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ミレニアル世代(ミレニアルズ)とは・意味

ミレニアル世代(ミレニアルズ)とは?

ミレニアル世代は、1980年、もしくは1981年〜1990年代なかばごろまでに生まれた世代のこと。 Millennium(千年紀)を迎える2000年以降に成人や社会人になったことに由来し、英語では、Millennials(ミレニアルズ)と呼ばれる。もともと米国で生まれた世代呼称で、心理学者のJean Twengeが定義した。また、同じく1980年代から1990年代までに生まれた人たちのことを「Y世代(ジェネレーションY)」と呼ぶこともある。

2021年に発表された経済産業省の「通商白書」によると、ミレニアル世代は世界人口全体の約6割を占め、彼らの親世代でもあるベビーブーマー世代を超え、最も人口の多い世代となった。日本でも約4割に迫っており、2035年には過半数を占めると予測されている。今後は彼らが社会経済活動の中心となっていく年齢となることから、社会に対する影響力は大きく、マーケティングの分野などでも注目されている。

なお、ミレニアル世代の子どもにあたる、2010年〜2024年頃までに生まれた世代をα世代(ジェネレーションα)と呼ぶ。

ミレニアル世代の特徴

デジタルパイオニア

この世代は、Windows95の発売や、インターネットの普及が飛躍的に進んだ時代に育った最初の世代である。小さな頃からパソコンや携帯が身近な環境にあり、従来の世代に比べITリテラシーが高い。また10代の頃からSNSにも親しんでおり、彼らの情報のリソースとして大きな存在感を示している。

多様性や個の重視

SNSを通じて、国内外を問わずさまざまな社会的背景や考えを持つ人とコミュニケーションを取る機会も多く、ひとりひとりの個性や多様性を受け入れたり、重視したりする傾向がある。

「モノ」より「コト」、「所有」より「共有」

生まれた時から豊富なものに囲まれた環境があり、物欲が少ない世代と言われている。「モノ」ではなく「コト」としての体験や経験、「所有」ではなく必要な時に必要なものを他人とシェアする「共有」という消費行動を好む。

こうしたことから、エクスペリエンス・エコノミーやシェアリング・エコノミーといった概念も話題になってきた。

▶️ 顧客にとってのエクスペリエンス(経験や体験)を経済価値として提供する、エクスペリエンス・エコノミーとは?
▶️ 個人が保有するモノや場所、スキルなどの貸出を行うシェアリング・エコノミーとは?

またそうした背景もあり、ミレニアル世代は体験型の旅行を好む傾向がある。観光地巡りよりも、地元の文化や生活に触れる旅行スタイルを選ぶことが多い。SNSを活用して、旅行の計画や情報収集を行うことが一般的だ。従来のレジャー活動に加えて、アウトドアアクティビティやエコツーリズム、デジタルデトックスなど、新しい形態のレジャーを取り入れる傾向がある。サステナブルなレジャー活動への関心も高い。

環境や社会問題への関心

ミレニアル世代はアメリカ同時多発テロ、長く続く経済不況、気候危機など不安定な世情の中で育ってきた。またSNSが身近にあり、世界で起きているさまざまな問題に触れる機会が多く、当事者意識が芽生えやすいことから、環境や社会問題への高い関心を持っているとされている。また、セレブリティやインフルエンサーたちの活動に影響を受け、自らSNSで発信する人々も増えている。

ワークライフバランスの優先

この世代は、仕事のためにプライベートを犠牲にすることは好まず、プライベートの充実があっての仕事という考え方を持つ人が多い。そのため、残業や休日出勤などは極力避け、またテレワークやワーケーションなど柔軟な働き方ができる環境を選ぶ傾向がある。また一つの企業に依存する働き方ではなく、より自分らしい環境を求めるなど転職に抵抗のない人も少なくない。

新しい形態の投資にも積極的

ミレニアル世代は、伝統的な投資手法だけでなく、暗号通貨やエシカル投資、クラウドファンディングなど、新しい形態の投資にも積極的と言われる。テクノロジーに精通しているため、オンラインプラットフォームを活用して、手軽に投資を行うことが多い。

また、貯蓄に対する意識は高く、特に将来の不確実性を考慮して貯蓄を重視する。ただし、高い学費負担や住宅価格の上昇などの経済的課題もあり、貯蓄率が低い場合もある。

Z世代とミレニアル世代の共通点と違い

Z世代はミレニアルの次の時代にあたる1996年代〜2012年までに生まれた世代のことだ。ミレニアル世代とよく比較され、共通する特徴も多いが、異なる価値観も持っている。

主な共通点

デジタルネイティブで、SNSが主な情報源。個性を重視し、多様性を受け入れる素地がある。共感で心が動く。環境問題への意識が高い。

主な相違点

Z世代は、親世代が不安定な経済情勢の時代を過ごしているのを見てきており、より現実的で貯金を早くから始めるなど保守的な感覚を持つ。また、ブランド力よりも自分らしさを重視し、マルチタスクで効率や利便性を求める傾向がある。

またミレニアル世代は柔軟な働き方を求めるが、まだ従来の職場文化にも適応しているのに対し、Z世代はリモートワークやプロジェクトベースの仕事を好み、職場の自由度を重視する傾向がある。

カテゴライズできない価値観

これからの時代を担うミレニアル世代に注目が集まる一方、もちろんこの世代の人々全員が同じ価値観を持つわけではなく、彼らに対するステレオタイプなイメージを持つことへの批判も存在している。

実際に同じ80年代生まれ以降とは言っても生まれ育った国や地域、受けた教育や家庭環境などにより人の価値観は大きく変わるものであり、すべてを「ミレニアル世代の傾向」として片づけてしまうことが、かえってその世代の人々を正しく理解するうえで妨げとなるというものだ。

米国ポートランドでライター・ブロガーとして活動するKelly Williams Brownもミレニアル世代の一人としてこの問題についてTED Talkで語っている。

まとめ

生まれた時期によって育った時代の影響を受け、同じような価値観やライフスタイルを持つことも確かだ。こうしたカテゴライズは確かに便利な側面もあるが、その一方で結局私たちは個人である。星座占いと同じで、共通する特徴も持っているが、皆がまったく一緒ということではない。

また、世代ごとに壁が生まれがちになるが、そこに境界を作るのではなく、それぞれに無いものを補い合うことでもう少し優しい社会になるのではないだろうか。そして生まれながらにダイバーシティが尊重される環境の中で育ったα世代が成人する頃には、このようなカテゴライズ自体が古いものになっているのかもしれない。

【参照サイト】Goldman Sachs | Millennials Infographic
【参照サイト】BBC Bitesize | Which generation are you? Millennials, baby boomers or Gen Z
【参照サイト】THE DELOITTE GLOBAL 2021 MILLENNIAL AND GEN Z SURVEY
【参照サイト】 JETRO | 次世代を担う「ミレニアル世代」「ジェネレーション Z」 -米国における世代(Generations)について-
【参照サイト】経済産業省 | 通商白書2021
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