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マイクロスクールとは・意味

子どもたち

マイクロスクールとは?

マイクロスクールとは、全学年で15人〜30人程度と少人数制で、テクノロジーを用いて個別最適化された教育を提供する新しい形の学び場のこと。アメリカがその先進地域であると言われているが、日本にもいくつかのマイクロスクールが存在する。公教育の一部として存在する場合もあるが、民間企業やNPO法人が創設した学校を指す場合が多い。

学校によってさまざまな特色があるが、少人数制であるため異学年との関わりを重視することができる点や、生徒が主体となってプロジェクトベースの学びを行うことは共通している。教師はあらかじめ決められた内容を教えるのではなく、生徒主体の学びをファシリテートすることを役割とする。

マイクロスクールの多くは文部科学省の認可を受けておらず、厳密にいえば「学校」とは呼べない。そのため、いわゆるフリースクールやオルタナティブスクールと同じ扱いで、地元の公立小に学籍を置いたうえで通うことになる。

これまでの公教育には欠けていた理念や考えに基づいて運営されるマイクロスクールは、教育界の新たなムーブメントとして注目されている。コロナ禍では、公教育が提供するオンライン授業への不満などから、マイクロスクールへの関心が高まり、実際に子どもを転校させる親もいたという。

マイクロスクールの背景

これまでの公教育は、決められたカリキュラムのなかで、受動的に知識を蓄えさせ、多くの人のレベルを同じように引き上げることを目的とする教育スタイルが一般的だった。日本においては、高度経済成長期にはそれが一定の効果をもたらし、国や経済が発展してきた。

しかし昨今は、気候変動やテクノロジーによる技術革新など、未だ人類が経験した事のない問題や変化が次々と現れる、不安定な時代である。こういった時代を生きていける人材を育てるためには、自らの興味、関心に従って物事を主体的に探求し、周りと協力して新しいものを作り出していくスキルを育む教育が必要とされているのだ。

マイクロスクールの事例

ここからは、いくつか実際のマイクロスクールを紹介したい。

Acton Academy

2009年にテキサス州に開校した、小学校、中学校、高校を備えたマイクロスクール。「21世紀の学校」と謳う同校は、生徒たちが主体的に学ぶスタイルを通してそれぞれの才能を発見し、「世界を変えるための大人」に育てることを目的としている。中学生からは、生徒の興味を持つ分野の職業インターンシップを経験することができたり、高校生では現実世界の問題を解決するためのプロジェクトにゲーム感覚で取り組んだりできるなど、主体性や社会性を育む学習環境が用意されている。

Alt School

Googleの元エンジニアであるマックス・ヴェンティラ氏が創設し、メタ(元Face Book)の創業者であるマーク・ザッカーバーグ夫妻をはじめ、世界中の投資家やテクノロジストが200億円近くを出資したマイクロスクール。パーソナライゼーションに特化した教育用のソフトウェアを開発し、それを用いて個人に最適化された教育を行っていた。たとえば、Alt Schoolが開発したアプリ「Playlist」を用いると、先生が各生徒のためのToDoリストを作成し、そこで各自がレベルに合った課題に取り組み、提出までを行うことができる。

また、従来の学校のように体育館や図書館などの施設は持たず、「街全体を学び場とする」という思想で、街の施設を借りて地域と関りを持ちながら教育活動を行う点も特徴的だ。

同社は2013年に最初の学校を開校し、その後学校数を拡大したが、2019年に学校の直接運営は停止し、ソフトウェア会社として社名をAltitudeLearningに変更した。現在同社は、ソフトウェアにより蓄積された学習データを用いてより最適な学習を提供するテクノロジーの開発を行うとしている。

東京コミュニティスクール(TCS)

東京都中野区に2004年に設立された、3歳〜12歳を対象とする全日制のマイクロスクール。同校は、家族的な雰囲気のなかで生徒たちが安心して学べる環境を提供し、与えられた知識を記憶するという従来の教育スタイルではなく、抱いた疑問に対して質問や調査を行ったり、人とコミュニケーションをしたりすることで、未知の問題を解決していく感覚を磨くとしている。

GIFT School

GIFT Schoolは、クリエイティブエージェンシーのNINJAWORKS株式会社が設立した、3〜15歳の生徒が通う、東京都港区に2020年に開校した定員30名のマイクロスクール。同校は、講師に国内外の教育のスペシャリストやアーティスト、哲学者、サイエンティストらなどを招致し、「子ども達の可能性を広げる」ことを理念に掲げている。

まとめ

マイクロスクールに子どもを通わせている親からは肯定的な声が多いものの、現時点ではその教育効果を正確に測る方法は存在しないため、その点を疑問視する声も存在する。

また、ほとんどのマイクロスクールは一定以上の入学金や学費がかかるため、現在はそれを支払うことが可能な一部の人々のみがそういった教育の恩恵を受けられるという側面を持つ。これによって、富裕層と貧困層の教育格差がより開く可能性も考えられる。そういった視点も持ちながら、教育の新たな動きの広がりに引き続き注目していきたい。

【参照サイト】東京コミュニティスクール
【参照サイト】GIFT School
【参照サイト】ACTON ACADEMY
【参照サイト】What are microschools? 5 questions answered
【参照サイト】Alt School




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