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アフロフューチャリズムとは・意味

人々が集う様子

アフロフューチャリズムとは?

アフロ・フューチャリズムとは、黒人のアーティストが表現する宇宙思想のことである。故郷であるアフリカという地を失った黒人が自らの生活や文化のルーツを宇宙に求めて表現されていることが特徴である。

アフロフューチャリズムは、黒人のユートピア思想とも関係がある。まず、アフロフューチャリズムを理解するにあたって抑えてきたい概念に「アフリカン・ディアスポラ」と「ブラック・ナショナリズム」がある。

  • アフリカン・ディアスポラ
  • さまざまな苦難を強いられて、アフリカ系の人々が世界中に離散していく状況を指す。実際に、アフリカ系難民は現在、2,421万人いるといわれている。さらに、アフリカにルーツを持つ人々が多いアメリカ両大陸には、自らをアフリカ系と考える人々が2億人住んでいる。その状況をディアスポラと重ねている。

  • ブラックナショナリズム
  • 19世紀から続いているアメリカ黒人による抵抗運動のことを指す。白人への人種的統合を目指す動きが盛んになると、身分を軽視されてきた黒人らが自立を目指すようになった。しかし、現在においても黒人が不当の扱いを受けるなど、黒人差別が根強く残っている。

アフロフューチャリズムが再注目される理由

アフリカ系の人々は、人種差別の当事者になることが多い。現代社会においても、奴隷貿易の犠牲者の子孫として、移住者として、アフリカ系の人々がもっとも貧しく、社会から隔絶された層を構成している。実際に、アフリカ系の人々は、教育や保健・医療をはじめ社会保障を十分に利用できておらず、そのほかにも政治参加ができないなどの不平がいまだ残る。最近では、#BlackLivesMatterや#MeToo運動により、アフロフューチャリズムはさらに注目されるようになった。

国連も、「アフリカ系の人々のための国際の10年(2015-2024)」を定め、弱い立場にあるアフリカ系の人々の人権の向上と擁護に努めている。

この現状からアフリカ系の人々は、自分のルーツ、思想、自由などを求めはじめた。人種差別により取り残されてきたアフリカ系の人々は、自らのアイデンティティを再考するために独自のプラットフォームを確立した。それが、アフロフューチャリズムである。DX化に伴い、デジタルテクノロジーやコミュニケーションツールの利用が可能となった現代においては、アフリカ系独自の思想をデジタル空間で表現するなど新しい視点で捉えている。

アフロフューチャリズムを考える

かつての国内のエンターテイメントにおいて、アフリカ系アメリカ人が主役になることはほとんどなかった。そこに登場したのがアフロフューチャリズムである。

アフリカ系アメリカ人コミュニティで生まれた音楽であるジャズやブルースは、アフロフューチャリズムを体現化したものである。日本においてアフロフューチャリズムが表現された映画は、『ブラックパンサー』や『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』などが挙げられる。音楽では、ジャネール・モネイの『ダーティ・コンピュータ』が挙げられる。

私たちにできること

日本で根付かなかったアフロフューチャーリズムは、近年世界中で爆発的な人気をみせている。一方で、現代社会においても黒人差別が根強く残っていることも確かである。アフロフューチャーリズムを題材にした作品が流行するということは、多くの黒人が社会に不満を持っていることの現れだともいえる。まずは、誰も取り残されない社会を実現するために、エンターテイメントを通してアフロフューチャリズムに触れ、作品を楽しむとともに、黒人に関する社会問題について考えるきっかけにしていくことが望まれる。そうすることでダイバーシティについて考えるきっかけにもなるだろう。

【関連記事】黒人差別・Black Lives Matter運動
【関連記事】「アフリカへ帰れ」黒人系へのヘイト投稿を逆手に取った観光PR
【参考サイト】UNHCRの難民援助活動2019
【参考サイト】国際連合広報センター「アフリカ系の人々のための国際の10年(2015-2024)」
【参考サイト】IMPAKTER「Black to the future: Afrofuturism and Black Subjectivity」

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