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TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)とは・意味

TNFD

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TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)とは?

金融機関や企業に対し、自然資本および生物多様性の観点からの事業機会とリスクの情報開示を求める、国際的なイニシアティブのこと。2020年に国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)、国連開発計画(UNDP)、世界自然保護基金(WWF)、英環境NGOグローバル・キャノピーの4機関が非公式に発足させ、2021年6月に正式に発足した。

このイニシアティブは、2021年に開催されたG7環境大臣会合およびG7財務相・中央銀行総裁会議でも関心が示されており、今後大きな活動になっていくと考えられる。WWFによると、2021年中に自然リスクに関する財務情報開示の枠組みが示され、2022年にパイロットテストを行い、2023年に実際の運用開始となる予定だ。

TNFDは、TCFDの生物多様性版

TNFDは、2015年に設立されたTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の生物多様性版と言われている。TCFDでは金融機関や企業に対し、気候変動(地球温暖化)に関連したリスクと機会を開示するよう要請しており、この情報は投資ファンドなどの間で重要な要素として定着しつつある。

そんななか指摘されるようになったのが、気候変動だけではなく生物多様性保全に関する、情報開示の標準化の必要性だ。世界経済フォーラムによると、世界全体のGDPの半分以上に相当する44兆ドル(約4800兆円)の経済的価値の創出が、森林、土壌、水などの自然資本に依存している。そして、自然資本を形成するうえで重要な柱となるのが生物多様性だ。それにもかかわらず、企業が生物多様性保全のために具体的に何をするべきなのか、明確な指針が示されていないことが課題となり、TNFDの発足に至った。

TNFDの目標

TNFDが2021年6月に公開したレポート「Proposed Technical Scope」によると、TNFDの枠組みは、既存の枠組みや基準(GRI、SASBなど)に統合されることを目指している。これはESG情報開示の枠組みを調和させていく、昨今の状況を踏まえていると言えるだろう。

また、TNFDが2021年6月に公開したレポート「Nature In Scope」によると、同イニシアティブの目標は、自然に負の影響を与える資金の流れを転換させ、自然に良い影響をもたらすことだという。これはつまり、生物多様性の劣化を回復に向かわせる「ネイチャー・ポジティブ」な経済を促進させるということだ。このような観点から、生物多様性の国際的な動向を把握しておくことが大切だろう。

【参照サイト】 PowerPoint プレゼンテーション (wwf.or.jp)




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