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アンコールキャリアとは・意味

アンコールキャリア

アンコールキャリアとは

アンコールキャリアとは、それまで長く続けた仕事を退職した後に始める、新しいタイプの仕事のこと。特に、定年退職をした世代が引退後に選ぶ新たな仕事を指すことが多い。アンコールキャリアでは、経済的な利益よりも「社会にどんな良い影響が与えられるか」という点がより重視される。仕事を通して得られる他者への貢献感やつながりが個人の「生きがい」につながるのが特徴だ。

アンコールキャリアの採用が多いのは、教育、環境、健康、社会福祉に関わる企業、政府機関や非営利団体などだ。

アンコールキャリアという言葉が生まれた背景

アンコールキャリアという言葉が登場したのは、2008年のことだ。社会起業家のマーク・フリードマン氏が自身の著書“Encore: Finding Work that Matters in the Second Half of Life”で使い始め、徐々に広まった。

アンコールキャリアという概念が注目されるようになった背景には、平均寿命の延びや仕事内容の変化がある。平均寿命が延び、定年後も働ける人が増えていること、さらに、現在の労働市場では、肉体的負担が大きい仕事が減り、定年退職後も従事しやすいサービス業が増えたことから、定年退職後の新しいキャリアへの注目が集まったのだ。

また、人口構成で大きな比率を占める団塊の世代が定年退職し、組織側の人材不足が課題になっているという事情もある。

アンコールキャリアの事例

    • ビル・ゲイツ氏

2008年7月20日のニューヨークタイムズ紙のコラム“Geezers Doing Good”で、著者のニコラス・クリストフ氏は、ビル・ゲイツ氏がマイクロソフト社の後、引退せずにビル・ゲイツ財団のフルタイム勤務を始めた事例を指摘。アンコールキャリアの事例だと言及している。

    • アル・ゴア氏

気候変動の危機を伝え、アクションを促す非営利団体「クライメート・リアリティ・プロジェクト」を率いる、アル・ゴア元副大統領。彼も、コラムニストのEllen Goodman氏によりアンコールキャリアの事例として紹介されている。

アンコールキャリアのメリット

アンコールキャリアは、雇用される側、する側双方にメリットがある。アンコールキャリアを得る本人は継続的な収入に加え、社会や地域コミュニティとのつながりを持ち続けることができる。また、自分のスキルを他者や社会のために活用することは自身の「生きがい」になり得る。

雇用する企業・団体は、優秀な人材を得ることができるのが大きなメリットだ。また、職場の人材が多様になることで、チームとしてより良い成果を出したり、多様性への理解が深まったりする……といったポジティブな変化を起こすこともできる。

アンコールキャリアの課題

アンコールキャリアの課題としては、社会にいまだ「高齢者=使い物にならない」というアンコンシャスバイアスが存在することがあげられる。「退職後も働きたい」という高齢者のニーズがあっても、企業側に「若者が多い業界には合わないだろう」「デジタルツールを使いこなせるはずがない」といった思い込みがありなかなか採用が進まないことも多い。アンコールキャリアを普及させていく上では、こうした無意識の偏見と向き合い、一つ一つ取り払っていくことが重要だ。

また、アンコールキャリアを得る本人は、これまでと違う環境で慣れないツールを使ったり、新たなスキルを習得したりする必要も出てくるだろう。慣れるまでに時間がかかってしまったり、疲労やストレスが溜まってしまったりすることも考えられる。通常の仕事と同様に、アンコールキャリアも時間、労力を使いすぎると負担となり、身体を壊す可能性があるということを本人、雇用主共に認識しておく必要があるだろう。

本人が生活のバランスを取りながら仕事に取り組むことはもちろんだが、周囲の人が適切なサポートをする、すぐに結果を求めず長い目で見るといった対応をとることで双方が働きやすい環境を整えていくことが重要である。

アンコールキャリアは社会・地球の問題解決につながるうえに、働く本人やチームのどちらものウェルビーイングを高める素晴らしい取り組みとなる。高齢化、気候危機、社会問題が深刻化していく中、様々なメリットをもたらす解決策として、より重要になっていくだろう。

【関連ページ】アンコンシャスバイアス

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