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ジェントリフィケーションとは・意味

街並み

ジェントリフィケーションとは

都市の富裕化現象のこと。1964年に、イギリスの社会学者であるルース・グラスが名付けた。「ジェントリ」とはイギリスの地主層を指す言葉であり、そういった階層の人が住む空間に都市が変化することを指している。

都市の富裕化現象には、古い住宅の復旧、不動産価格の上昇、中産階級の流入による労働者階級の立ち退きといったプロセスが含まれる。ジェントリフィケーションはロンドンで初めて確認され、その後ニューヨーク、東京、パリといった場所でも同様の事例が報告されるようになった。

「都市再開発」や「都市再生」といった用語との大きな違いは、この言葉に低所得層が立ち退きさせられることへの批判性が含まれている点だ。一方で、ジェントリフィケーションはインフラの整備や治安の向上といった恩恵をもたらすため、肯定的に評価されることもある。

日本におけるジェントリフィケーション

日本におけるジェントリフィケーションの事例として、京都市の西陣エリア、大阪市西成区のあいりん地区、石川県金沢市、東京都中央区などが報告されている。

西陣エリアは西陣織産業の地域内生産が低下したことにより、1970年代半ばから繊維工業の工場数と従業員数が大幅に減少。また、同エリアにある家屋の老朽化も進んでいた。そこへ、織屋の跡地を中心に共同住宅が多数建設され、新規居住者が増え、1980年代には人口減少率が低減した。

西陣エリアには歴史的な町並み景観など、良好なイメージがあったことから共同住宅の需要が高まった。しかし共同住宅の建設を促進すると、歴史ある住宅も立ち退きのターゲットとなり、結果的に歴史的な町並み景観が破壊されるおそれがあると、1992年発表の論文で議論されている。

全国有数の貧困地区として知られるあいりん地区は、2012年から始まった西成特区構想により、「不衛生」「治安が悪い」といったイメージが薄れた。2022年には星野リゾートが、あいりん地区の近くにホテルを開業する予定もある。こういった再開発の結果、社会的弱者が町から排除される可能性があるとも言われている。

ジェントリフィケーションの負の側面をなくすには

ジェントリフィケーションの形態は多様であるため、それをめぐるジレンマを解消する方法も一様ではない。企業活動の影響で地域が富裕化している場合は行政が介入し、低所得層に対する不公正を是正することもできる。しかし、あいりん地区のようにそもそも市主導で再開発が行われているケースもある。

まずは、ジェントリフィケーションのプロセスにどういうアクターが関わっているのか、地域ごとの動向を追う必要がある。そのうえで、貧困問題の本質的な解決に向けて取り組むべきだろう。

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