用されるため、現行の市場でJASDAQもしくはマザーズに上場している企業はグロース市場とどちらに上場するかを決める必要がある。

近年は特にESGの観点からもガバナンスの重要性は増してきている。市場再編を機に、企業が社会的な要請を踏まえて自らのあり方を再検討する機会となる。いずれの市場であれ、多くの企業がより良いガバナンスの構築に向けて動き出すことに期待したい。

【参照サイト】 コーポレートガバナンス・コード
【参照サイト】 コーポレートガバナンス・コード | 用語解説 | 野村総合研究所(NRI)
【参照サイト】 スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コード

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