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グリーンGDPとは・意味

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グリーンGDPとは?

グリーンGDPとは、今まで経済成長の指標として使われていたGDPから、天然資源の枯渇や環境劣化分のコストを差し引いたもののことをいう。

国内総生産(GDP)は、一定期間内に国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値を表し、環境負荷などの負の価値はGDPから引かれない。グリーンGDPは、そうした環境への負荷を考慮しない従来のGDPの欠点を補い、天然資源の金銭的評価にも焦点を当て数値化することができる。そのため、グリーンGDPを導入することで、温暖化対策で経済成長が鈍化したとしても、社会が受け入れることが容易になるという側面があり、従来のGDPに代わる新しい経済成長の指標として、期待が高まっている。

グリーンGDPの利点

グリーンGDPの利点として以下の3つが挙げられる。

  • 1. 市場と自然環境という深い相互接続関係をもつ2つの変数を、同時に管理することができる。
  • 2. 同じ国同士や違う国同士でも、経済活動における環境への影響を年単位で比べやすい。そして、経済成長が環境に及ぼす将来的な影響も予測しやすくなる。
  • 3. 環境への配慮が足らない場合に、該当政府に説明責任をもたらす。

グリーンGDPの算出方法

グリーンGDPの算出は、「環境・経済統合勘定体系」(SEEA:Satellite System for Integrated Enviromental and Economic Accounting)と呼ばれる環境経済会計システムを用いて行われる。

1993年に、国連統計部(UNSD)がSEEAを公表したことが始まりであるが、当初は、環境負荷を算出する非市場評価技術があまりにも実験的でありすぎて、一貫性がないことが懸念されていた。

そこで、度重なるSEEAの改訂を経て、2003年に一度改訂版が公表され、2012年にはSEEA-CF(環境経済勘定体系セントラルフレームワーク)が、環境経済システムに関する初めての国際基準となった。現在は、SEEA-EA(生態系勘定)の測定を人工知能を用いて迅速に行えるツールの開発が発表されるまでになった。

このシステムは、「生態系範囲」「生態系状態」「生態系サービスの物理的評価」「生態系サービスの金額換算評価」「生態系アセットの金額換算評価」の5つの内容から構成される。

現在では、自然環境に関するネガティブ(生態系の劣化、天然資源の枯渇など)な側面の把握だけでなく、ポジティブ(生態系サービス、修復など)な側面も認識できるようになった。

グリーンGDPへの懸念

システムの改良が進んでも、なおグリーンGDPへの懸念は残る。例えば、本質的に無形のものを測定しているため、それらの金銭的価値を見積もるのはそもそも非常に困難なことである。

また、生態系に関する内容も広範な事象が関係することから、一部を網羅することしかできていないのではないかという懸念もある。

大前提として、従来のGDPが他のシステムに置き換わることは、持続可能な社会づくりのために欠かせない。より良い代替システムの議論は、まだまだ続くことになりそうだ。

【関連記事】誰のための「経済」?資本主義の向かう先【ウェルビーイング特集 #33 新しい経済】
【参照サイト】The Rise, Fall and Rethinking of Green GDP(SYSTEM OF ENVIRONMENTAL ECONOMIC ACCOUNTING)
【参照サイト】グリーンGDP 経済のゆがみ 見直そう(朝日新聞)
【参照サイト】Green GDP(MSG)
【参照サイト】Sustainable Development Based on Green GDP Accounting and Cloud Computing: A Case Study of Zhejiang Province
【参照サイト】平成25年度環境経済勘定セントラルフレームワークに関する検討作業報告書
【参照サイト】UN launches the first artificial intelligence tool for rapid natural capital accounting




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