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マイクロフォレストとは・意味

マイクロフォレスト

マイクロフォレストとは?

マイクロフォレストとは、都市を中心に、植林により荒廃した土地の自然開発、その土地の自然保護を両立させた小さな森のことである。地域の潜在植生(その地域の在来種)に適合した木を植えるため、従来の植林よりも年間で10倍のスピードで成長し、より多くの二酸化炭素を吸収する。メンテナンスも不要で、生態系を維持できるとされている。

マイクロフォレストを考える上で代表的なものは、日本の植物学者の宮脇昭による「宮脇法」である。宮脇法は、潜在植生からのアプローチで小さな森の開発を行なった。さらに化学薬品や農薬を使用せずに、97%の樹木生存率で3,000以上の原生林を作り、世界中で4,000万本以上の在来樹木を植えることに成功したことで知られている。

ヨーロッパのマイクロフォレストムーブメント

こうした、都市空間の中に小さな森をつくる活動はヨーロッパを中心に進んでいる。都市空間の緑化を行うことで、大気汚染対策やヒートアイランド現象対策、人間のメンタルヘルスの改善などの効果が期待される。

  • Urban Forests(フランス・ベルギー)
  • 個人、企業、市民ボランティアを中心に都市の市街地に植物を植え、二酸化炭素の吸収や街の景観を整えるプロジェクト。特にフランスの首都であるパリは緑地が少ないとされてきたが、アーバンフォレストにより、美しい自然に満ちた森が増えている。

  • Tiny Forests(オランダ)
  • 都市の中に人工的に小さな森をつくるというプロジェクト。タイニーフォレストが国内に初めてできた2015年から、自然保護団体IVNが中心となり、活動を広げている。タイニーフォレストについて学ぶことができるガイドブックもリリースされており、誰でも簡単にタイニーフォレスト活動に参加できる。

    いずれも宮脇法を用い、市民参加型プロジェクトとなっている。

  • スーパーブロックプロジェクト(スペイン)
  • 他にもスペインのバルセロナにおいても、マイクロフォレストづくりが進んでいる。バルセロナでは、車道を市民が整備する「スーパーブロックプロジェクト」を導入している。市街地の自動車走行規制を行い、車道として使われていた道を市民のアイデアに委ねるという発想である。スーパーブロックの中には、花壇はもちろん、公園やイベントスペースなどもあり市民の憩いの場(ソーシャルスペース)となっている。

    再び「市民」を街の主人公に。バルセロナの新しい街づくり「Superblock Project」

    マイクロフォレストの今後

    深刻な環境破壊や環境汚染が進む現代。森林は、私たちの生活に欠かすことができない様々な生態系サービスを提供している。だからこそ、それぞれの土地で持続可能な森を成立し、生物多様性の保全に取り組む必要がある。そして、マイクロフォレストづくりのように市民が中心となって自分の街をデザインし、持続可能なまちづくりをしていくことが重要である。

    【関連記事】世界中で広がる「食べられる森」とは?
    【参考サイト】SCOTSCAPE 「Micro Forests」
    【参考サイト】URBAN FORESTS DO IT WISH TREES! HP
    【参考サイト】IVN HP
    【参考サイト】World Economic Forum 「People are planning tiny urban forests to boost biodiversity and fight climate change」
    【参考サイト】Tomorrow’s Forests 「The Miyawaki Method for Creating Forests」

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