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Cradle to Cradle(ゆりかごからゆりかごへ)とは・意味

ゆりかご

Image via Unsplash

Cradle to Cradleは、直訳すると「ゆりかごからゆりかごへ」という意味。「Cradle to Grave(ゆりかごから墓場まで)」というイギリスにおける社会福祉政策のスローガンをもじって作られた言葉で、「地球というゆりかごから得た資源をごみとして墓場(=廃棄場)に捨てるのではなく、ごみを資源と捉え、ゆりかご(=地球)にもどし、完全に循環するかたちにしよう」とする考え方だ。

近年注目されているサーキュラーエコノミーの原点となる考え方として、製品やサービス、都市などのデザインを考える際に用いられている。C2Cと略されることもある。

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Cradle to Cradleの歴史

Cradle to Cradleは、1990年代に、ドイツの科学者マイケル・ブラウンガート氏(Michael Braungart)、米国の建築家・工業デザイナーのウィリアム・マクダナー氏(William McDonough)と、EPEA(ドイツ環境保護促進機関)の科学者が作り上げ、提唱した。

このコンセプトの特徴は、自然から着想を得ている点にある。従来の人間のものづくりでは「ごみが出るのは仕方ない」という考えのもとに作られることが多かった。一方自然界では、生態系がつながりあい、資源が無駄なく循環しつづけている。Cradle to Cradleのコンセプトでは、従来の「廃棄はやむを得ない」とする考え方を見直し、自然界のように「すべての材料が資源に戻り、循環しつづける製品、仕組みづくり」を提案している。従来型との大きな違いは「(ごみはどうしても発生してしまうものだが、なるべく)ごみを減らそう」という考え方のもとにモノをつくるのではなく、デザインを考える初期段階から「ごみの出ない仕組み」を考える、という点だ。

「資源を利用してモノをつくり、使って、捨てる」という従来の直線的な資源利用ではなく、使ったものを再度資源として利用しなおすという循環型の資源利用を行っていくのが特徴である。

以下の動画ではCradle to Cradleのコンセプトが簡単に説明されている。(英語の動画だが、短い単語とシンプルなイラストで構成されているので、英語が苦手でも理解しやすいはずだ。)

過去にIDEAS FOR GOODで紹介した「廃棄プラスチックを活用してつくるスピーカー」も、C2Cのコンセプトを取り入れた製品だと言えよう。

廃棄プラスチックでできたスピーカー「Gomi Speaker」ゴミを有効活用するイギリス発のアイデア

他にC2Cのコンセプトを取り入れた製品・サービスとして

・アンティーク家具のレンタルサービス
・再生可能な素材で作られた容器に入った生分解性が高く環境を傷つけないシャンプー
・電気自動車のカーシェアリング(車は使用後も再利用する)

などが挙げられる。

Cradle to Cradle認証

EPEA(ドイツ環境保護促進機関)は、Cradle to Cradleの認証をおこなっている。認証を受けるには、下記の5つのカテゴリの基準を満たす必要がある。

・Material Health(原材料の健康性)
・Material Reutilization(原料・部品が再利用できること)
・Renewable Energy & Carbon Management(再生可能エネルギーの利用とカーボンマネジメント)
・Water Stewardship(水スチュワードシップ~水の適切な管理)
・Social Fairness(社会的な公正さ)
【Cradle to Cradleの認証を受けている製品・企業・団体等】

自然派化粧品のアヴェダやカーペットのDESSO 、オフィス家具などを手掛けるハーマンミラー、旭硝子欧州支社 などの製品が認証を受けている。ドイツ政府やオランダ政府、カリフォルニア州などの国や自治体が、認証を受けているケースもある。

Cradle to Cradleの今後

Cradle to Cradleは、資源の枯渇問題が深刻化するとともに、注目が高まってきた。コンセプトが生まれてから25年以上たった現在では、デザイン学校のカリキュラムに取り入れられたり、多くの製品をデザインする際に参考にされたりしており、デザインの現場で広くCradle to Cradleの概念が普及している様子が見て取れる。

また、Cradle to Cradleは環境問題の解決だけでなく、経済面でもメリットがある。資源の枯渇でそれまでのように資源を調達し、ビジネスができなくなる恐れがある企業にとっては、この考え方でものづくりを進めることが、ビジネスの存続のカギとなる可能性もある。

資源の枯渇は今後しばらく人類が直面せざるを得ない状況なので、今後はより多くのものづくりでの場でこの考え方が用いられるだろう。数十年後には、Cradle to Cradleは製品・サービスをデザインする際の基本的な考え方の1つになるかもしれない。

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