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スマートリテールとは・意味

アマゾンGO

スマートリテールとは?

スマートリテールとは、キャッシュレスや顔認証技術などのテクノロジーを用いた新しい購買体験ができる小売店の総称。人件費などのコスト削減を行うとともに、消費者の購買体験そのものに付加価値をつけ、新たなマーケテイング手法として用いるなど、昨今世界で導入する小売店や投資を強める企業が増えている。また、スマートリテールを導入したい小売店のためのサービスを事業とするスタートアップ企業などもある。「スマートストア」や、「AIリテール」「ニューリテール」などと呼ばれることもあり、スマートリテールに使われるテクノロジーのことを「リテールテック」と呼ぶ。

スマートリテールの事例

実際のスマートリテールにはさまざまな事例がある。日本も含め、世界の事例をいくつかご紹介しよう。

1.韓国:ホームプラス
世界初のスマートリテールと言われているのが、韓国の大型小売店ホームプラスだ。英国のテスコ社と韓国のサムスングループが共同で運営を行うこのストアは2011年8月、ソウル・江南区の宣陵駅構内にデジタルディスプレイを設置し、そこにバーチャルストアを作り出した。利用者はデジタルディスプレイ上にある商品を見て、購入を検討。スマホの専用アプリで商品のQRコードをスキャンし商品の注文と支払いを完了させると、商品が自宅に配送され、受け取ることができる。 このストアは仕事で忙しくスーパーに行く時間のない会社員をターゲットにしており、ホームプラスのネット通販サイトで販売されている3万点以上の商品を購入することができる。

2.アメリカ:AmazonGo
2018年1月アメリカのシアトルにオープンしたAmazonGo。Amazonアカウントを持つ買い物客が自身のスマホにAmazon Goのアプリをダウンロードしておけば、ゲートでのQRコード読み取りでお店に入店できる。お店に入ったら棚にある商品を自分のバックに入れ、そのままゲートでQRコードを読み込ませてお店を出れば買い物終了。お店を出ると通常数分でスマホにレシートが届き、決済が完了する。AmazonGoにはショッピングカートもレジもなく、店内に設置された複数のカメラやセンサーでこれを可能にしている。

AmazonGoは2020年6月現在、アメリカ国内ですでに20店舗以上出店しており、2020年3月にはレジを使わない決済システム「Just Walk Out」を一般の小売店にも提供すると発表した。

3.オーストラリア:ウールワース(Woolworths)
オーストラリア最大のスーパーマーケットであるウールワースは、利用者がオンライン上で商品の選択・支払いを完了させ、ウールワースの実店舗に店員がまとめた注文品を取りに行くという仕組みを開発した。買い物客は広い店内で商品を探すために歩き回る必要がなくなるというメリットがあり、商品を受け取るために店に近づくと店員に通知が送られるという仕組みもあるため、満足度が非常に高い。

4.中国:投資を強めるアリババとテンセント
中国のIT大手であるアリババとテンセントは、数年前から両者ともこの分野への投資を強め、それぞれの方法で強力なマーケティング手法としてのスマートリテール戦略を推進している。

2016年1月にアリババグループがオープンした新型スーパーマーケット「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)」は、グループの決済サービス「Alipay(アリペイ)」を活用し、店舗での購買行動データを収集しているほか、注文から30分以内で自宅に配送できるECの機能も備えている。自社のプラットフォームで提供する各種サービスも合わせて活用することで、店舗付近のユーザーの消費行動を把握。自動発注と在庫管理などを行い、在庫回転率と販売量を高めることで、顧客満足度の最大化を図っている。そもそも、昨今使われている「ニューリテール」という言葉は、アリババの創業者ジャック・マー氏が数年前に提唱したものだ。

また、テンセントは自社のソーシャルネットワーキングサービスWeChatを用いた独自のスマートリテールを行っている。天虹WeChatPaymentsの店舗は、セフル決済や顔認証決済が導入され、買い物の多くのプロセスがデジタル化されている。注目すべきは、店内のあらゆる場所にスマートスクリーンが設置されており、スクリーンのQRコードをスキャンしたユーザーのスマホ画面に、そのユーザーに即した広告や同時にクーポンが表示されるという仕組みだ。これはWeChatに蓄積されたユーザーごとのデータを活用して配信されており、ビッグデータを活用した最適化マーケティングと言える。

5.日本:TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー)・スマートショッピングカート
日本でも2020年3月、高輪ゲートウェイ駅に無人コンビニ「TOUCH TO GO(タッチ・トゥ・ゴー)」がオープンした。これはAmazonGoとよく似たシステムで、天井に多数のカメラとセンサーを設置し、AIで顧客が手に取った商品を判別することで、店内スタッフの無人化を実現している。

また2020年7月には、株式会社Retail AIが開発した「スマートショッピングカート」の運⽤実証実験を、福岡県北九州市にあるスーパーマーケット「アルク到津店」(株式会社丸久が運営)で開始した。このショッピングカートにはそれぞれにタブレット端末が付いており、商品のバーコードをスキャンしながら買い物をすることで、その場での決済を可能にしている。この実証実験は3か月行い、運用の改善を行っていく予定だ。

コロナ時代のスマートリテール

いずれの事例にしても、スマートリテールではオンラインとオフラインの融合で両者それぞれのメリットを活かすことをポイントとしており、テクノロジーを用いて小売業回に革命を起こしている。この流れは以前からあったものだが、場合によっては店員と顧客の接触をゼロにすることができるスマートリテールは、世界中での新型コロナウイルスの蔓延によって、より導入の必要性が高まるだろう。日本ではいまだにどこのスーパーでも混雑時には長蛇の列が見られる場所が多いが、感染防止の側面から考えても、この国に合う方法で今後さらにスマートリテールが進んでいくことを期待したい。

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