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ハイドロポニックスとは・意味

ハイドロポニックス

ハイドロポニックスとは?

ハイドロポニックス(Hydroponics)とは、一般的に土を使わずに植物を育てる栽培方法のことを指す。ただし厳密には、植物に必要なすべての栄養素が溶かされた培養液を与えて育てることを意味し、「養液栽培」と呼ばれることもある。

ハイドロポニックスは上位の大きなカテゴリーであり、その一部のサブカテゴリ―として「水耕栽培」や「噴霧栽培」、「固形培地栽培」などがある。培養液を含んだあらゆる培地において栽培でき、土壌で育てるよりもダイレクトに栄養素を吸収できるため、植物を早く大きく育てられる手法として注目を浴びている。

ハイドロポニックスの歴史

ハイドロポニックスは決して現代に突如現れた革新的な技術ではなく、地球上に土壌が育つ前から海の中で生成されていたシステムである。しかし農業に用いられるようになったのは、おそらく古代ギリシア世界の七不思議の一つであるバビロンの空中庭園が存在した頃だと考えられている。

また13世紀には、イタリアの冒険家マルコ・ポーロが中国で水に浮かぶ庭園を見たと著書に記しており、農業やガーデニングの一手法として古代から受け継がれていることがうかがえる。

さらに1990年代に入ると、アメリカ航空宇宙局(NASA)が無重力の宇宙ステーション上で豆の水耕栽培を行い、宇宙空間に長期滞在する宇宙飛行士への新鮮な食物の供給を可能にした。ハイドロポニックスは単なる過去の遺物ではなく、現代においても私たち人間にさまざまな可能性を与えてくれる革新的な技術と言えるのではないだろうか。

ハイドロポニックスのメリット

ハイドロポニックスには、通常の土壌栽培と比較して以下のようなメリットがある。

  • 培養液から効率的に栄養を摂取できるため、植物が大きく早く育ちやすい(生産性が高い)
  • 条件がそろっていれば気温・天候・場所などを問わず栽培できる
  • 土壌由来の病原菌感染のリスクを抑えられる
  • 害獣や害虫から植物を守ることができる
  • 農薬を使用しないため健康で高品質な果実を育てられる

土壌を必要とせず、培養液からダイレクトに栄養を受け取れることで様々な制約が取り払われ、上記のように多くのメリットを持つのがハイドロポニックスだ。サステナブルな社会の実現を目指すにあたり、有効な解決策の一つと言えるのではないだろうか。

ハイドロポニックスの普及状況

ハイドロポニックスはサステナブルな社会の実現を目指すうえで非常に魅力的な手法であるが、露地栽培に比べると初期費用が高いことや、消費者側のハイドロポニックスへの認知度や関心が低いといったデメリットもある。また収穫までの日数の長さや収益面を考慮すると、商業目的で栽培する場合には、生産できる農産物の種類が限られることも事実だ。

しかし現在日本では、農業人口減少などの問題への解決策として、作業効率化や省人化のためのさまざまな設備を使用した農業施設が増加している。そうした施設園芸においては、ハイドロポロニックスの技術が用いられている例も多い。

実際に大手外食チェーンが自社農家を持ったり、大手コンビニ各社が植物工場で栽培された野菜を採用したりといった動きもあり(※1)、今後も広義でのハイドロポニックスを活用した栽培がさらに浸透していくことが期待されている。

※1 養液栽培など根域環境をコントールする設備や、その他栽培室内を最適にするための高度な環境制御システムを導入した施設。

最近では有機栽培という言葉が広く浸透したり、生産者の顔が見える農作物が購入できる場が増加したりと食の安全や健康、環境に対する社会全体の意識が高まっていることは事実だ。何を選択するかはそれぞれの消費者個人の意思で決められるべきだが、ハイドロポニックスについて理解し今後の自身の選択肢が一つ広げることは、決して無意味ではないだろう。

【参照サイト】hydrogarden – WHAT IS HYDROPONICS?
【参照サイト】Fresh Water Systems – What Are Hydroponic Systems and How Do They Work?
【参照サイト】一般社団法人イノプレックス – 2020年 養液栽培や植物工場の普及率に関する最新データ①




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